怖い話ランキング50話【2025上半期】
人身事故 深夜町の明りが遠くでまたく中俺は最寄り の駅から自宅へと向かっていた。 時計の針は日付を越え人通りはほとんど ない。 いつもならこの時間特有のしけさが 心地よいのだが、今日はなぜか胸騒ぎがし ていた。 見慣れた踏切りに差しかかる。 すると遮断機は下がり始め、警報機が赤く 点滅し始めた。 遠くから列車が近づいてくる低い響きが 地面を通して伝わってくる。 その時路 の中に突然一影が立ってるのが見えた。 長い神の女性のようだった。 明りは少ないがその姿は確かにそこにあっ た。 俺は言葉を失って立ち止まった。 列車はすぐそこまで迫っている。 女性は狭い来る列車にもまるで気づいてい ないかのようにただ線路の上に立っている 。 その静止した姿に慶用しがい気配を感じた 。 俺は必死に声を出そうとしたが出なかった 。 全身が凍りついて1歩も動けない。 その間に列車はもうスピードで接近し、ゴ を上げて俺の目の前を通過していった。 列車が女性を飲み込んだその瞬間、 俺の目の前で女性の体が黒い影のような 無数の破片となり、鮮路全体に散らばって いった。 間違いなく人身事故だった。 しかし信じられないことに散らばった黒い 影の破片は地面に落ちることなくヒュラー と中を漂して 次の瞬間にはまるで煙のように無惨し後方 もなく消えていった。 何も残っておらず衝突ゾンも女性の悲鳴も 聞こえてこなかった。 列車が完全に遠ざかり、警報機の点滅が 止まった。 遮段機がゆっくりと上がり始める。 俺は恐ろ恐る線路の向こう側を見た。 だがそこにはやはり誰もいない。 あの女性は最初から存在しなかったかの ように後方もなく消えていた。 俺は足元から込み上げるおかを感じながら 急いで踏み切りを渡った。 家に帰りついてからも体のフレがしばらく 止まらなかった。 あの女性は一体何だったのか。 そしてなぜあの瞬間俺は声も出せず動く こともできなかったんだろう。 翌日 普段と変わらない日常が始まった。 あの夜の出来事が嘘だったかのように何の 痕跡も残っていない。 しかし俺の心にはあの踏切りで見た光景が 拭いされない影が焼きついていた。 それ以来俺は視界の橋に女性の影を見る ようになった。 それははっきりと認識できるものではない 。 部屋の隅を通りすぎる、あるいは一込みの 中にふらりと消える曖昧な影。 意識して見ようとするともうそこには何も ない。 しかし確かにそこにいたという確信だけが 残る。 その度に背筋がゾりと冷たくなる。 夜1人でいると常に誰かの視線を感じる ようになった。 天井から壁の向こうから時には自分のすぐ 後ろから。 その気配は時に空気の不のように時に 冷たい息使いが感じられ俺の精神を静かに 削り取っていった。 この異常な状態に耐えきれなくなって俺は わにもすがる思いで知り合いの紹介で1人 の霊能者を尋ねた。 古びたアパートの一室で老婆の霊能者は俺 の顔を見るなり静かに目を閉じ手をかざし た。 ロ速の炎がヒュラーヒラー と揺れ部屋には思い目が広がる。 しばらくした後、霊能者はゆっくりと目を 開けた。 その表情はどこか戸惑ってるようだった。 あなたの周りには何も取り着いていません 。 霊能者の言葉は俺には理解できなかった。 信じられない思いで聞き返すと彼女は再び 首をかしげるように言った。 どんなに見ても何もいない。どこにも あなたに取り着いてる存在は見えません。 霊能者の言葉は俺にアではなく帰って深い 絶望をもたらした。 何も取り着いていないのならこの恐怖は 一体何なんだろう。 自分の精神がおかしくなってしまったん だろうか。 あの夜 踏切りで何が起こったのか俺には分から ない。 幻だったのか現実だったのか。 そして俺は視界の橋に常に存在する影が 実は自分自身の心が生み出したものでは ないかと怯えながら生きている。 大食根。 これは3年前に勤めていた会社を辞めた時 の話だ。 新卒で入ったその会社はいわゆるブラック 企業だった。 連日の深夜残業を当たり前、休日出勤も 上態化し、何より直属の上司である佐藤 部長からのパハがひどかった。 人格否定のようなバトン、到底達成不可能 なノルマ他の社員の前でのさらし上げ 真身共に限界だった私は何度もやめたいと 思ったが、その度に部長のお前みたいなや がうちをやめたらどこで通用するんだ。 もしやめたらそれ相応の覚悟はできてるん だろうな。 という脅し文句に救み上がり言い出すこと すらできなかった。 精神的に追い詰められ不民と食欲不審に 悩まされていた頃インターネットで退職 代行サービスの存在を知った。 わにもすがる思いで検索し、1番上に出て きた業者に連絡を取ることにした。 サイトは洗練されており、円満退職を完全 サポート。上司と顔を合わせる必要なし。 即対応可能といった歌い文句が並んでいた 。 料金は決して安くはなかったが、これで 部長の顔を見ずにこの地獄から抜け出せる ならと触れる手で申し込みフォームを入力 した。 すぐに自動返信メールが届き、続いて担当 者を名乗る山本という人物から今後の流れ を説明する丁寧なメールが送られてきた。 指定された口座に料金を振り込むと手続き を開始します。以降の連絡は専用の メッセージアプリにて行います との連絡があり、アプリをインストール するよう指示された。 アプリはシンプルなデザインでチャット 形式で山本氏とやり取りができるように なっていた。 丸月丸日付けでの退職希望で受け承まり ました。 退職届ット で作成し、丸日午前中に会社へ提出いたし ます。 パソコン、社員症などの返却リストと手順 をお送りします。 事務的な連絡が店舗よく届き、私は少し ずつアンド感を覚えていた。 これで本当にやめられるんだと。 退職代行当日。 山本市から予定通り丸時丸に人事部当てに 退職届けを提出いたしました。 佐藤部長には人事部経由で連絡が入ります と炙りにメッセージが入った。 私は有給消化に入り、会社の人間とは一切 連絡を取らないようスマートフォンの電源 を切って自宅に引きこもった。 解放感と同時に言い用のない不安も感じて いた。 部長はこの時代をどう受け止めるんだろう か。報復されるんではないか。そんな考え が頭をよぎる。 その夜から奇妙なことが起こり始めた。 夜中の2時や3時といった非常識な時間に 退職代行のメッセージアプリの通知が鳴る ようになったのだ。 開いてみると退職代行担当の山本さんから 手続きは順調です。ご安心くださいといっ た昼間に受け取ったものと同じ内容の メッセージが再送されている。 最初はシステムの不具合かと思った。 しかし次の日、その次の日もそれは続いた 。 しかもメッセージの内容が微妙に変化し 始めた。 問題なく進行中。全て計画通り心配は無要 です。 のようでいてどこか感情が結落したような 無質な響きがあった。 まるでプログラムが自動で変信してるよう ないやそれ以上に何か冷たい意思のような ものを感じた。 さらに奇妙なことに必設定の着信が頻繁に 入るようになった。 恐れる恐れる出てみると何も聞こえないか なノイズの奥で お前 と低くかれた声が聞こえるような気がする だけ。 そしてすぐに切れる。 それが1日に何度もあった。 部長の声に似てると思ったが確証はない。 君が悪くての着信は出ないことにしたんだ が止まらなかった。 山本さんに炙りでこの件を相談してみた。 非通知着信が続いています。もしかしたら 前の会社からかもしれません。 変身はすぐに来た。 想定内の反応です。無視してください。お 客様の次の段階には影響ありません。 相変わらずどこか噛み合わないマニュアル 通りのような返答だった。 数日後、会社から最後の給養迷彩と離職表 が郵送されてきた。 これで完全に縁が切れたと安度したのも つの間。その封筒の中に見慣れないものが 入ってることに気づいた。 それは手のひに収まるくらいの黒い石だっ た。 表面は妙に滑らかでひんやりとしている。 会社で使っていた私物の中にこんなものが あった記憶は全くない。 誰かが意図的に入れたとしか思えなかった 。 気持ち悪くてすぐにティッシュにくるんで ゴミ箱に捨てた。 その日から非通着信に混じって、今度は 通知不可能と表示される着信が来るように なった。 出てみるとざーっという激しいノイズの 向こうで複数の人間が何かを早口で まくし立ててるような声が聞こえる。 何を言ってるのか全く聞き取れないが、 その声は明らかに怒りや像を含んでるよう に感じた。 まるで樹のようだ。 そして退職代行のメッセージアプリの通知 もさらに様を増していった。 彼は見ています。まだ終わっていません。 後悔していますか? 短い断片的な言葉。それはもはや業務連絡 ではなかった。 誰が何の目的で送っているのか。山本さん なのか。それも 恐怖に駆られ、私は退職代行の ウェブサイトを隅々まで調べ、問い合わせ 用の電話番号を見つけ出した。 アプリではなく、直接声を聞いて話がし たかったのだ。 電話はすぐに繋がって女性のオペレーター が出た。 はい、まるまるサポートです。 感情の欲がない平坦な声だった。 私は山本さんを呼び出してもらった。 山本です。いかがなさいましたか? アプリでの無奇質な印象とは少し違う。 やや神経しそうな男性の声だった。 私はこれまでの奇妙な出来事、アプリの 異様なメッセージ、非通知や通知不可能の 着信、送られてきた黒い石について席を 切ったように話した。 しかし山本さんの反応は鈍かった。 はあ。作用でございますか?アプリの メッセージはシステム管理部門の問題かも しれません。調査いたします。着信や郵送 物に関しましては元勤務先による嫌がらせ の可能性が高いかと存じます。当社として は感事いたしねます。 まるで人言のような口調だった。 私がでもアプリのメッセージ明らかに異常 ですよ と食い下がっても お客様の心理的なご負担が影響してるのか もしれませんね。しばらくは安静になさる ことをお勧めします と取りと取り合ってくれない。 我々はお客様が次の段階へ進むためのお 手伝いをするだけですので、 最後にそう言って一方的に電話を切られた 。 次の段階 その言葉が妙に耳に残った。 私は完全に孤立した。 退職代行を使ったことで友人や家族にも 詳しい事情を話しにくく前の会社の同僚と も連絡を立っていた。 誰にも相談できず家の中にいても常に誰か に監視されてるような気がした。 非通知着信の音に怯え、アプリの通知が 来るたび心臓が跳ね上がる。 もう限界だった。ひっ越そう。住所も電話 番号も変えて完全に過去を立ち切ろう。 そう決意し荷造りを始めた。 ダンボールに私物を詰めていると最初に 退職代行業者とか交わした契約書の ファイルが出てきた。 念のため取っておいたものだ。 何気なくその契約書に記載されている業者 の住所に目をやった。 東京都まるまるく バ長。 その住所には見覚えがあった。いや 聞き覚えがあった。 それは私が大学時代に友人と肝試しに行っ た有名な自殺の名所がある地域の近くだっ たはず。 嫌な予感がしてスマートフォンの地図 アプリでその住所を検索した。 地図が表示されピンが立った場所を見て私 は息を飲んだ。 そこは肝試しに行った場所のすぐ隣にある 古びた雑魚ビルだった。 窓は誇りにまみれ、人の気配など全く感じ られないような建物だ。 こんな場所に本当にオ室があるんだろうか 。 その瞬間、スマートフォンの画面が安転し 、メッセージアプリの通知が表示された。 それは画像だった。 今私がいる部屋の窓の外から室内を撮影し たとき、新井画質の写真。 カーテンの隙間から荷造り途中のダン ボールと呆然と立ち尽くす私の城が ぼんやりと映り込んでいる。 そして画像のすぐ下に一だけメッセージが 表示されていた。 次の段階へようこそ。 全身の血の毛が引いた。 私は悲鳴をあげ、スマートフォンを床に 叩きつけた。 画面が砕け散る。 それでもタリス契約書をビリビリに破いて ゴミ袋に押し込んだ。 その後のことはあまり覚えていない。 ただガムシラに荷物をまとめ不動産屋に 駆け込み、即日入居可能の区のアパートを 契約し、文字通り夜げ同然で引っ越し電話 番号も変えた。 新しい生活を始めて1年以上が経つ。 幸いあの奇妙な着信もアプリからの接触も それ以来一切ない。 今の仕事は大変だが人間関係は良好で ようやく平穏を取り戻しつつあった。 先日偶然前の会社の同僚だった男と駅で ばったりとあった。 少し痩せていたが元気そうだった。 当たり障りのない近況報告をした後、彼が ふと思い出したように言った。 そういえばさ、お前がやめた後は佐藤部長 大変だったんだぞ。 え、 なんか精神的に不安定になっちゃってさ。 お前のこと相当根にっていたみたいで、 裏切り者は許さないとか、俺がちゃんと次 の段階に送ってやるとかブツブツ呟いてて 、 しまには誰かと電話で怒鳴り合ってるのを 何回か聞いたって話だ。 相手はなんか代行業者みたいな名前だった かな。 まあ結局体調崩して佐藤部長も退職し ちゃったんだけどさ。 同僚はそう言っていたが私の耳にはもう 届いていなかった。 次の段階に送ってやる 部長の言葉。 次の段階へようこそというあの最後の メッセージ。 そしてあのハイビルにあった代行業者の 住所。 あの業者は一体何だったんだろうか。 単なる退職代行業者ではなかったのでは ないだろうか。 それとも部長の歪んだ周年があの業者を 通じて、あるいは業者そのものを乗っる形 で私に届いていたのだろうか。 あの黒い石は、あの声は、あの写真は 全て説明がつかないが、ただ1つだけ確か なことがある。 私は2度と退職代行という言葉を安易に口 にすることはできないだろう。 あの次の段階が何を意味するのか知りたく もないからだ。 梅雨の換気戦。 今年の梅はことの他長くそして湿度が 高かった。 私が1人で暮らしていたその地区20年の マンションの一室は元々風がいいとは言え ず、この時期になると部屋のあちこちに 湿気がこもって気分までじめじめとして くる。 特に窓のない浴室とキッチンは換気線を1 日中回しっぱなしにしないとすぐにカ臭く なってしまうほどだった。 異変に気づいたのはそんなつ空が何日も 続いたある雨の夜のことだった。 いつものように浴室の換気線を回したまま 眠りにつこうとしていたのだが こ という単調な運転に混じって何か別の音が 聞こえるような気がしたのだ。 それは風が狭い隙間を通り抜ける時のよう なか高い音だった。 しかし窓は締め切っているし、部屋に そんな隙間風が入るような場所はない。 音は明らかに浴室の換気線の辺りから 聞こえてくれ。 換気線を止めるとその音もピタリと病む。 また回すとしばらくしてまたひ と聞こえ始める。 換気戦のモーターの調子でも悪いのかな? 古いマンションだったし。そんなもんかと 最初はあまり気に止めなかった。 しかしその という音は雨が降る夜には必ず聞こえる ようになって、そしてそれと共にもう1つ 気になることが出てきた。 気線を回していると浴室のドアの隙間から 時折り湿めった土のようなあるいは生川き の雑巾を放置したような不快な匂いがかか に漂ってくるのだ。 最初は排水溝の匂いかと思ったがその匂い は決まってあの という音がしてる時にだけ感じられるよう な気がした。 さらに奇妙なことに換気線が回ってる時、 特に夜中に風呂に入っていると換期線の プロペラの奥の暗がりから誰かにじっと見 られてるような強い視線を感じるように なった。 もちろん誰かがいるわけではない。 でも確かに何かの目が換気の闇の中から こちらを伺ってるようなそんな嫌な感覚に 襲われるのだ。 気のせいだ。 梅雨の湿気で神経室になってるだけだと何 度も自分に言い聞かせた。 しかしその気のせいは費用ごとに無視でき ないものになっていった。 ある朝、浴室の床、ちょうど換気線の増下 に小さな泥の塊が数個転がっているのを 見つけた。 夕べはなかったはずだ。 窓も閉めていたし、外から泥が入ってくる はずもない。 そしてその泥の塊のそばには黒く細い 髪の毛のようなものが数本落ちていた。 それは私の髪の毛の色でも長さでもなかっ た。 私は次第に換気を回すのが怖くなってきた 。 しかし回さなければ湿度が上がってカが 生えてしまう。 仕方なく日中だけそれも自分がリビングに いる時だけ換気線を回し、夜寝る前には 必ず止めるようにした。 そんなある日、どうしても夜中に浴室を 使う必要があって、胃を消して換期線の スイッチを入れた。 すぐにあの音が始まる。そしてあの匂いも 。 私はできるだけ換気線の方を見ないように しながらそ草さと体を洗っていた。 その時ふと換気線のカバーの隙間プロペラ が回る奥の暗がりに何か白いものが 引っかかってるのが見えた気がした。 んだろう。誇りの塊りかな。 気になった私は体を拭き、一旦服を着て 椅子を持ってきて、換気線を止めてカバー をそっと外してみた。 プロペラの奥ダクトへと続く薄暗らい空間 の入り口にそれはあった。 私は短い悲鳴をあげ、椅子から転げ落ち そうになった。 鳥の巣のように丸められた大量の黒い 髪の毛。 私の髪ではない。もっと太くて硬そうな誰 かの髪の毛。 そしてその髪の毛の塊の中にまるで卵の ように白く濁ったB玉くらいの大きさの 球体が3つ4つ埋め込まれるようにして 置かれていたのだ。 それが何なのか私には分からなかった。 ただその白い球体はまるで目のように じっと私を見つめ返してるように見えた。 慌てカバーを元に戻し、浴室から飛び出し た。 あれは何だ?なぜあんなものが換気線の奥 に? あのヒという音も閉めた土のような匂いも 、そして暗闇からの視線も全てあれが原因 だったのだろうか。 震えが止まらなかった。 その日はもう何も手につかず、翌朝1番で 大家さんに電話した。 風呂場の換気線の奥に何か君の悪いものが あるんです。すぐに見に来てください。 反響欄の私の訴えに大家さんは最初戸惑っ ていたようだったが、ただ言ではないと 感じたのか。その日の午後業者を連れて 部屋に来てくれた。 大家さんと業者の人が恐ろる換気線の カバーを外し、中を覗く。 電話 業者の人が前を潜め懐中電灯で照らし ながら慎重にそれを取り出した。 やはり大量の黒髪と白く濁ったガラス玉の ようなものがそこにあった。 髪の毛はひどく湿っていて異様な匂いを 放っている。 それを見た瞬間、大家さんの顔色がさっと 変わった。 ああ、あの子の 大家さんは力なく呟いて、そして重い口を 開けた。 10年以上前、この部屋に住んでいた若い 女の子がいたんだよ。大なしくてほとんど 誰も口を聞かないような子でしてね。 大家さんの話によるとその女性は以前この 部屋で精神を病んで誰にも見取られず ひっそりと亡くなっていたのだという。 彼女の家賃の支払いが滞っていて、大家 さんが部屋を訪れたことで亡くなってから 割とすぐ遺体は発見されたのだが、部屋は ひどく荒れていたそうだ。 自己物件じゃないですか? 私は立たちを隠せず声を荒げてしまった。 いや、でもあなたの後に何人もこの部屋を 借りてるし、誰もこんなことは言って なかったんだ。 それにこの髪の毛の束だけどね。清掃業者 を入れた時に処分したはずなんだよ。 また同じようにここにあったからびっくり した。 それにこれ10年以上前の話ですよ。 最近なくなったとか今も何かが起こるとか だったらまだしも変なことが何も起きてい ない部屋だとわざわざ告知する人も少ない と思いますが。 私と大家さんが黙っていると見かねた業者 の人が話題を変えてくれた。 そのヒーって聞こえていた音はきっと換気 線の風があの髪の毛の束の隙間を通る音 だったのかもしれませんね。匂いも湿った 髪の毛が原因かもしれません。 結局大家さんがその髪の毛の塊とガラス玉 を丁寧に回収し、近くの神社へ持っていっ て苦養してくれることになった。 それが取り除かれてから私の部屋で奇妙な 音や匂いがすることはもうなくなった。 換気線の奥から視線を感じることもない。 梅雨の締めっぽさは相変わらずだけど、 あの、まとりつくような不快感は消えてい た。 原因が分かって一応は安心したが、気持ち が悪くて私はすぐに引っ越した。 でも時々考えてしまう。 その部屋で暮らしていた見知らぬ女性の こと。 彼女は一体何を思いながらその部屋で 暮らしていたんだろうか。 梅雨が開けても私は時折り換気線の音を 聞くとあの髪の毛の束と白い目のような ガラス玉を思い出してしまう。 フリマアプリとカメラ。 今年の父の日は特別なものにしようと私は 考えていた。 毎年ありきなプレゼントばかりで父の本当 の笑顔を見た気がしなかったからだ。 社会人になった私には少しまとまった貯金 があった。 だから今回は父にとって掛けがえのない 思い出に触れるような品を送りたいと思っ た。 というのも父は私が幼い頃から古い アルバムを眺めるのが好きだった。 特に若かし頃の自分と母が映っている色た 写真を指びさしては昔話をしてくれたもの だ。 そんな父の姿を見て育った私だから今年は 父が昔使っていたという古いモデルの カメラを送ることにした。 そしてそのカメラで父と母の思い出の場所 を巡って現代の風景を撮った新しい写真を 添えようと決めた。 昔ながらのカメラをいくつか回ったが、父 が使っていたというモデルはなかなか 見つからない。 そんな時偶然振リマアプリでまさにその カメラを見つけた。 それは年代物の一眼カメラだった。 カメラのボディは使い込まれて黒ずみ、 レンズの縁には細かな傷が見えた。 商品説明には一点も動作未確認、ノー クレームノーリターンでとだけ書かれてい た。 私は思い切って購入ボタンを押した。 数日後、自宅に届いたカメラは想像してい たよりもずっと重く。そして奇妙な匂いが した。 古い金属の匂いとは違うどこか生臭くカを 含んだような湿めた土の匂いが混じって いる。 少し不気味に思ったが、これも古いカメラ にありがちなことなんだろうと自分に言い 聞かせた。 そうして私は父と母の思い出の場所を巡っ て慣れない中、何枚も失敗しながら頑張っ て写真を撮りプリントした。 父の日の前日。 私は父に内緒でカメラを父のに運び込んだ 。 初斎は静まり、誇りっぽい空気が漂って いる。 私はカメラを父の机に置き、その隣に私が 撮った新しい写真を添えた。 写真は父と母が初めて出会ったという カフェ。 初めてデートしたという公演。そして2人 が新婚時代を過ごしたアパートの後地だ。 どの写真も当時の風景を想像しながら心を 込めて取った。 全ての準備を終え、所斎を出ようとした時 、私はふとカメラのレンズに何か小さい ものが付着してるのを見つけた。 それは黒く細い1本の髪の毛だった。 それを取り除こうとしたが、なぜかレンズ に吸いついたように取れない。 指で強く引っ張るとプツりと音を立てて ちぎれた。 その瞬間初斎の空気がかかに変わった。 ひんやりとしたレキが私の首筋をゾわりと 撫でる。 そしてどこから友 という隙間風のような音が聞こえ始めた。 それはカメラから発せられている。 あるいは所斎の壁の中から聞こえる。 そんな風に感じた。 怖くなった私は慌てで初斎を出た。 その夜妙な夢を見た。 暗い部屋でどこからかこ、こっちこち こっち とフル時計の針が動くような規則正しい音 が響いている。 その音に混じって誰かのさく声が聞こえる 。 それは内容判別はできなかったが、しかし どこか懐かしい響きを持っていた。 夢から覚めると部屋にはまだあの奇妙な 湿った土の匂いが残ってるような気がした 。 翌日父の日。 父は初細のカメラを手に取って目を丸くし て喜んでくれた。 これは俺が昔使っていたカメラと同じ方 じゃないか。よく見つけたな。 父は早速カメラを手に取って嬉しそうに レンズを覗き込んだ。 しかしその日父は変わってしまった。 所斎にこもる時間が増えたのだ。 古いカメラを手にファインダーを覗き込ん では何かをじっと見つめているようだった 。 からは毎日レンズを回す音やシャッターを 切るカシャン という乾いた音が聞こえてくる。 しかし最近になってその音に混じりこれ まで聞いたことのない音が聞こえるように なった。 それは ズ と何かをするような音や くっちょ くっちょ と粘りのあるものが潰れるような音だ。 ことが響くたびに父のからあの奇妙な土の 匂いがかつかに漂ってくる気がするん。 私は父にプレゼントしたカメラのことが気 になり始めた。 一度父が所斎で寝落ちしている隙に相部屋 を覗いてみたことがある。 父はあのカメラを胸に抱き抱えるようにし て眠っていた。 そしてそのカメラのレンズからごくか カスカな ちちか という光の点滅が見えた気がした。 最近父が昔の思い出について話す時、その 内容が私には全く覚えのない風景や出来事 にすり変わってるような気がする。 そして何よりも気がかりなのは父が時々 1人で笑ってる声が書こだ。 それは嬉しそうな笑い声ではない。 どこか諦めたような、そして全てを理解し たような悲しげな [笑い] という笑い声。 父はどこへ行ってしまったんだろう。 あのカメラを渡した日から父の全てが 変わってしまった気がする。 無理やりお払いに連れて行ったが何も 変わらなかった。 カメラを奪おうとすると父はやめろ と激怒し馬乗りになってきたこともあった 。 振リマアプリの出品者に連絡を送ったが、 一切返事は帰ってきていない。 私はどうすることもできずにいる。 今も書から聞こえる。ペトペタペタペタ という閉めった足音にただただ耳を済ま せるばかりだ。 空手の合宿 小学生から空手をやっていて、高校大学の 時に児童部の指導員をやっていたことが あります。 高校2年生の夏の合宿の時、夜中生徒たち が騒いでいるんです。 まだ起きてんのか。明日も早いってのに しょうがない連中だな。 途中注意しに行ったら騒いでいるのは女子 部屋で15人くらいいるうち半分以上が 泣きじくっている様子だったんです。 なんだよ。一体どうしたんだと聞くと小学 6年生の映画就寝時間の時 ねえねえエンジェルさんって知ってる とコクリさんみたいなことをやろうと言い 出したそうで その時 だめだよ絶対にやめようよ とBが混願したにもか変わらず映画他の何 人かの生徒とやり始めちゃったんです。 風もないのに窓がビリビリカタカタと振動 し始め、みんなが変だなと窓を一斉に見た 瞬間、窓一面にてて たくさんの手が窓に張り付いていました。 Bが気をしない。Aは変なのがいる と手足をバタバタさせて混乱状態。 あまりにも怖いので私たちを呼びに行く こともできず大パニックを起こしていた そうです。 私は霊感もないし、指導員2年目でどう すれば良いのか分からないから何は止まれ 市販を呼びに行きました。 市販はBにカツを入れると生徒全員を体育 館に呼び出し、 気合が足りないから霊が寄ってくるんだ。 政権好きめ といい。夜の23時くらい、小一小6まで の子供たちが眠い目を擦すりながらせい せいせい と本。 終わった頃には全員へトで部屋に戻り爆睡 したのは言うまでもありません。 私と市販も部屋に戻ると、市販がワン カップの日本酒を黙って私に突き出し。 お前部屋の外にたくさんいたのが見え なかったのか。体育館の窓にも何十と 集まっていたんだぞ。 口から出任せでやってみたんだが、効果が あって本当に良かった。 私はこの時初めて市販が見える方だったと 知りました。 肩の上の手。 大学時代の後輩Sから聞いた忘れられない 話がある。 それは彼女が大学3年生だった夏の出来事 。 所属していたゼミのナがしに参加した時の こと。 場所は携帯の電波もほとんど入らない ひっそりとした病合の古い研修施設だった 。 画宿自体はフィールドワークに開けくれ たり余通しい議論を貸したりで皆疲れきっ ていたものの特に変わった出来事もなく 過ぎていったそうだ。 最終日、恒例の集合写真を施設の玄関前で 撮ることになった。 教情中心に疲労の色を隠せない10数名の ゼミ星が並んだ。 Sは最前列の橋に立った。 はい。取ります。 誰かが自したデジタルカメラで数枚撮影し 、画宿無事終了。 皆それぞれの日常へと戻っていった。 異変に気づいたのは画宿から1ヶ月ほど 経った頃。 ゼミの共有フォルダーに写真が アップロードされ、自宅のパソコンで整理 していたSが何気なくあの集合写真を拡大 した時のこと。 皆い笑顔で映っている だがSは自分の方。正確には右の方に拭い きれない違和感を覚えた。 うん。 そこに本来あるはずのないものが映ってい たのだ。 誰かの手だった。 それは青白く女性のように細い手だった。 指は綺麗に揃えられ、ごく自然にSの右肩 に触れている。 へえ。 誰の手? Sは思わず声を漏らした。 すぐに隣を見る。そこには同期の男子学生 A君がいた。 だがA君の両手は体の前で軽く組まれてい てSの方に届く位置ではない。 後ろには2列目の学生たち。その中にB さんがいた。 だがBさんの位置からではこんな風にSの 肩に手を置くのは不自然な体制になる上、 写真では顔の横でPサインをしてるのが はっきりと映っている。 Sは恐ろる映っている全員の顔と見える 範囲の手を1つずつ数え始めた。 人数は教授含めて15人。 しかし見える手の数はどう数えても1本 多いい。 背筋に冷たいものが走った。 もう一度写真を最大まで拡大する。 のはあまりにも自然にまるで最初からそこ に存在していたかのようSの方に置かれて いた。 他の写真も確認したが同じ場所で別の アングルから撮られていた数前にはその手 は一切映っていなかった。 皆が最もいい笑顔で映っている。まさに メインの1枚だけにあの手は存在していた んだ。 Sはすぐに隣に映っていたA君や後ろのB さんに連絡を取って写真を確認してもらっ た。 2人とも最初は、え、普通じゃない という反応だったが、問題の手を指摘する と一応に言葉を失った。 へ、マジだ。これ誰の気持ち悪? その日以来、Sはあの写真が頭から離れ なくなった。 アルバンどうしても我慢できなくなって 再び写真を開いてしまった。 パソコンの画面一杯に拡大し問題の手を 凝視する。 青白く細い指。 その時Sは凍りついた。 その手の指がほんのわずかにSの肩の肉に 食い込んでるように見えることに気づいて しまったのだ。 ただ置かれてるだけではない。まるで 捕もうとしてるかのように。 Sは悲鳴をあげてパソコンを閉じた。 すぐに共有フォルダーからそして自分の パソコンからもその写真を完全に削除した 。 それ以来Sは集合写真を撮るのが苦手に なったという。 集合写真を撮る時まず見構まえてしまうと 話していた。 の研修施設に何か原因があったのか? それとも全く別の場所や何かの影響なのか 確かめる術はない。 フル本。 僕は昔から中古品を扱う店が好きだった。 特にフル本屋のひんやりとした空気と髪と 埃りの混じった匂いがたまらない。 誰かの手垢がついて物語の続きが記され てるような本に特別な魅力を感じていた。 ある休日の午後 いつものように地元の小さなフル本屋を 漁っていると店の奥の棚に1冊の古い本が 目に止まった。 それはどこか黒んでいて、何のタイトルも 書かれていない無事のハードカバーだった 。 ひどく使い込まれていて、ページの角は 丸くすり切れている。 手に取るとずっしりと重く髪の質感が指に 吸いつくようだった。 そしてなぜか春かに甘いような、しかし どこか腐敗を思わせるような形用しがい 匂いがした。 僕はその本をレジに持っていった。 店は顔をあげず寝札を見て一言。 500円 とだけ言ったの。 僕が代金を支払うと天手は小さく 大事にしておやり と呟いた。 その声はひどくかれていて、まるで何十年 も声を出していないかのようだった。 家に帰って早速その本を開いてみた。 だが中には文字が一切書かれていなかった 。 全てのページが真っさらな拍紙なんだ。 ただ数ページごとに1枚の写真が挟み込ま れていて、それは全てモクでひどく古びて いた。 最初の写真は笑顔の家族が庭で バーベキューをしている風景。 次のページには子供がブランコに乗って いる風景。 その次にはどこかの旅行先で楽しそうに 笑っている若いカップルの写真。 どれもごく普通の幸せな日常を切り取った スナップ写真だった。 しかしどの写真も飛車隊の顔が不気味だっ た。 笑顔の広角が不自然に釣り上がっていたり 、目の奥に妙な陰影が指していたりするの だ。 との夜から僕の日常は少しずつ変わって いった。 最初に気づいたのは部屋の異変だった。 電気を消して寝床に入ると暗闇みの中にか な視線を感じるようになった。 それは本棚に置かれたあの本から発せられ てるような気がした。 目を閉じてもまぶの裏にあの写真に映って いた笑顔が浮かび上がる。 次に奇妙な夢を見るようになった。 それは決して怖い夢ではない。 ただ夢の中の僕が現実では1度も訪れた ことのない場所で知らない誰かと僕には 覚えのない会話をしているのだ。 その夢から覚めると現実の記憶の一部が かみかったように曖昧になってる気がした 。 との会話の細部やその日の出来事の一部が ごっそりと抜け落ちてるように感じた。 僕はあの本が原因ではないかと疑い始めた 。 あのフル本が僕の記憶に何かしらの影響を 与えているのじゃないかと。 からその本を手に取って恐ろ恐るページを めくる。 挟み込まれた写真の顔が以前よりもほんの わずかに変わってるような気がした。 笑顔の広角がさらに不自然に釣り上がって いる。 そんなある日、僕は耐いきれなくなって その本を捨てることを決意した。 あのフル本屋の天手が言った大事にしてお やりという言葉が呪いの言葉のように頭の 中をか駆け巡った。 本をゴミ袋に入れ、家の外のゴミ集席所に 捨てた。 の夜だった。 あのかかな視線が今度は部屋中を 埋め尽くすような重い感覚になった。 僕は布団をかぶって震えていた。 その時部屋のドアの部がゆっくりと回る音 がした。 そしてドアがゆっくりと開いたのだ。 真っ暗な部屋の入り口にぼんやりと影が 見えた。 それは背丈が低い子供のような姿だった。 その影がゆっくりと僕のベッドへと近づい てくる。 そしてその影がベッドの脇まで来ると そこには髪の長い痩せた女性が立っていた 。 顔は暗闇みに隠れてよく見えないが、その 手には紛れもないあの無事のハードカバー の本が握られていた。 彼女は本を僕の目の前に掲げた。 本は開かれていて、そこに挟まれた写真が 月の光を浴びてぼんやりと光っていた。 それは僕が初めて見た庭でバーベキューを している家族の写真だった。 しかしその写真に映る家族の顔は僕が 初めて見た時とは明らかに違っていた。 どの顔も僕の知っている誰かの顔に似していたんだ。友人親戚 そして僕自身の顔になっていた。その顔はどれも本の写真にあったような不気味な絵画を浮かべていた。 [音楽] その顔の無数の瞳が僕をじっと見つめてる ように感じたんだ。 その写真から冷たく濃密な音念が僕の肌を 刺すように流れ込んできた。 その女性は本を僕の顔に付けつけるように 近づけた後、ゆっくりと口元を動かした。 声は聞こえないが、その口元が紡ぐ言葉は 僕の脳りに直接響いた。 全部 私の 僕は悲鳴をあげそうになったが声が出 なかった。 その女性の目は暗闇の中で針のように光っ ていた。 そして彼女は開かれた本を僕の胸源に沿っ ておいた。 本からはあの甘く腐敗したような匂いが 今度はさらに強烈に漂ってきた。 あの夜以来僕はあの本を捨てることができ ていない。 捨てても必ず夜中に部屋に戻ってくるから だ。 僕は今もあの本を枕元に置いて眠っている 。 僕の記憶は曖昧になり続け、知らない記憶 が侵食してきている。 部屋の隅には常に細い影が散らついて、夜 にはすり泣きのような声が聞こえる。 数週間後、 僕は自分の部屋で何気なく日記を開いた。 最近は物忘れがひどくて日記をつけること で記憶を補っていたんだ。 その日の日付のページには僕の字で、 しかし僕には全く身に覚えない文章が書い てあった。 この日僕は古本屋で素敵な本を見つけた。 表紙は無事だけど中にたくさんの写真が 挟まっていた。 どの人もみんな楽しそうで僕もこんな風に 笑っていたいな。 これは誰かの大切な医療品なんだろうな。 私もいつかこんな写真に囲まれて笑って 死にたい。 僕が初めてあの本を手にした日の出来事が まるで僕以外の誰かの視点から書かれてい た。 そして自分が買ってしまった中古品の本が 誰かの医療品であったこともその文章から 悟った。 そしてその医療品が僕の記憶を少しずつ 奪って書き換えてるんだと。 私は今その人の人生を追体験している。 次に日記を開いた時、私の書いた文章が どんな風に変わってるのか。 私自身の医流品としてこの本に挟まれる 写真には一体どんな顔が映るんだろうか。 だ。 後半のキャンプ。 私は最近ソロキャンプにすっかり魅了され ていた。 都会の幻層から遠く離れ、たった1人 焚き火の炎を静かに見つめる時間は何者に も買えがい癒しとなっていた。 先週末も心身のリフレッシュを求めて金曜 の夜から1泊で山梨の山奥にある小さなの キャンプ場へ向かった。 予約不要のフリーサイトで管理人も日中 しか上駐しないというまさに手つかずの 自然が残る隠れガのような場所だった。 金曜日の夕方キャンプ場に到着すると他に 数組のキャンパーがいるようだった。 皆後半から少し離れた子たちの奥の方に それぞれテントを設営しており、互いに 干渉せず静かに自分の時間を過ごしている 様子だった。 私は面が1番よく見える少し開けた場所に 自分の小さなソロテントを設営した。 設営を終えて辺りを軽く散索していると私 のテントサイトのすぐ脇しみの影に隠れる ようにして誰かが使ったまま放置した らしい古びた焚き火台を見つけた。 焚き火台の中には黒く焼け焦げた薪が数本 にまみれて転がっている。 前の利用者が片付け忘れたのだろうか。 少し不快な気分になったが、ま、こういう フリーサイドではたまにあることだと自分 に生聞かせ、あまり気にしないことにした 。 日が沈んで周囲が深い合色に包まれると私 は自分の自散した焚き火台に火を灯し、 夕食の準備を始めた。 パチパチと薪が気持ちよく外る音と米を 渡るひんやりとした風の音だけが聞こえる 穏やかな時間。 他のキャンパーたちのテントからも ランタンの柔らかい光がポツりポツりと 見え、 話し声や笑い声がかかに風に乗って聞こえ てくる。 孤独ではあるが、それが心地よい静寂だっ た。 食事が終わって温かいコーヒーを飲み ながら焚き火の炎を眺めていると ふとどこからともなく春か春かでしかし妙 に耳に残る歌声のようなものが聞こえて くることに気づいた。 それは男の声のようでもあり女の声のよう でもある。あるいは複数の声が重なってる ようにも聞こえる。 歌詞は聞き取れない。 ただ単調でどこか物が悲なしくそして ひどく懐かしいような不思議な戦立だけが 繰り返し繰り返し風に乗って運ばれてくる 。 まで遠い昔からそこで歌われ続けている歌 のような 他のキャンパーの誰かが流してる音楽 だろうか。 いや、それにしては音が不自然に近づい たり遠いたり 時にはすぐ耳元で支かれてるように感じ たりする。 君が悪いなと思ったが、焚き火の温かさと 少しだけ飲んだアルコールも手伝って、 いつしか私はシラフに潜り込んでそのまま 眠りに落ちていた。 夜中の底びする寒さでふと目が覚めた。 焚き火の日はもうほとんど消えかかって いる。 もう一度火を灯そうかと迷った時、あの 放置されていた焚き火台の焼け残った薪の ことを思い出した。 あれを使えばすぐに火がつくかもしれない 。 私はヘッドライトをつけ、し身の影にあっ た古い焚き火台から黒く焦げた薪を数本 拾い上げ、自分の焚き火台にくた。 閉めているのか薪はなかなか火がつかず 白い煙をも々と立て始めた。 辺たりに焚き火の煙たい匂いが漂っていく 。 そしてその薪がようやくパチパチと音を 立てて燃え始めたその時だった。 炎の中から薪がはせる音や煙と共に はっきりと誰かの苦しげな声が聞こえたの だ。 暑い。助けて。ここから出して。 それはまるで牧のものが内側から埋めい てるかのような。くぐった。しかし切実な 響きを持った声だった。 そしてその燃える巻からは今まで変えた ことのない薬品のようなツんとする匂いと 何か生々しいものが焼けるような強烈で 耐えたい一種が立ちのってきた。 私は思わず大きく後ずって吐き家気を燃し ながら咳込んだ。 何なんだこの薪は。こんな匂い燃える木の 匂いじゃない。 翌日朝目が覚めてテントから剥い出し私は 決定的な異変に気づいた。 昨日まで確かに数組のランタの明りが見え 、気配を感じていたはずの他のキャンパー たちのテントが全て後方もなく消えていた のだ。 まるで最初から誰もいなかったかのように 。 撤収したにしては夜中や早朝に何の音も 聞こえなかったし、あまりに綺麗に彼らが いた痕跡が何も残されていない。 言い知れない恐怖に襲われ、私は日中に 1度だけ巡回に来るという管理人の情報 だけを頼りに彼の到着を待った。 やがてやってきた管理のおじさんに私は 訪ねてみた。 あの、すみません。昨日から止まっている 他のキャンパーさんたちはもうお帰りに なったんですが、全然テントが見当たら なくて。 すると管理人は経験な顔で、 いや、お客さん夕べから今朝にかけて あんたさん以外は誰もいなかったと思う けどね。 と私の言葉を理解できないというように首 をかしげるばかりだった。 そんなはずはない。 確かに夕べは他のテントの明りも話し声も 気配も感じていた。 私が見たのは幻だったというのか。 その夜も私は1人きりのキャンプ場で 焚き火をした。 あの君の悪い放置された薪はもう使わ なかったが、夕べよりもはっきりと、 そして今度は複数の方向からあの物がしい 歌声が聞こえてくる。 まるで見えない何者形が私のテントを 取り囲むようにして輪になって歌っている かのようだ。 そして焚き火の炎が照らし出すテントの 周囲の暗がりに時折りゆらゆら と揺れる人影のようなものがいくつも 見える気がした。 それは風で揺れる木々の影や私の心が 作り出した幻とは明らかに違う。何かいい と思った動きのように見えた。 2日続けての恐怖に耐え切れず、私は翌朝 、夜明けと共に急いでテントを撤収し、 荷物を車に詰め込んだ。 朝食を取る余裕もなく、逃げるようにして キャンプ場を後にした。 もう2度とあんな場所には来るものか。 そう心に誓った。 数日後、自宅マンションに戻ってようやく 日常生活の感覚を取り戻し始めた頃だった 。 週末、私は気分転換にベランダで小さな プランターの手入れをしていた。 土を耕し、枯れた歯を取り除いていると ふとプランターの隅に見慣れないものが 落ちてることに気づいた。 それは1本の黒く焼けこげた木の枝だった 。 長さは15cmほど。 土に紛れていながらもその真っ黒な色は 異質だった。 どこから紛れ込んだのだろう。 鳥が運んできた。恐風で飛んできた。いや 、そんなはずはない。 その枝の形、焼けこげた具合、そしてそこ からかかに漂ってくるあの薬品のような 生々しいものが焦げた強烈な一周。 それはあの後半のキャンプ場で私が焚き火 にくべた放置されていた薪の残りとあまり にもあまりにもよく似ていた。 なぜこんなものが私の家のベランダに なぜあの時嗅いだ匂いがするんだ。 ゾとしながら私は震える手でその枝を 拾い上げ、二重にしたゴミ袋に厳重に捨て た。 しかしその夜からだ。 私の部屋の中であの物がしい複数の声が 重なったような歌声がかかに聞こえるよう になったのは。 としてどこからともなくふわりとあの 焚き火台から立ち登った焦げ臭い不快な 一周が漂ってくるようになった。 頭 終電を逃すと僕が住んでいるアパートに 到着するまでに約30分の夜道を歩くこと になる。 街当はま腹で人通りもほとんどない。 慣れてしまえばどうということはない けれど、それでも真夜中の独特の空気の重 さにはいつまで立っても慣れることができ なかった。 その夜も僕は残業で終電を逃し、誰もい ない道を1人歩いていた。 日付は特に変わってる。 アスファルトの道は昼間の熱をわずかに 残しながらひんやりと冷たい とふと道の向こうからごくカすかな カサカサカサ という音が聞こえてきた。 風でこの歯が揺れる音だろうか。 しかしその音は一定のリズムで僕が歩く ペースに合わせてついてくるように感じた 。 少し足早になる。 するとガサガサという音もそれに合わせて 早くなる。 僕が立ち止まると音もぴたりと病む。 まさか 背筋に冷たいものが走った。 誰かが僕のすぐ前をついてきている。 僕は胃を消してゆっくりと前を凝視した。 しかしそこには何も見えない。 ただ該当の届かない闇が道の奥へと続い てるだけだ。 それでもそこに何かがいる気配がした。 恐怖に駆られ僕は走り出した。 しかしどれだけ走ってもあのガサガサと いう音は僕のすぐ前方から聞こえ続けた。 むしろ僕の息が上がるにつれてその音は さらに近く、そして生々しくなった。 アパートまであと少しという場所で僕は ついに力つきて膝から崩れ落ちた。 息が綺麗、心臓が耳元で激しくなっている 。 その時 前方から聞こえていた音が僕のすぐ目の前 でピタリと止まった。 恐怖で震えながらゆっくりと顔をあげる。 目の前には薄暗らい街当に照らされた アパートの入り口が見える。 そこに早くたどり着きたい。 その時 僕のすぐ耳元で ちょ という水の音が聞こえた。 誰かの足の裏が濡れた地面に吸いつくよう な音だ。 恐怖で動くことができなかった。 もう前を見る勇気もなかった。 そのチャプ という音は1度2度と繰り返された後、 ゆっくりと僕の頭情へと上昇していくのが 分かった。 そして僕の頭の上、わずか数の場所でその 音はピタリと止まった。 あの夜以来、僕はどんなに遅くなっても タクシーを使うことにした。 あの夜道を2度と歩くことはない。 しかしそれでも時々夢を見る。 あの夜道を1人で歩いてる夢だ。 そして夢の中の僕は必ずあのチョプ という音を前方から聞く。 そして夢から覚めた後、僕は自分の部屋の 天井をじっと見つめてしまう。 もしかしたらあの何かはあの夜以来ずっと 僕の頭の上にいるんじゃないか。 そう思ってしまう。 コンビニバイト あれは俺が大学に入ってすぐの頃 地元の駅前にあるコンビニで深夜の アルバイトを始めたんだ。 正直時給がいいってだけで選んだ気楽な 仕事だと思っていた。 客も少ないし、適当に品出しとか清掃でも してれば時間なんてあっという間に過ぎて いくだろう。そんな感覚だった。 夜勤は基本1人体制で夜10時から朝の6 時まで。 最初のうちは静かで自分のペースで作業 できんのが良かった。 だけど深夜2時を過ぎてパったりと客足が 途えてからの時間帯がどうも苦手だったん だ。 店の外は完全に暗闇み。 高校蛍光党が光る店内に1人なのにどこか 世界から切り離されたようなそしれない 孤独感に襲われる。 聞こえるのは冷蔵庫の鈍いモーター音と 蛍光の低いブーン という耳鳴りのような音だけ。 そして時折り風が吹いて外の看板がきしむ 音がするくらいだ。 怖くなり始めたのはあるひどい雨の夜だっ た。 しぶりで店の前の道に大きな水溜まりが できていた。 そんな晩自動ドアがウインと開いたんだ。 こんな天気の日に、しかもこんな深夜に誰 だ と顔をあげると入ってきたのは傘も刺さず 全身濡れの女だった。 顔色は異様に青白く目はまるで正がないか のようにうろだった。 濡れた長い髪が顔にへりついて服も甘水を たっぷり吸って床にポタポタとしくが落ち ている。 いらっしゃいませ。 俺が声をかけると女は何も言わなかった。 ただまっすぐ雑誌コーナーの方へ足音1つ 立てずに歩いていく。 聞こえるのは服から下たる水滴の音だけが 夜けに響いていた。 女は雑誌を手に取るとパラパラとページを めくり始めた。 その顔もずっと無言 時折りは と小さく声を漏らすだけでそれがまた ひどく不気味だった。 10分くらいそうしていただろうか。 女は結局何もず来た時と同じようにおも なくすっと自動ドアの方へ向かった。 自動ドアが再びウイン と開いて女は外に出ていった。 外は相変わらず激しい雨だ。 傘も刺さずにあの土砂ぶりの中に消えて いくなんてどう考えてもおかしい。 俺は急いで自動ドアの方を見た が誰もいない。 一瞬で消えた。いや、まさか 雨で視界が悪かっただけ。それとも店の角 は曲がったのか。 でもあの女の足の速さじゃすぐそこに見え ててもおかしくないはず。 その時俺は凍り着いた。 女が立っていた場所にあんなにびっしりと 濡れていたはずなのに水滴の跡が1つも 残っていないんだ。 ざっとした。 それと同時に体の芯から急に冷え込んだ ような感覚に襲われた。 それからだ、 夜中に妙な客が来るようになったのは ある夜は真夏だというのにあ出のコートを 着て首にぐるぐる巻きにストールを巻いた 男が来た。 レジに持ってきたのはうちのコンビニの ものではないサンドイッチだった。しかも 相当かている。 くください。 男の声はまるで砂利でも噛んでるかのよう に聞き取りづらかった。 あのお客様これ 俺が恐ろる言うと男はゆっくりと顔をあげ た。 ストールで隠れて半分しか見えない顔だっ たが、その目だけはっきりと見えた。 異常なほど銃血していて、商店がまるで あっていない。 そしてストールから漏れる空気がありえ ないほどひんやりとしていた。 構いません。 男はそれだけ言うと財布から1000円札 を出した。 俺は気持ち悪いのを我慢して一応 サンドイッチをスキャンしようと バーコードリーダーをかした。 するとレジが突然ピーっと桁たましい音を 立てる。 当然だ。うちの商品じゃないから。 サンドイッチを見ると賞味期限が2年も 過ぎていた。 すみません。これ 顔をあげると男はもういなかった。 自動ドアが開こう音も閉まる音も一切し なかったのに。 そのサンドイッチは怖くて捨てることも できず休憩室のロッカーに放り込んだ。 翌川朝店長にそのことを言ったがあまり 信じていないようだった。 そしてロッカーのサンドイッチもいつの間 にか後方もなく消えていたんだ。 極めつけはその数日後の出来事。 その日は特に変わったこともなく深夜2時 を過ぎ、いつものあの静寂が店内に戻って きた。 俺はカウンターの中でスマホをいじり ながら時間をモて余ましていた。 その時店の奥雑誌コーナーの辺りから こつ という小さくしかし夜けに響く規則的な音 が聞こえてきたんだ。 最初はネズミかと思った。 でもネズミにしては音が大きすぎるし、 何より一定のリズムすぎる。 音は止まない。 く 気になってカウンターから身を乗り出して 奥を見た。 もちろん誰もいない。 蛍光灯の無奇質な光がただ沈列だのや床を 照らしてるだけ。 コツコツ。 音のする方へゆっくりと足音を殺しながら 近づいていった。 雑子コーナーの隣はお菓子やカップ麺の棚 が並ぶ通路だ。 どうも音がその通路のさらに奥の方から 聞こえる気がする。 コツコツ 通路の入口まで来て中を覗き込んだ 通路の奥棚の影に何かいるような気配を 感じた。 目を凝らしてみるとそれは手だった。 人間の手。 棚の隙間から指先だけが覗いている。 それが床をコツコツ と繰り返し叩いているんだ。 俺は全身から血の毛が引いた。 その場に縫いつけられたように動けない。 声も出せない。 その手がゆっくりと本当に信じられない ほどゆっくりと棚の隙間から吐い出てきた 。 指が5本。間違いなく人間の手だ。だが 夜けに細く関節が不自然な方向に曲がっ てるように見える。 爪は黒ずんでいた。 その手がまるで獲物を探すかのように床の 上を剥い出したんだ。 そしてこちらに向かってくる。 コツコツ。 音を立てながら床をはう手。 その先に腕も体も何も繋がっていない。 ただ手首から先だけがまるで生きてるかの ように単独で動いてるんだ。 俺は恐怖で完全に体が固まってしまった。 逃げることも叫ぶことも何もできない。 手はゆっくりとしかし確実に俺との距離を 詰めてくる。 コツコツ。コツコツ、コツコツ。 もう俺の足元目の前に来ていた。 その汚れてがすぐそこで床を叩いている。 次の瞬間、その手がふっと煙のように消え ていった。 の前ぶれもなく唐突に 俺はその場にへり込んだ呼吸がままなら ない心臓が張り裂けそうだった。 どれくらいそうしていたか分からない。 震えが止まらないまま文字通りうようにし てカウンターまで戻ってそのまま朝まで ただ震えながら座り続けていた。 もう怖くて怖くてそのバイトはすぐにやめ た。 あの手は一体何だったんだろう?あの雨の 日の女も賞味機嫌切れのサンドイッチを 買おうとした男も。 今でも夜中にあのコンビニの前を通ると あの時のことがフラッシュバックして ゾっとする。 高校と光る店内の様子が外の暗闇から見る とまるで何かを待ち構えている檻のように 見えるんだ。 そしてふと店内の奥の方に目をやって しまう自分がいる。 誰もいないはずの棚の影からあの汚れたが またコツコツと音を立てて灰出てくるん じゃないかと思ってしまうんだ。 あとそのコンビニで昔何があったのかとか は全然わかんない。 リサイクルショップ。 私は最近大学の近くのリサイクルショップ で深夜のアルバイトを始めた。 古着や家具電荷製品からガラクタまであり とあらゆるものが所々と並べられている 店内はまるで時間の止まった博物館のよう だった。 客草も様々で掘り出し物を探す人、 暇つぶしに来る人。中には何を探してるの か分からないような怪しげな人もいた。 店長は規作な人だが、少し変わった ポリシーを持っていた。 どんなにボろくても根がつかなくても 持ち込まれたものは基本的には引き取る というのだ。 おかげで店の奥にある倉庫は商品になら ないような奇妙なもので溢れ返っていた。 誇りまみれの日形顔のないマネキ用途明の 錆金属編 になって店内の照明が落ちるとそれらの ガラクタがまるで生きてるかのように見え てくることがあった。 私が特に嫌だったのは店の奥のあまり証明 の当たらない一角に置かれた人形コーナー だ。 可愛らしいものから古びた日本人形西洋の アンティークドールまで様々な人形が ガラスケースに入れられ、あるいはその まま棚に並べられている。 どの子もガラスの瞳でGとこちらを見つめ てるようで、特に目が合うと背筋が続々っ とした。 ある日の閉店マギは1人の老夫人が大きな 風式包みを持って来店した。 店長が対応し包みを開けると中から出てき たのは等身台に近いほど大きな古い西洋 人形だった。 ドレスは色汗神は絡まり放題。瞳はガラス で商点が合わないように大きく見開かれて いる。 老夫不人は もう置いておけなくてね とだけ言い深と頭を下げて足早に帰って 行った。 店長はその人形をすぐに人形コーナーの 1番多く棚の最上談に置いた。 高さがあるので私には顔がよく見えない。 ただそこに異様な存在感が加わったのは 確かだった。 その夜のことだ。 閉店作業を1人で見場をしていると例の 人形コーナーの方からカスかな音が聞こえ てきた。 うしぎし 。 それは木星の床がきしむような音、 あるいは古い家具がゆっくりと揺れるよう な不規則な音だった。 耳を済ますが他には何も聞こえない。 店内に風が入るような隙間もない。 気のせいかな? そう思ってカウンターに戻ろうとした。 しかし音は止まない。 ギュ、ギシズ 。 むしろはっきりとしてくる。 そしてどこからか何か重いものが床をする ようなず という音も混じってきた。 まるで誰かがその人形たちの間をゆっくり と引きずって移動してるかのように。 私は懐中電灯を手に恐る恐る人形コーナー の方へ向かった。 照明の届きにくいその一角はより一層闇が 濃くガラスケースの中や棚に並べられた 人形の目が一斉に私を捉えてるように感じ られた。 音は霊の等身台の西洋人形が置かれた棚の 辺りから聞こえてくる。 懐中電灯の光を向けるとそこに異様な光景 が広がっていた。 棚に並べられた他の小さな人形たちが まるで何かに押しられたかのよう不自然に 傾いたり倒れたりしているのだ。 そしてその人形たちの間に先ほどまでは なかったはずの小さな黒いシミのような ものがと続いている。 まるで誰かが底を通ったかのように。 そしてそのシミの先に霊の等身台の西洋 人形がいた。 人形は確かに棚の奥で 義し 義し と音を立てていた。 そのガラスの目は私をじっと見つめている 。 その時私は気づいてしまった。 人形のドレスの裾が棚の淵からわずかに 垂れ下がっていたのだ。 そしてその垂れ下がったドレスの裾が まるで誰かに引っ張られてるかのようか 春かに震えている。 そしてその震えるドレスの奥の闇の中から ごくかカスかなしかし鮮明な息遣いが 聞こえてきたのだ。 それは誰かが苦しそうにあるいは息を殺し て息を吸ったり吐いたりしてるような 不気味な音だった。 してその息遣いに混じって先ほどの という引きずる音がより近くでまるで人形 のドレスの奥から聞こえてるかのように 感じられた。 私は息をするのも忘れ人形から目を離せ なかった。 恐怖で体が硬直し動けない とその時懐中電灯の光がふと人形の顔に 当たった。 その瞬間私はゾっととした。 人形の顔がわずかに変化していたのだ。 ガラス星だったはずの目にはほんのかに血 の通ったような正が宿ってるように見えた 。 そして陶期のような滑らかな肌にはウスラ と血管のような青い筋が浮かび上がって いる。 唇にはわずかに赤身が差し、その表情は 人形特有の表情ではなく、どこか雲を 浮かべてるかのように見えた。 それはまるで人形がだんだんと人間に 近づいてるかのような恐ろしい変貌だった 。 してその変化した顔から先ほどの という息使いがより大きくはっきりと 聞こえたような気がした。 私は悲鳴をあげそうになりながらその場 から転がるよう人形コーナーを飛び出した 。 カウンターまで戻って防犯カメラの モニターを凝視する。 しかしそこには何も映っていない。 ただモニターの中の人形コーナーは相 変わらず闇に包まれている。 その夜私は仕事を途中で掘り出し、その まま店を飛び出した。 店長には後で怖くてやめるとだけ伝えた。 それ以来私はリサイクルショップの近くを 通ることも怖くなった。 あの人形コーナーの西洋人形が今も棚の奥 でギ と立てドレスの奥の闇から と息遣いを漏らしてるような気がしてなら ないのだ。 あのリサイクルショップに持ち込まれたの は人形だけではなかった。 あの人形には前の持ち主の何かが今もつい ているんじゃないか。 今も通りすがりのリサイクルショップの小 ウィンドに並んだ人形を見るたび、その目 が私をじっと見つめ返してるようなそんな 恐ろしい錯覚に囚われる。 そしてもしかしたらその人形の顔が私の 知らないうちに少しずつ人間の顔に変わっ ていってるのではないかと私は常に怯えて いる。 湧いてくる。 先週の土曜日の話。 文章が拙い上自分でも何言ってんのかよく わからないんですが読んでいただけると 嬉しいです。 今も取り乱しています。 私と彼氏、彼氏の同僚のAとその彼女のB と遊ぶことになったんですが、何をし ようって話になった時、彼氏とAの趣味で ある廃墟巡りに4人で行ってみようという ことになったんです。 と言っても幽霊は話を聞くのは好きでも見 たくはないし。私とBは初めての廃墟と いうことで変な来歴がなくてヤンキーもい ない成り立ちのはっきりした廃墟を探して 行くことにしました。 そこはAの親戚が元々働いていたところで 、大きなガラス製品会社がバブル前に建設 したらしいです。 従業員のための福利構成施設や、観光客の ためのガラス工芸体験コーナーがあったり 、かなり大きい建物のようですが、不景気 の煽りを受けて会社が倒産。稼働して半年 も経たないうちに使われなくなったそう です。 ですがその経営者もピンピンしているし、 大きな事故が起こったこともない。 国道につがってはいるが山の方におまった 場所にあるから暴走族の場にもなってい ないだろう。ということでAが当たりを つけてきたのでした。 当日朝7時に集合。 その時は曇っていましたが、山に近づくに つれ晴れてきて、私たち4人はテンション 高く彼氏の車でその場所を目指し出発し ました。 廃墟までの道はアスファルト時期の立派な 道でしたが、たけのこのせいで割れてそこ から草やがしげったりして車1台がやっと 通れるだけのあれよでAはこんなことも あろうかと思ってとか言って持ってきた 草刈りを見せたりしていました。 は思ったより山の中にありました。 そのちょっと前にはお寺と畑がありました が、10分も走ると古い自動販売機がある だけで他には何もありません。 ぐるっと壁に囲まれて大きな門の前は木の パレットで塞がれていて周りに民家なども なく明らかに誰かが気軽に立ち入れる 雰囲気ではありませんでした。 なんとかもうを乗り越え中に入ってみると 橋の方はともかく中心の建物の方は草に 進捗されてる様子もなく休みの日の校舎 みたいな雰囲気でした。 近寄って見てみると建物の方がだいぶ地面 より高くなっていて、中こそよく見えませ んでしたがガラスも全部残っていて、彼氏 も 普段ならどっかが破れててそこから入っ たりするんだけど、こんなに綺麗だと気が 引けるな。とりあえず一瞬回ってみるか と言い出し、ぐるっと周りを歩いて入れる ところを探すことにしました。 ところが元工場の周りを歩いていたら前方 に人影が見えたんです。 最初のうちはほけ とかかなりドキドキしましたが、近づいて みるとな、何というか ちょっと買い物に出かけましたみたいな 普通の格好のおばさんでこっちを見て なんかリアクションするわけでもなくお 互い餌釈し普通にすれ違いました。 その後もハーフパンツのおっさんとか中年 夫婦とか小ずれのママとかスエットキティ ちゃんのヤンキっぽいお姉さんとかと次々 とすれ違い みんなあまりにも普通なので逆に長袖で 軍手のこちらが間違いに思えてきてAに ここって廃墟じゃないの と聞く Aも いや、ずっと使ってないっていうのも俺の 親戚の話だし、生きてる建物が普通にあん のかも。とりあえずこの人たちがどこから 来てるのかだけ確かめよう と言い、その後もいろんな人とすれ違い つつ、その人たちが出てくる扉の前に着き ました。 他の工場っぽい扉と違い、そこは事務所 みたいな感じでした。 そのドアを開けて中を見てみると 中には何もありませんでした。 誇りっぽくて何かのケーブルとジム机が1 つあるだけ。 窓はありますが、どこかにつがっている 出入り口もなく一部屋だけの建物。 私たちはみんなへ となりましたが確かに人が出てきたので 何かあるだろうとAが中に入ってフラフラ 探していました。 そこでBコが ねえ、帰ろうよ。やだ と言い出しました。 すごい怯えてる様子だからどうしたのか 聞くと だってこの部屋足跡とかないよ。あの人 たちどうしたの? よく見るとその部屋の床には埃りがツモっ ていてそこにはBの歩いた後しかなかった んです。 それに気づいた私たちはなんだか無言に なってそ草と外に出てドアを閉じました。 そのまま来た道を戻ろうとすると背にした ドアがガチャっと開いて中から人が出てき ました。 どこにも繋がっていない。誰もいないはず の部屋なのに。 Bコが悲鳴をあげて走り出し、私たちも 夢中で車まで駆け戻りました。 不思議と追い抜いていく人は増えています 。 肩がぶつかって迷惑そうに睨まれたりし ます。 さっきまで全然人がいなかったのに工場の 中には何十人と人がいます。 本を超えたらもう大丈夫だと思ったのに車 に乗って発信したら道にも人が溢れてい ました。 みんな散歩でもしてるみたいに普通の格好 でフラフラと歩いています。 こんな場所に何十人も山を下ってるので、 車はゆっくりとしか進まなく、私たちは 叫んでクラクションを鳴らし、とにかく パニックで頭がおかしくなりそうでした。 彼氏はAに、お前なんでとこに連れてきた んだよ。 と隣 Aも怒鳴り返すしで喧嘩になってうと B子が あそこにお寺あったよねあそこで助けて もらおうよ と言ってAとBの2人は走ってお寺に行っ てしまいました。 その後私は泣きすぎて過呼吸になり、後部 座席で横になっていたので、外は見ません でしたが、しばらく車はゆっくり進んだ後 国道に出たらしくて、気づいたら見覚えの ある道であの人たちもおらず雨が降ってい て、さっきまでのあれが嘘みたいでした。 彼氏と私はファミレスの駐車場に車を止め 、私が落ち着くのを待った後、ファミレス に入ってBとC子の携帯に電話してみまし たが、応答がありません。 とりあえず 迎えに行くから連絡してとメールした後、 しばらくファミレスにいて、夜遅くなった ので彼氏の家に泊まって、次の日AとBの 家に行ってみましたが、まだ帰ってきてい ないようです。 俺たちをからかってんのかな?壮大な ドッキリじゃね と彼氏が言ったので今日まで待ってみたん ですがAは会社を決してるようです。 Bもまだ家に帰ってきていないようです。 県NCM山の工場について何か知ってる方 いらっしゃらないでしょうか? AとBはどうなったんでしょうか? ちゃんと戻ってくるんでしょうか? 私と彼氏はどうにかなったりしない でしょうか? 今すごく不安で怖いです。 イを授ける。 俺は1人で古い神社や寺を回るのが趣味だ 。 ガイドブックに乗ってるような有名な場所 もいいが、どちらかと言うと山奥に ひっそりと佇む忘れ去られたような古い寺 に引かれる。 先月も地図で見つけた山奥にある名前も 聞いたことのない小さな寺を尋ねてみた。 麓元の集落から舗装もされていない細い 山道をこ1時間ほど登った先にその寺は あった。 本道はかなり古びていてもあまり行き届い ていない様子。 訪れる人もほとんどいないんだろう。 経まり帰っていた。 温度に上がらせてもらうと中は薄暗らく 先行と古い木の匂いが混じり合ったような 独特な空気が漂っていた。 本存らしき小さな仏像が中央に暗置されて いる。 そしてふと本道の橋に目をやるとそこには もう1体別の仏像が置かれてることに 気づいた。 それは1本の木から掘り出されたような 等身台に近い大きさのかなり古い時代の ものに見える仏像だった。 何の仏像なのか知識のない俺にはわかん ない。 表情は穏やかで自合に満ちてるようにも 見えるんだがどこか生々しいというか妙に リアルなのだ。 特にその目 黒曜石かなんかがはめ込まれてんのか 暗がりの中でも鈍く光りまるで生きてるか のようにこちらを見つめてる気がした。 そして何よりも手に目がいった。 腕の前で複雑な陰を結んでいるのか、 あるいは何かをそう思ってるのか。 ひ彫りのはずなのに指の1本1本の関節や 爪の形までが妙に成功でぬくもりすら感じ られるような気がした。 俺はその異様な存在感にしばらくの間目を 奪われていた。 どれくらいそうしていただろうか。 ふと仏像の目が俺の視線に答えるよう わずかに動いたような気がした。 そして組まれた木彫りの手がびくりとかに 震えたように見えたのだ。 へえ。 驚いた後ずる。気のせいだ。光の加減だと 自分に聞かせる。 ちょうどその時、奥からゆっくりとした 足取りで住職らしき人物が現れた。 俺は挨拶もそこそこにあの仏像について 尋ねてみた。 あの隅にいらっしゃる仏様はどういった仏 様なんでしょうか? 住職は仏像を一周すると静かに首を横に 振った。 さあ、わしがこの寺に来た時にはもう あそこにいらっしゃった。詳しい由来も いつの時代のものかもわからんのです。 ただ仙台からはあの仏様の前ではあまり 長く立ち止まらぬ方がいい。目を合わさぬ 方がいいとはきつく言われておりますな。 含みのある言い方に俺は少し背筋が寒く なるのを感じた。 その日はそれ以上不帰りすることはなく寺 を後にした。 しかし帰り道もそして自宅に戻ってからも あの仏像の妙にリアルな目と手が頭から 離れなかった。 それから数日後、日常生活の中で奇妙な ことが起こり始めた。 何かに集中している時、あるいはぼんやり と窓の外を眺めている時、 ふと誰かにじと見つめられてるような強い 視線を感じるのだ。 あの寺で感じた仏像の視線によく似ている 。 もちろん周りを見回しても誰もいない。 そしてもっと悪いのは視界の炭を時折り 木彫りの手のようなものがすっと横切る 幻覚を見るようになったことだ。 一瞬のことだから確かめようもない。 だがあの仏像の妙にリアルな手の形が盲膜 に焼きついてるかのようだった。 さらに不可快なことに朝目が覚めると自分 の腕や肩に硬いもので強く押さえつけられ たような赤い跡がついてることがあった。 痛みはないがまるで誰かに寝ている間に 掴まれたかのような後だ。 その後の形がどことなくあの仏像の指の形 に似てるような気がしてゾっとした。 夢にもあの仏像が現れるようになった。 夢の中で俺はあの薄暗らい本道にいて仏像 と向い合っている。 仏像はゆっくりとしかし確実に動き出し そのリアルな目で俺をじっと見つめあの 木彫りの手を俺に向かって差し伸べてくる のだ。 だが何かが馬を言わさず伝わってくる。 それは叫び声のようだった。 俺はおかしくなりそうだった。 あの仏像は何なんだ?俺に何を求めている ? そして心のクソから荒がいがい衝動が 湧き上がってくるのを感じていた。 もう1度あそこへ行かなければならない。 あの仏像に会いに行かなければならない。 そう思い始めていた。 数日後、 俺は半ば無意識のうちに再びあの寺へと 向かっていた。 山道を登り古び本道の前に立つ。 前回と同じように本藤は静まり返っていた 。 胃を決し、本道に足を踏み入れる。 隅にはあの仏像が静かに佇んでいた。 やはりその目は俺を見てるように感じる。 俺は吸い寄せられるよう仏像の前へと 進み出た。 そしてその目の前に立ち、問いかけた。 衝動的に声が出ていた。 あなたは何者なんですか?これに何をさせ たいんですか? 答えはない。 ただ仏像の黒い目がじト俺を見つめ返して くるだけだ。 その時だった。 仏像の腕の前で組まれていた木彫りの手が ぎっしりときしむような音を立てて ゆっくりと動き始めたのだ。 そしてその手が俺に向かってすっと 差し伸べられた。 俺は恐怖で動けなかった。 その手が俺を掴むのか、それとも何かを 渡そうとしてるのか。 差し伸べられた木の手もただただ見つめる ことしかできない。 するとどこからともなく声が頭の中に直接 響いてきた。 それは男の声とも女の声ともつかない 不思議な響きを持っていた。 我はただここから人の世のうろいを見守る もの。そして時折り縁ありしものにさやか なる因を授けるもの。 声が消えると同時に差し伸べられていた 仏像の手は元の位置へと静かに戻っていっ た。 俺は呆然とその場に立ち尽くしていた。 何が起こったのか全く理解できない。 ふと自分の右手の子に奇妙な感覚がある ことに気づいた。 見るとそこには木の年林のようなあるいは 古い地図のような複雑な模様のが薄茶色に 浮かび上がっていたのだ。 それはちょうどあの仏像の手の甲にあった 模様とよく似てるように見えた。 いつの間にか外は夕暮れに染まっていた。 俺は夢うつのような状態で寺を後にした。 それ以来俺の身にあの奇妙な現象が起こる ことはなくなった。 悪夢も見なかった。 まるで嵐が過ぎ去ったかのように平穏な 日常が戻ってきていた。 ただ1つだけ変わったことがある。 手の甲に浮かんだあの奇妙な それは消えることなく俺の体の一部として 残ってしまった。 そして時折りこの朝がじ割りと熱を帯びて うくことがあるんだ。 そんな時俺の頭の中に俺の身近な人間の すぐ近くに迫っている不幸な光景が断片的 にしかし強烈に流れ込んでくるようになっ た。 それは明確な映像や声ではない。 だが、例えば親友の健二が数日後に交差点 で車に跳ねられる生々しい衝撃の感覚。 そしてその不幸がいつ、どこでどのように して起こるのか。日付や場所、状況まで 具体的に分かってしまうのだ。 最初にそれを感じ取った時、俺は反響欄に なってケ事に連絡をし、絶対にその日は 外出するな。特にあの交差点には近づくな と必死で説得した。 ケ二は俺の異常な見幕に戸惑いながらも 幸いその忠告を聞き入れてくれた。 して後日 まさに俺が感じ取った日時にその交差点で 大きな交通事故があったことをニュースで 知った。 もしケ事がそこへ行っていたら ケ事が助かったことに俺は心の底から アンドした。 俺の感じ取った未来は変えることができる のかもしれない。 そう希望を持ったんだ。 だがその希望はわずか数週間後に無惨に 打ち砕かれた。 ケ二が自宅アパートの階段から足を滑らせ て転落し、頭を強く打って亡くなったと いう知らせが入ったのだ。 ケ二は結局死の運命からは逃れらんなかっ た。 での警告はただ死の形と時期を少しだけ 変えたに過ぎなかったのかもしれない。 いや、もしかしたらあの朝が見せるのは 決して変えることのできない確定した結末 だけなのかもしれない。 その次にがういた時、俺は遠方で暮らす 高齢の祖母が自宅の風呂場で倒れるで あろう瞬間を感じ取ってしまった。 もう俺にできることは何もなかった。 ケ事の件で運命は変えられないこと悟って しまっていたからだ。 俺はただ祖母が1人冷たい浴室で意識を 失っていくであろうその瞬間を実質の ベッドの上で手の甲ののきと共にやる タイムで感じ取ることしかできなかった。 胸が張り裂けるような無力感とどうしよう もない罪悪感に苛まれた。 の仏像は俺に何をしたのだろうか。 縁を結びイを授けるとはこういうことだっ たのか。 これから俺の周りで起こる悲劇をすぐそば で見せつけられ、その無力さに打ちのめさ れ続けるという終わりのない肛門、因のだ 。 答えは分からない。ただ手の甲の技を見る たび、あの寺の静かでしかしそしれない 存在感を放っていた仏像の目を思い出す。 そして次にこの技がうく時、俺は一体誰の どんな避けられない死を知らされてしまう のだろうか。 花食い あれは大学に入って初めての春のことだっ た。 サークルの新刊も兼ねて俺たちは市内で 有名な桜の名所であるまるま公園に花見に 行ったんだ。 まだ4月の上旬で肌寒さは残るものの、空 はよく晴れていた。 平日にも関わらず、公園は花見客で賑合っ ていて、あちこちで楽しそうな声が響いて いた。 俺たちのグループは少しまった場所にある 。一際は大きな吉野の古気の下にブルー シートを広げた。 ミキが太く枝も見事で満海の花が空を覆う ように先起っている。 まるで花の天街の下にいるようで皆特等席 だなんてはしゃいでいた。 場が和んできた頃、グループの1人、少し 大人なしい性格の女子ミキがふと皮をあげ て桜を見つめてることに気づいた。 どうしたミキー? お調子の高志が声をかけるとミキは少し 戸惑ったように視線を落とした。 うん。なんかここの桜すごくない? すごいよな。超満回だし。そうじゃなくて なんて言うか色が濃いっていうか。 確かに言われてみればその古気の桜は周り の桜よりも鼻の色がわずかに濃いような気 もした。 淡いピンクというより少し赤みが刺してる ような。 でもまあ気のせいだろう。品種が違うのか もしれないしとその時は特に気に止め なかった。 宴は続いて日が傾き始めた頃だった。 酔いを覚ましに少し離れたトイレに来、 戻ってくるとシートの辺りが少し探しく なっていた。 おいミキ何やってんだよ。 たしが焦ったような声をあげている。 見るとミキがあの桜の古気の根元に膝を ついて地面に落ちた桜の花びを一心フラン に広い集めていた。 そして信じられないことにそれを口に運ん でいる。 まるで何か美味しいものを食べるように むしゃむしゃと 何やってんだよミキー。大丈夫か? 俺も慌ててかけ寄る。 ミきはうろな目でこちらを一周したが、 すぐにまた花びを拾う作業に戻った。 その口元は桜の花びの色で異様に赤く 染まってるように見えた。 やめろって。 たしがミキの肩を掴んで止めようとした 瞬間、 ふわ と短い姫をあげて手を離した。 なんだよこれ。すげえ爪で。 たしは自分の手を見つめて震えている。 春先の夕方とはいえ、ミキの体は異常な 冷たさだったらしい。 その時ふと気づいた。 いつの間にか俺たちのすぐ近くに腰の 曲がったロー婆が1人立っていたんだ。 花見客の1人だろうか。 地味な色の着物を着て仕茶の顔でじっと ミキを見ていた。 そして嬉しそうにかれた声で呟やいた。 はあ。はるじゃ。はるじゃ。今年もよう 咲いた。よう食うとる。 その声と表情にゾりと王冠が走った。 俺たちは半ば強引にミキを立たせ、荷物を まとめてその場を逃げるように立ち去った 。 ミキはずっと無言で商店の合わない目をし ていた。 帰り道 ミキは少しずつ正気を取り戻したようだっ たが、自分が何をしていたのかよく覚えて いないと言った。 ただあの桜の下にいるととても甘い匂いが して無償に何かを食べたくなったと。 後日気になってまるまる公園の桜について 少し調べてみた。 するとあの古気には昔から良くない噂が あることが分かった。 何でも昔その木の下で身元の分からない 若い女の人が春先に亡くなってるのが 見つかったらしい。 なのかそれとも詳細は不明だという。 ただそれ以来春になるとあの木の桜だけが 妙に色濃く咲いて時々花びを食べる人が 現れるのだと。 そしてそういう時には決まってあの老婆の ような姿の何かが近くで見てるのだという 。 俺たちが花見に行ったあの日、ミキは何か に取り憑かれていたのだろうか。 あのロ婆は一体誰だったのか。 今でも春になって桜が咲くのを見るとあの 日の光景とミキの異様に赤かった口元を 思い出して背筋が寒くなる。 空席 僕が地元の高校に入学して3ヶ月が経った 。 新しい生活にも少しずつなれ、クラスにも 馴染んできた。 しかし僕のクラスには腑に落ちないことが 1つだけあった。 教室の窓際は前から3番目の席。そこは いつも空席だった。 担任の先生はその席について決して触れ ない。 クラスの誰もその席に目を向けようともし ない。 そこに座るはずだった生徒が最初から存在 しなかったかのようにその場所だけが不 自然なほど静寂を保っていた。 その席の机形にはいつも小さな花瓶が置か れ、誰かが行けたのか一輪の白い花が飾ら れていた。 ある日の昼休み、僕は勇気を出して隣の席 に座っているように訪ねた。 あの席なんで誰も座らないんだ? 両は持っていたパンを机に置き、周囲に誰 もいないことを確認するように見回した。 それからひどく小さな声でさいた。 あれはな僕たちがこの高校に入る少し前 春休みのことだったらしいんだけど事故が あったんだ。 あの席に座るはずだった子が通学で事故に あって、 それで入学式の日からずっと格好に来て ないんだ。 もう2 度と来ないって。僕は息を飲んだ。入学して 3 ヶ月。その間ずっと来ることのない誰かのための席は意されていたのか。僕の心に言いよのない不穏さが広がり始めた。 その日以来、あの空席を見るたび、僕は その席が透明な誰かの存在を宿してるかの ように感じられるようになった。 窓から差し込む光がその席だけを妙に強く 照らし出すように見えた。 数日後の放課後、僕は部活動の資料を取り に再び教室に戻ることにした。 もう他の生徒はほとんど帰っていて、校舎 はひどく静まりっていた。 夕やけに染まる廊下はどこか寂しげな空気 を漂わせている。 教室に近づくとごくかな。 ぎー ギー という何かをするような音が聞こえた。 それは古びた椅子の足が床をする音に似て いたが、もっと粘着質な不気味な響きを 持っていた。 僕は足音を殺し、そっとその音のする教室 のドアに近づいた。 ドアわずかに開いていて、その隙間から中 を覗き込むと僕の視界に飛び込んできた 光景に全身の地が凍りついた。 教室はわずかな日が差し込んで長い影を 落としながら薄暗くなっていた。 しかしその薄暗闇の中にはっきりと見えた 。 僕のクラスのあの空席。 誰かが座っていた。 それは制服を着た髪の長い女性だった。 夕日を背にしていたため、最初は顔が暗い 影に覆われてるように見えた。 女性は僕の存在に気づかないかのように ゆっくりと繰り返し、頭を深く下げては またあげるという動作を繰り返していた。 誰かに深ぶかとお辞儀をしてるかのよう だった。 その動作に合わせて古びた椅子の足が床を 吸ってぎ。 きー という音がなる。 僕は息を飲んだ。 頭を下げたままのその女性はひたすら お辞儀を繰り返す。 その動きは次第に早くなって、その度に ギーギーギー と激しさを増していく。 女性の髪の毛がその度に肩から滑り落ちる ように揺れていく。 次の瞬間、女性はお辞儀の途中でピタリと 動きを止めた。 そしてゆっくりと頭をあげる。 その顔が夕日を受けてはっきりと荒わに なった。 そこにいたのは年頃の女子高生の顔だった 。 そしてその表情は見るものを引きつける ような満面の笑を浮かべていた。 喜びに溢れたあまりにも無邪気な笑だった 。 僕はその美しさに一瞬恐怖を忘れそうに なった。 だが、その笑ミが僕の姿を捉えた瞬間、 まるで仮面が剥がれ落ちるかのように一瞬 で怒りの装へと変わった。 その口は大きく避けるように開き、目を 見開いて僕を呪うかのように歪んだ表情を 浮かべた。 その顔は像王と怨念に満ちていて、先ほど の満面の笑とはあまりにも駆け離れていた 。 姫はあげそうになったが、喉が張り付いて 声が出ない。 僕はその場から逃げ出した。 それから数日後、 僕が教室に入るとあの窓際の席から空席が 消えていた。 机も椅子も綺麗に片付けられ、その場所に はただの広い空間がぽっかりと残されてい た。 変な噂が多いいからしばらくあの席は使わ ないことにしました。 担任の先生が朝のホームルームでどこか 申し訳なさそうに。しかしきっぱりとそう 言った。 クラスの誰もその理由に深く触れようとは しない。 な口に良かったとアンドの声をあげたが、 その表情にはどこか割りきれない複雑な 感情が滲んでいた。 僕もあの席が消えたことに心からアンドし た。 もうあの不穏な存在と向き合う必要はない のだと。 そうして数ヶ月後、僕たちは町に待った 修学旅行へ行くことになった。 京都の清水寺ラでクラス全員での集合写真 。 皆が笑顔で最高の思い出を切り取る瞬間だ 。 僕も友人たちと肩を組んで満面の意味で シャターが切られるのを待った。 後日 出来上がったクラス写真が配られた。 僕たちは皆で写真を見ながら思い出話に花 を咲かせた。 だがその写真を見た瞬間クラスは総然と なった。 僕たちが映っている集合写真。僕のすぐ隣 。本来なら誰もいないはずの空間に はっきりと髪の長い女性が映っていたのだ 。 彼女は僕たちと同じ制服を着て、そして僕 の方をまっすぐ見つめるあの時の怒りの 行層そのものだった。 との写真は今も手元にある。 画質。 最近の僕の趣味は古い映像のデジタル修復 だった。 特に廃墟や曰付きの場所で撮影されたと いうアマチャーの記録映像こう画質 細部を観察するのが好きだった。 最新のAI画像処理ソフトを使うとノイズ だらけだった映像が信じられないほど クリアになって今まで見えなかったものが 浮かび上がってくる。 そんなある日ネットの匿名掲示板で数十年 前に閉鎖された地方の遊園地で撮影された という古い動画ファイルを見つけた。 投稿者は友人が撮影したもので当時から妙 なものが映っていると噂されていた とだけ書いていた。 画質はひどく荒くノイズとブレで何が映っ てるのかほとんど判別できない状況だった 。 僕は興味本意でそのファイルを ダウンロードし、早速AI修復ソフトに かけてみた。 数時間後、短違えるほどクリアになった 映像がモニターに移し出された。 夜の遊園地 錆びついたジェットコースター口当てた メリーゴーランド。 風の音と時より聞こえる奇妙な金属音だけ が響いている。 撮影者は懐中電灯で辺りを照らしながら 何かを探しているようだった。 動画が始まってから10分ほど経った頃 だった。 古びた観覧者の近くを撮影者が通り 過ぎようとした瞬間、 映像の隅、暗闇みの中に何かが映り込んだ 。 最初はノイズかと思った。 しかし高画質化された映像をよく見ると それは明らかに一影だった。 細身で長い紙のようなものが風に揺れて いる。 顔は暗くてよく見えない。 ただ不自然のほど白い手が観覧者の鉄骨を 掴んでるのが分かった。 ヒレ そう思った瞬間背筋がゾクっとした。 僕はすぐに動画を停止し、問題の箇所を何 度も再生した。 AIはノイズを除去し、細部を鮮明に 移し出している。 それは紛れもない人影だった。 しかも次の瞬間、その一影はゆっくりと こちらを見てくるかのように頭をわずかに 動かしたのだ。 僕は興奮と恐怖で心臓がドキドキした。 ついに本物の幽霊が映った動画を見つけて しまったのかもしれない。 僕はその動画を掲示板にアップロードし、 AIで高画質にした結果、幽霊らしきもの が映っていました。 と書き込んだ。 するとすぐに多くのコメントが寄せられた 。 すごい本物だ。怖い といった反応がほとんどだった。 中にはその遊園地の過去について詳しく 調べてる人もいて、昔観覧者から女性が 転落して死亡する事故があったという情報 を提供してくれた。 僕はさらにその動画を分析することにした 。 AIソフトには動きを追跡する機能や特定 の物体を強調表示する機能もある。 それらを使って幽霊らしき一影を詳しく見 ていくとその姿は徐々に奇妙なものだと いうことに気づき始めた。 体は細長いのに関節が不自然な方向に 曲がってるように見える。 そして何よりも奇妙だったのはその動き だった。 風もないのに神が激しく揺れ、体が痙攣し てるかのように見えたのだ。 AIがノイズから無理やり人間の形を形成 しようとしてエラーを起こしてるかのよう にも見えた。 しかし、もしそうだとしたら、なぜ事故の 情報と一致するかのような場所に女性の ような人影が現れるのだろうか。 数日後、 僕は再びその遊園地の動画を見返していた 。 Aはさらに学習を重ね、以前よりもさらに 高画質な映像を生成していた。 問題の一影はより鮮明に、そしてより異質 な姿を僕に突きつけた。 その時僕は気づいてしまった。 人影だと思っていたものは確かに人間の形 をしていた。 しかしその顔はAIが認識できないほど 歪んでいたのだ。 まるで顔のパーツがバラバラに配置された 悪夢のような形をしていた。 そしてその歪んな顔が僕の方を認識してる ようなそんな気がしたのだ。 その瞬間、部屋の隅に置いてあった僕の パソコンのスピーカーから今まで聞いた ことのない ブツブツブツブツブツブツ という音が聞こえ始めた。 AIが何か異常な信号を受信してるかの ような不気味な音だった。 僕は慌ててパソコンの電源を切ろうとした 。 しかしマウスもキーボードも全く反応し ない。 モニターには高画質化された遊園地の映像 が映し出されたまま。 としてその歪んな顔の幽霊がゆっくりと こちらに向かって手を伸ばしてくるのが 見えた。 ノイズがますます大きくなって部屋の電気 が散らつき始めた頃、 僕は自分自身がAIが見つけた何かに認識 されてしまったのだと悟った。 今も時々パソコンの電源が入っていない はずなのにかなファンの回転音とあの 不気味なプツブツブツ という音が聞こえることがある。 そしてふと画面を見るとAIが解析した あの遊園地の映像が一瞬だけ映し出される ような気がするんだ。 あの歪んだ顔がこちらを見ている。 こう画質化された映像の向こうから確実に 何かが近づいてきている。 黒組の運動会 その日は息子の健太が通う小学校の運動会 だった。 朝早くから場所取りをし、ビデオカメラを 三脚にセットして、現太の活躍を今か今か と待ち構えていた。 応援合線の賑やかな音楽と子供たちの元気 な感が皇帝一杯に響き渡っている。 これ運動会という活気に満ちた眩しい くらいの雰囲気だった。 午前中の東京層でケ太見事に一頭を取った 。 私はビデオカメラのファインダー越しに 必死に走る健太の姿をながら思わず目頭を 熱くしてしまった。 午前中最後の種目は前行生徒が参加する 運動会の花大玉転がしだ。 赤、白、青組の3チームがそれぞれ巨大な ビニール製の大玉を力合わせて懸命に 転がしていく。 げ太、頑張れ。赤組行け。 私はファインダーを覗きながら赤組の列に いるケ太に声円を送った。 各組一斉にスタートの合図と共に駆け出し 、土埃りを巻き上げながら色鮮やかな大玉 が皇帝を往復していく。 私たちの応援する赤組がわずかにリードし ているようだ。 その時ファインダー越しに捉えた皇帝の橋 の方に私はどうしても目を離せない奇妙な 光景に気づいた。 赤、白、青組の3つの玉とは別にもう1つ 1度せた黒っぽい大玉が皇帝の隅、他の組 と並走するようゆっくりと転がっていたの だ。 そしてその黒い玉を懸命に追いかけ転がし ているのは他の組の子供たちとは明らかに 異なる一段だった。 彼らは皆黒い八巻を占めている。 着ている体操服はなんだか色汗でくんだ昔 風の体操に見えた。 そして何よりも異様だったのは彼らの顔 だった。 誰1人として表情がなく無言でどこか気地 ない機械のような動きでただ黙々と黒い玉 を転がしているのだ。 あれ?黒組なんてあったかしら? 私は手元のプログラムを慌てて確認した。 しかし、やはり赤白青組による3色対抗と しか書かれていない。 あの黒い八巻の一段はどう見てもこの運動 会の参加者ではない ねえ。すみません。ちょっとお尋ねしたい んですけど。 隣で熱心に応援していたケ太と同じクラス の保護者の方にそう声で話しかけてみた。 え?あ、はい。何でしょう? あの、あの黒いって何かしら?私初めて見 たんですけど。 私の言葉にその保護者の方は軽減な顔をし た。 黒い 赤と白と青だけでしょう。何か見違いじゃ ないですか? 周囲の他の保護者たちや先生たちの様子を 伺ってみたが、誰1人としてあの黒い組の 存在に気づいてるそぶりはない。 皆目の前で行われている3色の大玉転がし に夢中だ。 どうやらあの黒い八巻の一段が見えてるの は私だけだし。 背筋がざっとした。 もう1度ビデオカメラのファインダーを 覗く。 そこには確かに赤、白、青の3組の大玉に 並んで黒いの子供たちがくんだ色の大玉を 転がしてる姿が映っていた。 しかしその姿は他の組の子供たちに比べて どこか輪郭がぼんやりとしていてまるで 半透明のようだ。 時より古いテレビのチャンネルを切り替え た時のよう映像にノイズが走って彼らの姿 がチラチラと乱れていく。 狂器は赤組が金差で1位となって皇帝に 大きな完成と拍手が響き渡った。 選手たちが互いを漂い、興奮が覚めない中 、私は再び黒組がいた方を振り返った。 しかしそこにはもう彼らの姿も転がしてい たはずの黒い玉も後方もなく消えていた。 競技の結果発表でも当然黒組のことは一切 触れられなかった。 昼休憩になって私は賢太と皇帝の隅でお 弁当を広げた。 さっきの黒組のことが気になって 仕方なかったがけ太に聞いても 黒組 何それ?赤組が勝ってるんでしょ と不思議そうな顔をするだけだった。 他の誰にも見えていなかったのだから、 もしかしたら今日の強い日差しと運動会の 熱記に当てられ、私が見た幻だったのかも しれない。 そう思うことにした。 しかしその日の午後、 PTAの被会室として解放されていた図書 室で私は偶然古び学校のアルバムを見つけ た。 埃りかぶった分厚いアルバム。 何気なくページをめくっていると、ある1 枚のセピア色の写真で私の手が止まった。 それは何十年も前に撮影されたらしい古い 運動会の写真だった。 背景には今とは違う木造の古い校舎が映っ ている。 そして写真の中央では子供たちが大玉 転がしをしている。 赤組、白組そして私があの時見たのと同じ 黒い八巻を閉めた古めかしい体操服の一段 。 間違いない。 あの時皇帝で見たあの黒組の子供たちだ。 彼らは写真の中でやはり無表情でくんだ色 の黒っぽい大玉を転がしていた。 そして写真の隅には小さな手書きの キャプションが添えられている。 私はそれをなぞるように読んだ。 昭和38年度周期大運動会行 車グラウンド大転がし かこ黒組優勝 そこまでは昔の運動会の記録写真としての ごく普通のキャプションだ。 しかしその下にさらに小さな文字で鉛筆か 何かでこう書き加えられていたのだ。 しかしその日の夕方原因不明の火災により 急行車。 黒組の児童数及び応援の保護者数逃げ遅れ て犠牲となる。 未来本港運動会に黒組なし。 その文章を読んだ瞬間、全身の血の毛が 引いていくのを感じた。 手足の先が冷たくなってアルバムを落とし そうになった。 私があの時白中の運動会で見たのは幻では なかったのだ。 彼らは数十年の時を越え、今もこの皇帝で 自分たちの運動会を続けているのかもしれ ない。 自分たちの優勝した競技を毎年誰にも 気づかれず、誰にも応援されず、ただ黙々 とあの黒い大玉を転がし続けているの だろうか。 そしてあの時ビデオカメラのファインダー 越しに私が見た。どこか輪郭がぼやけて ノイズが走る彼らの姿はもしかしたら やっと気づいてくれたという彼らからの私 に向けられたさやかな合図だったのかも しれない。 私はあの運動会で撮影したビデオを見返す ことはなかった。 もしあの映像を見返してしまったら、あの 少し不明でノイズが走るように映っていた 黒組の子供たちの姿が、今度ははっきりと こちらに顔を向け、何かを訴えかけてくる のではないか。 あるいは自分たちの存在に気づいてくれた 私に無表情なままゆっくりと手を振って くるのではないか。 そんな想像をするだけで恐怖で心臓が 張り裂けそうになるからだ。 宿君、 あるの連休大学の授業量の足しにしようと ネットで見つけた破の日の短期アルバイト に応募した。 仕事内容は閉鎖された施設の時間に。期間 は連休中の7日間。 場所は人里離れた山奥にある。 高額な報酬にいさか怪しさを感じつつも他 に目ぼしいバイトもなかった私は軽い 気持ちで受けてしまった。 指定された日に現地へ向かうと想像以上に さびれた場所だった。 よりのバス停から細い山道を歩いて30分 ほど 目の前に現れたのは広大な敷地に立つ古び てはいるが異様に大きな建物だった。 かつては結かの両領所だったらしいが今は 完全に閉鎖され、時折り管理人が手入れに 来る程度だという。 出迎えてくれたのは田中と名乗る無口な 老人だった。 彼が唯一の上中管理人らしい。 私の仕事はこの期間中彼の手伝いとして 敷地内の見回り簡単な清掃そして夜間の 宿直をすることだ。 他にアルバイトはおらず、この広い施設に 夜は私と田中さんの2人ぼっちになると いうことだった。 いくつか注意点がある。 田中さんは低い感情のこもらない声で言っ た。 夜中に物音がしても絶対に部屋から出たり 様子を見に行ったりしないこと。 それから西東の3階1番奥の部屋扉に札が かかっているがあの部屋には絶対に近づく な。 扉も消して開けようとするな。 いいな。 その口調は単なる注意というよりうを 言わさぬ命令のように響いた。 私は少しおじけついたがはいと答えるしか なかった。 昼間の作業は主に草むりや落場の清掃、 建物の簡単な修繕などだった。 広大な敷地を歩き回るのは骨が折れたが、 特に変わったことは起こらない。 ただ建物の内部は昼間でも優暗くひんやり とした空気が漂っていた。 そして廊下の壁には古いシミや何かを 引っかたような無数の傷跡が残っており、 言い用のない隠な雰囲気を醸し出していた 。 だが本当の恐怖は夜にやってきた。 割り当てられた宿質は元は病室だったん だろう。カ素なベッドと机があるだけの 殺風系な部屋だった。 眠ろうと布団に入ると芯と静まり返った 建物の中に様々な音が響き始めたのだ。 遠くの廊下をき [音楽] と古い車椅子がきしむような音。 どこかの部屋の壁をトントン。と誰かが 規則的に叩くような音。 そして時折り誰かの苦しげな咳払いのよう な音も聞こえる。 夜中に物音がしても絶対に部屋から出たり 様子を見に行ったりしないこと。 田中さんの言葉を思い出し、私は布団を頭 までかぶってひたすら朝が来るのを耐えた 。 そんな夜が数日続いてアルバン新たな異変 が起こった。 深夜部屋に設置されている古いナース コールのランプがチカチカと点滅し始めた のだ。 もちろん電源は繋がっていない。 翌日、田中さんにこのことを話すと、 ああ、古いからな、接触不良だろう と顔色1つ変えずに行った。 だが私にはどうしても単なる故障とは思え なかった。 やっぱりこの施設は何かがおかしい。 1度そう思ってしまうと全てが気になって きてしまう。 私は昼間の見回り中西海の赤ずの間の前 まで行ってみた。 扉には関係者以外立ち入り禁止と書かれた 色汗だ札がかかり、錆びついた南金城で 固く閉ざされている。 扉に網入りの曇りガラスがはめ込んであっ て薄ら中が見えるんだが暗くてよくわかん ない。 連休も終わりに近づいたある夜、 私は宿室の机の引き出しの奥に1冊の ノートが隠されているのを見つけた。 それは私の前にここでアルバイトをしてい た人物の日記のようだった。 最初はのない仕事の愚痴が書かれていたが 、日付が進むにつれて内容は不穏なものへ と変わっていった。 夜中の音がひどくなってきた。壁を叩く音 が一晩中続く。 廊下で白い影を見た気のせいじゃない。 ナースコールが成りやまない。 あの部屋が俺を呼んでいる気がする。 はそこで途切出ていた。 最後のページにはただ一言開けてしまった とだけ 震えるような文字で綴られていた。 私はノートを閉じ、全身の血の毛が引くの を感じた。 そしてアルバイト最終日の夜が来た。 その夜は昼間から激しい雨と風が吹き荒れ ていた。 建物が揺れるほどの嵐。 縮直室で1人恐怖に耐えているとついに 尋常ではない事態が起こった。 施設内にナースコールの音が響き渡ったの だ。 おそらくこの部屋だけではなく、全ての 部屋のナースコールが一斉に点灯し、 桁たましい音が鳴っている。 まるで建物中の誰かが一斉に助けを求めて いるかのように。 それと同時に廊下からドタドタという無数 な足音、壁を叩く音、埋めき声、泣き声、 笑い声、ありとあらゆる不気味の音が洪水 のように押し寄せてきた。 私は宿直室のドアに鍵をかけ、ベッドの下 に隠れて震えていた。 するとドアが外から激しく叩かれ始めた。 トントントンけろし痛い。複数の声がドアの向こうから叫んでいる。男の声、女の声、子供の声。 その教乱のさ中一際大きな破壊音が西東海 の法学から響き渡った。 ガシャン。 それに続いてこの世のものとは思えない 叫び声が聞こえた。 その声が止むと嘘のように全ての物事音が 消え、建物は再び静寂に包まれた。 嵐の音だけが聞こえる。 私はどれくらいそうしていただろうか。 夜が明るくなり始め、嵐が少し弱まった頃 、胃を消してベッドの下から吐い出た。 恐ろ恐るドアを開ける。 廊下は静まりに帰っていた。 昨夜のことが嘘のようだ。だが西党参加へ と続く廊下の先を見て私は息を飲んだ。 あの赤ずの間の扉が破壊され、見るも無駄 に砕け散ちっていたのだ。 そして破壊された扉の奥。真っ暗な部屋の 中からどスいモヤのようなものがゆっくり と廊下へと溢れ出してきている。 そのモヤの中に無数の一影がうめいていた 。 しかしどの影にも顔があるべき場所には ただのっぺりとした闇があるだけだった。 顔のない集団は霧と共に廊下を満たし ながらゆっくりと確実にこちらへ向かって くる。 私は声にならない悲鳴をあげ逃げ出した。 田中さんのことなどもうどうでも良かった 。 私は2度と給料に高い短期のアルバイトを やることはないだろう。 お気 大学の授業の合間にフードデリバリーの アルバイトで小遣いを稼ぐ。それが僕の 日常だった。 電動自転車で町を走り回り、見知らぬ マンションの玄関先に温かい料理を届ける 。 のマンションは東京湾ンガンエリアに 新しく立てられたばかりの全面ガラス張り のいかにも高級そうなタワーマンション だった。 キラびやかなエントランス最新への セキュリティ そこに住む人々は僕とは全く異なる世界の 住人なんだろう。 依頼が入ったのは夜の10時過ぎ。 届け先は35回の一室。 アプリのチャット欄には客から無期質な テキストで奇妙な指示が書かれていた。 玄関前に着きましたらノックや インターホンは不要です。 アプリで到着通知を送ってください。 スマートロックが自動で解されます。 ドアを少しだけ開け、商品を玄関の床に 置いてください。 決して中には入らないこと。 声も出さないでください。 商品を置いたらすぐにドアを閉め、 立ち去ってください。 いわゆるお気配の一種だろうがやけに 細かい指示だ。 何かを隠そうとしてるかのようにも思えた 。 少し気味が悪いなと思ったが、最近は いろんな客がいるし、変わった依頼も 珍しくない。 僕は指示通り重厚な銃が敷かれた廊下を 通ってマンションの35回まで上がり目的 の部屋の前に立った。 部屋番号が記された金属プレートだけが 無言で僕を迎え入れている。 アプリで到着通知を送ると数秒後 かっちゃ という静かな音と共に重厚な玄関ドアの鍵 が解上された。 僕は指示通りにドアをほんの少しだけ開け た。 ドアの隙間からヒやりとした異常なほど 冷たい空気が流れ出てくる。 薄ぐ暗君生活の気配も全く感じられない。 不自然なほどの静寂が支配していた。 僕はその暗闇みに向かって商品をそっと 滑り込ませるように置き、すぐにドアを 閉めた。 そしてそのままエレベーターホールへと 向かった。 その日を境に僕の元にはあのター マンションへの配達以来が頻繁に入るよう になった。 毎回違う部屋、違う会への配達となる。 しかし、依頼主からの指示はいつも一時 同じだった。 玄関前に着きましたなから始まるあの 不気味な定型分。 言われるがまま何度もそのマンションへ 配達を繰り返した。 40回、21回、50回。 どの部屋のドアも通知を送ると静かに解場 される。 そしてドアの隙間から流れ出してくるのは いつもと同じ日やりとした冷たい空気と何 の生活感も感じられない薄暗らさ。 僕は今まで1度も 部屋の住人の顔を見たこともなければ声を 聞いたこともなかった。 ある雨の夜、 激しい雨が叩きつける中、僕はまたあの マンションの今度は18階の一室へ配達へ 向かった。 いつものよう商品を玄関の内側に置こうと したその時 雨で濡れ立てが滑ってポケットから 取り出したばかりのスマートフォンを うっかり落としてしまったのだ。 スマホはカタンと乾いた音を立ててドアの 隙間から部屋の内側へと滑り落ちた。 僕は慌てて身を眺め、スマホを 拾い上げようとする。 その時見てしまったのだ。 部屋の奥。それはただ暗いだけではなかっ た。 ガ乱だった。 家具もカーテンも生活に必要なものが何ひ つない。 コンクリートが剥き出しになった殺風系な 倉庫のような空間があるだけだった。 そして薄暗らいのにその部屋の床に大きな 黒いシミがじっとりと濡れて広がっている のがなぜか見えた。 何かがそこで長い間横たわっていたかの ようだ。 僕は込み上げてくる悲鳴を必死にこらえ、 スマホを引っつかむと全身の力を込めて ドアを閉めた。 心臓が激しく脈打ち、全身の血の毛が引い ていくのを感じる。 そして一目さんにエレベーターホールまで 全力で走り、我を忘れて開花へと降りて 行った。 それはなんだ?あの部屋には誰も住んで ないのか? その出来事がきっかけとなり、恐怖の あまり、僕はもうあのマンションからの 配達以来は全て断ることに決めた。 今でもそのマンションから配達以来が来る が無視を決め込んでいる。 そこなしだ。 あれは私が小学生の時の夏休みのことでし た。 両親の都合で1週間ほど山にある母の親戚 の家に預けられることになったんです。 昔ながらの家が数剣より集まったような 小さな集落でした。 豊かな自然に囲まれ、空気も水も綺麗で、 最初は都会育ちの私にとって新鮮な体験 でした。 集落には同年代の子供たちも数人いてすぐ に仲良くなり、毎日近くの川で遊んだり、 山を探検したりして過ごしました。 ただその村には1つだけ奇妙な場所があり ました。 村外れの今はもう使われていない古い神社 。 その神社の隅にコケ無した石で組まれた 古い井戸があったんです。 村の子供たちはその井戸を底なしと呼び ひどく恐れていました。 あそこには絶対に近づいちゃだめだよ。 井戸の中を覗いたら引きずり込まれるんだ 。 子供たちは口にそう言い、遊びの最中でも ボールなどがそちらに転がると顔を青くし て取りに行くのを嫌がりました。 預かってくれていた親戚のおじさんも私が 神社の方へ行こうとすると普段の温厚な 顔つきとは打って変わって こらあっちへは行くなと言ったろ と本気でしかりつけました。 なぜそんなに恐れるのか尋ねても いいから行くんじゃない。昔から決まっ てるんだ。 としか教えてくれません。 大人たちのその片くな態度が逆に私の 好奇心を煽りました。 ある日の午後 子供たち人と神社の近くでかれぼしてい ました。 鬼になった私は皆を探して神社をぐるっと 見渡します。 そしてふとあの井戸が目に入ったんです。 周りには誰もいませんでした。 真夏の昼下がりだというのに井戸の周り だけ空気がひんやりとして妙に静まり返っ ています。 井戸の脇には雑草もほとんど生えておらず 、まるでそこだけ時間が止まっているかの ようでした。 覗いたら引きずり込まれるんだ。 子供たちの言葉が頭をよぎりました。 だめだ。近づいちゃいけない。 と思いながらも足は勝手に井戸の方へと 向かっていました。 心臓の鼓動が早くなっていきました。 井戸のそばに立ち、恐れる恐る中を覗き ました。 中は真っ暗で光がほとんど届いていません 。 石を投げ込んだらどんな音がするだろうか と考えましたが、それも固く禁じられてい たことを思い出しました。 やっぱり何も見えないや。 そう呟いて顔をあげようとしたその瞬間。 井戸の深い暗闇の底からかかに私の名前を 呼ぶ声が聞こえた気がしたんです。 それは水滴がしたるようなくもった幼い 子供のような声でした。 まんまちゃんこっちへおいで。 全身の血の毛が引くのを感じました。 同時に井戸の暗い底からにっと何本もの 白い手が伸びてくるのが見えました。 細く水でふやけたような子供の手。 その手が私の服を掴み、神を掴み、井戸の 中へ引きずり込もうとしています。 いや、 私は絶叫し、その場にへり込んでしまい ました。 その声を聞きつけて村の子供たちが 駆けつけてくれました。 私の様子と井戸のそばにいるのを見て子供 たちは顔面蒼白になり私を乱暴に引きずる ようにして親戚のおじさんの家へ連れ帰り ました。 家に着くまで子供たちは一言も口を聞いて くれませんでしたが、その腕は小刻みに 震えていました。 その夜、私は高熱を出して寝込みました。 うなされながら見た夢は井戸の底から無数 の白い手が伸びてきて、私を暗い水の中へ と引きずり込んでいくというものでした。 翌日 熱は下がりましたが、私はすっかり怯えて しまい、外に出ることもできませんでした 。 様子を見に来てくれた村の老人が私の話を 聞くと思いをついてポツりポツりとこう 言いました。 の井戸にはな、昔この村が貧しかった頃に 口べらしで始末された赤ん坊や子供らが たくさん沈められとるんじゃ。 老人は涙を浮かべて続けました。 あの子らは親にも名前を呼ばれずに言った からの寂しくて寂しくてたまらんの じゃろう。だから生きてる人間特に子供を 見ると仲間が欲しくて井戸の底から呼ぶん じゃ。 1度でも覗き込んで声を聞いちまったら もうしまいよ。 お前は運が良かった。 その夏以来、私がその村を訪れることは 2度とありませんでした。 今でも暗い穴や水面が黒く見えるような 場所を見ると、あの井戸の底から聞こえた 声と冷たい白い手の感触が蘇ってきます。 あの子たちは今もあの暗い井戸の底で寂し さに耐えながら誰かが覗き込んでくれるの をじっと待っているのでしょうかはい。 忘れ物。 久々の連休で俺は都会の剣争から逃れる よう人で海沿いの小さな町へ向かった。 連休とはいえ、特に有名な観光地でもない せいか人はまばら。 ネットの格安プランで見つけた古い民宿が 今回の宿だった。 ようこそおいでくださいました。 民宿の女将さんは人の良さそうな笑顔で 迎えてくれたが、その目の奥にはどこか 限りのようなものが感じられた。 建物は古く塩風にさらされ、くびれた感じ は否めないが掃除は行き届いてるようだっ た。 通された2階の和室は畳が少しさくれてい て、部屋の隅にある古い押入れからはかか に臭いような締めっぽい匂いが漂ってくる 気がした。 まあ、海の近くだからな とその時は深く考えなかった。 連休中俺は特に何をするでもなく海岸線を 散歩したり港でぼんやり釣り人を眺めたり して過ごした。 ただ夜に浜辺を歩いていると決まって遠く の岩場に黒い人影のようなものが見えるの が気になる。 釣り人かとも思ったが近づくといつも姿が 見えなくなった。 それが毎晩のように繰り返されるので少し 気味が悪かった。 民宿での夜も完全に安らげるわけでは なかった。 眠りに着こうと布団に入ると隣の秋部屋 からなのか、あるいは廊下なのか。 どこからか ピっちゃ ピッチ という妙な音が聞こえてくるのだ。 まるで誰かが濡れた素足でゆっくりと歩い てるような音。 古い建物だから排水感か何かの音だろうと 思うようにしていたが、それは毎晩聞こえ ていた。 ある日、部屋のお入れがなんとなく気に なってふを開けてみた。 中は布団がスープに入ってるだけで特に 変わったものはない と思ったが、その奥の隅に小さな子供用の ビニールサンダルが片方だけポツンと落ち ているのを見つけた。 薄汚れていて随分と古いもののようだ。 誰かの忘れ物だろうか。 そしてお尻の中は想像以上に湿気がひどく 、壁には黒いカのようなシミがまるで地図 のように広がっている。 あの締めっぽい匂いの元はこれかと思った 。 食事の時、女将さんと世間話をする機会が あった。 この辺りは昔から海の事故が多くてね。 特にゴールデンウィークみたいな連休中は よそから来た人が無理な遊び方をしてよく 海に呼ばれるんですよ。 呼ばれるというのは 俺が聞き返すと女将さんはふっと視線を そらし さあ昔からの言い伝えですよ。あまり夜の 海には近づかない方がいいかもしれません ね とだけ言って話をそらした。 との言い方が妙に引っかかった。 連休も後半になると疲れが出始めたのか。 昼間でも強い眠気に襲われることがあった 。 その日の午後も浜辺でシートを敷いて横に なり、打ち寄せする波の音を聞きながら うとうしていた。 夢うつの中で歩と隣に気配を感じる。 見ると小さな男の子が全身ビし濡れになっ て俺の隣に座り込み無邪気な笑顔でこちら を見ていた ねえ。一緒に遊ぼうよ。 子供が話しかけてくる。 その声はどこか水を含んだようにくぐって いた。 俺が返事をする間もなく子供は立ち上がり 波内へとかけていく。 その姿を目で追ってるうちにふっと意識が はっきりした。 子供などいなかった。 ただ自分のズボの裾が波に濡れたわけでも ないのに足首の辺りまでじっとりと湿っ てることに気づきなんとなくぞっとした。 そしてゴールデンウィーク最終日の前日。 いよいよ明日帰るのだがこの日は天気予報 通り夜から激しい雨と風が吹き荒れた。 窓ガラスを叩きつける雨の音を聞きながら 俺は布団の中で眠ろうとしていた。 ピチ ピチュ ピチ。 いつもの音が聞こえる。だが今夜は違う。 音が遠くない。すぐ近くから聞こえる。 いや、この部屋の中からだ。 悲縛りにあったように体が動かない。 目だけを動かし音のする方を探す。 枕元だ。 そこにそれは立っていた。 浜辺で横になってる時に夢で見たあの 小さな男の子だった。 全身濡れであの仕入れにあったのと同じ ような古いサンダルを履いている。 違うのはその顔だ。 夢で見た無邪気な笑顔はない。 水体のようにふやけ、目は魚のように 見開かれ、うろに俺を見下ろしている。 声も出せない俺に向かって子供はゆっくり と濡れた小さな手を伸ばしてきた。 その手が俺の顔に触れようとした瞬間、 そこからの記憶が曖昧だ。 気づけば嵐の中自分の車を運転し、民宿 から逃げ出していた。 どうやって荷物をまとめ、チェックアウト もせずに飛び出してきたのか全く覚えてい ない。 ただあの子供の顔だけが記憶に生々しく 残っていた。 命から自宅のアパートにたどり着いた。 もう2度とあの町には近づかない。そう 誓った。 俺は連休中の思い出を最悪の悪夢として 封印しようとした。 自宅に帰ってきてやっと気分が落ち着き 久しぶりに自宅の湯舟に使った。 疲れきった体を家に沈めたその時 浴草の底で何か硬いものが足に触れた。 拾い上げてみると、それは小さな白い貝殻 だった。 よく見ると湯舟の底には細かな砂とちぎれ た海層なようなものもいくつか沈んでいる 。 なんで風呂にこんなのか。 怖くなった俺は風呂を上がり、早々に ベッドに入り、眠りに着こうとした。 部屋は静かだ。外は都会の剣争、海の音 など聞こえるはずもない なのにあの音が聞こえた。 ピチ ピチ ピチ。 濡れた足音だ。 俺はもう長く眠ることができなくなって しまった。 連休は終わったけれど、あの民宿にあった 忘れ物はどうやら俺の日常にまでついてき てしまったらしい。 角部屋 が今暮らしているマンションは都から いくらか離れてい 蓄年数が経過している分家賃は安かった。 最場会の角部屋でとりわけ曰付きという話 も耳にしなかった。 だが引っ越して間もない頃からどうも部屋 の空気に淀んだような重みを感じていた。 当初は気のせいだと思っていたが、 最初の異変はごくな、しかし無視できない ものだった。 夜電気を消して寝床に着こうとするとかに という息を吐くようなため息のような音が 聞こえるのだ。 最初はどこかから漏れてくる隙間風かと 思っていた。 だが窓を締め切っていてもその音は確かに 聞こえてくる。 とても女性的な細くかいい息遣いのように 思えた。 その子も奇妙な現象は続いた。 部屋の特定の場所、特に寝室の隅だけが 異常なほどひんやりとしてることがあるん だ。 夏でもそこだけは肌寒くそこに立ち止まる と誰かに見られてるような形がい視線を 感じる。 姿は見えない。 ただそこに何かがあるという確かな気配 だけがあった。 時にごくかにどこか懐かしいようなしかし 全く知らない古い香水の香りが漂うことも あった。 それもすぐに消えせてしまうのだが、 日が経つにつれてその気配は次第に色濃く なっていった。 夜中にふと目が覚めると部屋のどこかから 着ずれのようなあるいは長い髪が床を滑る ようなぞっとするそらそらそらそら という音が聞こえることがあった。 耳を済ましても音源は特定できない。 音は聞こえるのに視界の橋で捉えようと する次の瞬間には書き消えるように消滅し ていた。 やがてそれは資格的な情報も伴うように なった。 夜廊下を歩いてる時、寝室のドアの隙間 からすっと縦中の人形めいた影が滑るよう に通りすぎるのが見えたり、 風呂場の鏡で自分の背後に長い紙の ぼんやりとした輪郭が映り込んだように 感じ、とっさに振り返れもそこには誰もい ない。 いずれも一瞬のことではっきりとその前貌 を捉えることはできない。 でもその度に心臓が激しく脈打ち、何かが 確かにそこに存在することを否定しようも なく意識させられた。 これらの的なそして不確かな情報から私は この部屋にいるのは女性の幽霊であろうと 漠然とした確信を持つようになっていた。 長い黒髪を持ち、少し悲しげでかい雰囲気 の女性。 そう信じ込んでいた。 私の恐怖は酷一刻と頂点へと近づいていた 。 部屋に1人でいることが大がい苦痛となっ て友人の家に止めてもらったり用もないの に外出を繰り返したりするようになった。 しかしどれもいずれはあの部屋に戻ら なければならない時間が来る。 として戻るたび、あの冷たい空気と息を 殺したような気配が私が扉を開けるのを 待ち構えてるのを感じるのだ。 そうして私の恐怖が頂点に達しようとした その時、それはついにその姿を荒わにした 。 ある深夜 私は全身を振わせるほどの恐怖を感じ ながらもいつもの習慣で電気を消し布団に 潜り込んだ。 すると部屋の最も奥寝室の窓際にぼんやり と白い人影が美にせず立ってるのが見えた のだ。 それは半透明で輪郭は相変わらずぼんやり しているがすらりとした聴心で長い神が肩 から胸源へと流れ落ちてるのが見て取れた 。 やはり女性だ。 長らく私を睨み続けた気配のその姿だった 。 あまりの恐怖に声を発することも体を 動かすこともできない。 人影は美田にせずただこちらを凝視して いるようだった。 その立ち姿は悲しみとも虚ぬ慶用しがい ものに見えた。 一体どれほどの時間が過ぎただろうか。 数十秒かあるいは数分か。 一影は完全に静止していて私もまた金縛り にあったかのように動けない。 ただ張り詰めた沈黙の中時間だけが流れて いく。 その時だった。 突如窓の外からパドカーの赤い回転島の光 が不に部屋の中をすーっと横切ったのだ。 まさにその一瞬 赤い光が人影を鋭く照らし出し、今まで ぼやとしていた輪郭が信じられないほど 鮮明に浮かび上がった。 そして私はその一影の顔を見てしまったの だ。 長い黒髪の隙間から覗き込んだそれは私の 想像を裏切るかい女性の顔などではなかっ た。 そこにあったのは明らかに男性の顔だった 。 抜き出しのギルりとした目。おましく歪ん だ口元。女性的な体型なのにその顔は紛れ もない男の顔だったのだ。 赤い光はすぐにかき消え、一影は再び ぼんやりとした白い塊に戻ったが、その顔 が与えた衝撃は凄まじく私の脳りに 焼きついて2度と離れることはなかった。 強制的な体つやめかしい長い黒髪かい気配 その全てをあ笑うかのようにそこにあった 異様な男の顔 そのおましいアンバランスさがそれが 決してこの世に存在してはならない何かで あると強烈に訴えかけてきたのだ。 あの顔を見た瞬間、それまで感じていた 純粋な恐怖とは全く質の異なる根源的な 生理的嫌悪を感と強烈な混乱が私を襲った 。 話縛りが解け、私はまず悲鳴をあげようと したが、喉からは という引きつった情けな息の音しか漏れ なかった。 人影はまるで役目を終えたかのよう、窓の 外へと音もなく消え去った。 すぐに部屋の電気をつけ、反響欄で部屋を 探し回ったが、当然誰も癒しない。 窓にもしっかりと鍵がかかっている。 あの光景はまぶを閉じても離れることは なかった。 結局私はその夜一もできずに朝を迎えた。 そして日が登るのを待って不動産屋に連絡 を入れん逃げ出すようにしてその部屋を出 た。 今もなお全身の毛が早け立つような荒がい がいおましさに襲われる。 ナザーの何かは女性の姿を予想っていたの か。なぜその顔は男だったのか。 何もわからない。 そして今新しい場所で1人静かに過ごし てる時も太した表紙に部屋の片隅に冷たい 空気を肌で感じたり、窓の外に一影を捉え たりするとあの夜間の当たりにしたあの 光景が戦列なフラッシュバックとなって また脳りを焼きつける。 見ています。 私が1人暮らしを始めたばかりの頃の話 です。 学生時代に住んでいたアパートは古く郵便 受けもガついていて、たまに中身が雨で 濡れてしまうような場所でした。 ある日いつものように郵便受けを開けると 他の郵便物に紛れて差し出し人の名前が 書かれていない薄い封筒が入っていたん です。 特に気にせず部屋に戻ったんですが、封筒 はシンプルで何の飾り気もありません。 開けてみると中にはたった1枚の瓶線が 入っていてこう書かれていました。 見ています。 それだけで署名も日付もありません。 私はすぐになんだこれいたずらかと誰かの 悪ふざけだと思い、その手紙をゴミ箱に 捨てました。 しかしその翌習また同じ手紙が届いたん です。 郵便受けに先週と全く同じ無期名の封筒。 中身も同じく見ていますという一言だけが 書かれていました。 私は少し気味が悪くなりました。 誰がこんなものを送ってくるんだろう。 心当たりのある人間は誰もいません。 私はその手紙を捨てましたが、心の中には 漠然とした不安が広がっていきました。 それから毎週決まったようにその手紙が 届くようになりました。 毎週火曜日、 郵便受けに必ず同じ封筒に入った見てい ますという手紙が入っているんです。 私は次第に神経室になっていき、家の周り を不審な人間がうろついていないか、帰宅 中に誰かにつけられていないか、常に周り を警戒するようになりました。 しかし、いくら警戒しても何も異常は 見つかりません。 むしろ異常は外ではなく部屋の中で起こっ ていました。 私は自分が誰かに見られてるという感覚に 苛まれるようになったんです。 それは郵便ポストの間から覗かれてるよう な、 あるいは部屋のどこかから常に視線を 感じるような漠然としたものです。 夜電気を消してベッドに入るとドアポスト の小さな隙間から本当に誰かの目が覗い てるような気がして眠れなくなっていき ました。 日中部屋にいてもふとした瞬間、天井や壁 のわずかなひび割れから、あるいは カーテンの隙間から何かの視線を感じる ようになりました。 私は精神的に追い詰められ家にいる間中常 に全身に取り肌が立つような不快感と 息き苦しさを感じるんです。 警察に相談することも考えましたが証拠が 手紙だけでは動いてくれないだろうと躊躇 しました。 アパートの管理会社には相談しましたが、 郵便物に関しては個人情報のため介入でき ないと断られてしまいました。 私は1人でこの恐怖に立ち向かうしかあり ませんでした。 部屋の鍵は常に正浄し、窓には窓の下の方 にもう1つ鍵を取り付け、夜はカーテンを 締め切るようにしました。 しかしどれだけ対策をしても毎週火曜日に は必ず手紙が届くんです。 ubに小さなシミがついていたりインク が滲んでいたり わずかな変化が毎回ただ同じものを送って きてるわけではないのかと私の不安を さらに書き立てました。 精神的に追い詰められ夜も眠れなくなり常 に誰かに見られてるような息き苦しさを 感じるようになったある火曜日。 いつも通り手紙が届いて耐えきれなくなっ た私はとうとうその部屋を飛び出しました 。 そして部屋には戻らず荷物もそのままにし て友人の家へと転がり込んだんです。 後日 私は不動産屋に事情説明し解約を申し出 ました。 そして引っ越し業者を呼んで久しぶりに私 が部屋を出入りしていると近所のおばさん に声をかけられ 雑談をしていました。 すると気まずそうにこんな話をし始めたん です。 実はこの部屋自己物件だったんだよね。 え、どういうことですか?そんな話聞いて ませんよ。 やっぱり知らなかったんだ。 結構前の話だけど、以前住んでいた女性が 精神的にかなり追い詰められてね。 おばさんが言うにはその女性は長い間に 引きこもっていたそうです。 古いタイプのアパートだからドアポストの 内側にはカバーがなく、 女性はそこから直接外を覗いていたと言い ます。 どうやら誰かに見られてるという妄想に 囚われ、ドアポストの隙間から外を歩く 人々を常に覗き続けていたのだとか。 そして家賃の続いて連絡も取れなくなった ため管理人が警察を呼んで強制的に部屋を 開けたところ。 その女性はドアポストから外を覗こうとし た姿勢のまま生きえていたそうです。 剣士の結果事件性はなかったと判断され ました。 その後何人もこの部屋に住んでいたため私 には告知されなかったのでしょうか? その話を聞いて私は鳥肌が立ちました。 視線や覗かれてるという感覚そして手紙。 あれはその女性の苦しみあるいは未練だっ たんじゃないかと。 私は届いた手紙を全てを炊き上げして もらって新しい部屋に引っ越しました。 新しい部屋は蓄年数も浅く、日当たりも 良く静かな場所でした。 これであの恐怖から解放されると心から 安ドしました。 引っ越して数週間が経ち、ようやく 落ち着きを取り戻したある日のこと。 ポストを開けると1枚の封筒が入ってい ました。 見慣れた差し出し人のないあの封筒です。 中を開けるとそこにはこう書かれていまし た。 見ています。 私はその場で息が止まりそうになりました 。 今も手紙はたまに届きます。 手招き。 それは数年前の冬。私が原因不明の体調 不良で古い総合病院に入院した時のこと だった。 病室は6人部屋で窓際に私のベッドがあっ た。 夜になると他の患者さんたちは皆早そう々 に熱息を立て始める。 病院内はひっそりと静まり返って遠くで ナースコールの音が鳴るくらいだった。 入院して数日経ったある夜、私はなかなか 寝つけずにいた。 電のチューブが腕につがれ、見動きが取り づらい。 ぼんやりと天井を見上げているとその時私 の目は信じられない光景を捉えた。 病室の高い天井から何かがぶら下がってい たのだ。 最初は影かと思った。 しかし目を凝らすとそれは明らかに人影 だった。 細長くぐったりとしたシルエット。 首の辺りが不自然に折れ曲がっていて長い 紙がだラっと垂れ下がっている。 恐怖で全身の血の毛が引いた。 声を出そうとしたが、喉が張り付いて何も 言えない。 ただその天井から吊された何かの姿を目を 向いて見つめることしかできなかった。 その人影はピクリとも動かなかった。 そしてじっと見ているとその長い髪の間 からぼんやりと白い顔が覗いた。 目は閉じられてるようだったが、その表情 はこの世のものとは思えないほど雲に歪ん でいた。 苦痛のさ、絶明したかのような永遠の 悲しみが張り付いてるようだった。 私が恐怖で見動きも取れないでいると、 その人影はゆっくりとその腕を動かし始め た。 最初はただ力なくる下がっていた腕が意思 を持ったかのようだと持ち上がってそして 信じられないことにその指先が私の方へと 向けられたのだ。 そうゆっくりと本当にゆっくりとした動き でその指を曲げ始めた。 それはまさしく手間きだった。 こっちへおいでと私を誘ってるかのよう。 その手招きは1度だけではなく、何度も ゆっくりと繰り返された。 天井から吊された雲の表情を浮かべたそれ が無言で私を招いている。 その異様な光景に私の恐怖は頂点に達した 。 私は必死で声をあげようとした。 喉をかき虫ってキャットの思いでかな姫を あげることができた。 その声に気づいたのか、夜勤で見回りをし ていた看護師が慌てて病室に入ってきた。 しかし私が必死に天井を指びしても看護師 の顔には何も見えないという表情が浮かん でいる。 どうかされましたか と看護師は心配そうな顔で訪ねてきた。 私は震える指で何度も何度も天井を 指びさした。 しかしそこにはただの白い天井と蛍光等が あるだけだった。 吊された先ほどのそれの姿はどこにも 見当たらなかった。 看護師は首をかしげ私の額体に手を当てる 。 熱もないようですね。怖い夢でも見たん ですか? 私は自分が幻覚を見たのかと思った。 体調が悪かったせいだろうか。 しかしあの幽霊っぽいそれの姿と私を 手招きする指の動きはあまりに鮮明に私の 目に焼きついていた。 それから数日、同じような時間にあの幽霊 が天井から現れ私を手招きするようになっ た。 他の患者さんや看護師にはやはり何も見え ていないらしい。 私は次第に衰弱し、精神的にも追い詰め られていた。 そんなある日、担当の意思から私の病室を 移すこと提案される。 理由は環境を変えて気分転換をというもの だったが、私はあの幽霊のことから逃げ られると内心ほっとした。 新しい病室は明るい日差しが差し込む部屋 だった。 見上げてもそこには白い天井があるだけ。 私は次第に体調も回復し、隊員の火を 迎えることができた。 隊員後、私は無償にあの病院のことが気に なって調べてしまった。 インターネットの掲示板や地域の古い歴史 を記したサイトなどを漁さるとその病院の ある話を見つけたのだ。 私がいた病室のちょうど真上の会。そこは かつて重得感情の集中治療室だったという 。 しかし、ある時期から閉鎖され、現在は 物置きとして疲れてるらしい。 そしてその閉鎖された治療室で数十年前に 起こった1つの事故について書かれていた 。 ある患者が夜中に急変し、激しい痙攣を 起こした。 その際ベッドから床に釣り落ちる形で 垂れ込んで息を引き取ったというのだ。 すぐに発見されたが、ずり落ちた体は ベッドに寄りかかって、患者の首は不自然 に折れ曲がり、首だけベッドの縁に 引っかけたような非常に不自然な体勢で 生き耐えていたと記されていた。 そんなことあり得るのか? 集中治療室での自己。 その記事を呼んだ瞬間、私の全身に取り肌 が立った。 私がいた病室の天井からぶら下がって現れ た幽霊。そしてその首が不自然に 折れ曲がっていた姿。 それは上の階でベッドから釣り落ちて 亡くなった患者の最後の姿と一致している ようだった。 あの霊は自分の死に方を私に見せつけてい たのかもしれない。 あの手招きは私に助けを求めていたの だろうか。 それとも自分と同じように死の淵へと いおうとしていたのか。 死偽旅さん。 それは大学の卒業旅行で2人の友人と訪れ た古い温泉旅館での出来事だった。 有名な温泉地から少し離れた山奥にあり、 重向きのある木造建築が森の闇に溶け込む ようひっそりと立っていた。 の口コみでは非教感満載昭和レトラな 雰囲気が最高とあったけれど実際に到着し てみると建物全体から言い用のない重い 空気が漂ってるように感じた。 案内されたのは2階の1番奥にある広々と した和室だった。 長事は基盤で畳をすり切れて光沢を失って いる。 部屋の隅には埃りをかぶった古い金庫が 置かれていた。 窓の外は嘘とした木々が迫り、昼間だと いうのに薄ぐらい。 夕食の後、みんなで賑やかに酒を飲んで 温泉に入った。 深夜になり、ほとんどの客が寝し詰まった 頃、私と友人2人はさらに飲み直そうと 部屋に戻った。 旅館全体が死因と静まり、遠くで虫の声が 聞こえるばかりだった。 そんな中、友人のジュが なんかこの旅館妙な空気だよな。 と切り出した。 もう1人の友人たしも お前もそう思うかなんかずっと誰かに見 られてるような気がしてさ と言った。 私もこの旅館の古さから来るものなのか、 それとも別の何かなのか漠然とした不安を 抱いていた。 その時だったの。 トントン 。 私たちの部屋の扉のすぐ向こう。廊下から カスかな音が聞こえてきた。 それは何かを優しく叩くような音。しかし 人がノックする音とは違う。 を叩くような、しかしもっと柔らかく 閉めったような音だった。 今の何の音だ? ジュが声を潜める。 誰か歩いてるのか? たしが言った。 耳を済ますが他には何も聞こえない。 旅館の廊下は本来なら歩けばきしむような 古い床なのに足音は一切しない。 ただと いう音だけが不気味に繰り返される。 まるで扉のすぐ外で誰かが立ち止まって 私たちに何かを伝えようとしてるかのよう 。 恐怖で全員が固まった。 扉1枚隔立隔立てた向こうに何かがいる。 その音はまるで深い時間の脈動のようにも 聞こえた。 とんと 音は続く。 そしてその音に混じってごくかな埋めき声 のようなものが聞こえてきた。 それは人の声ではない。動物のようでも ない。しかし何か苦しんでるような、 あるいは深い悲しみに沈んでるような低い かれた声だった。 私はその埋めき声からざっとするような 寒気を感じた。 ドン [音楽] 。 音は確実に廊下の方から聞こえてくる。 ジュが胃を消したように立ち上がった。 ちょっと廊下見てくるわ。やめろよ。 私は慌てて引き止めた。しかし順はもう 好奇心と恐怖心がごっちゃになったような 顔で部屋にあった懐中電灯を手に取って そうと扉を開けた。 どうかは薄暗らかった。 以上との頼りない光だけが長く続く廊下を ぼんやりと照らしている。 私たちの部屋の迎えには同じように部屋が 並んでいる。 廊下には誰もいない。 誰もいないぞ。 ジュが振り返っていった。 本当か。 安心した私とがそう扉から顔を出した。 その時 廊下の奥月突き当たりの闇の中に何かが 動いた気がした。 目をこらしてみるがそこは廊下の 行き止まりで何もいないはず。 しかし次の瞬間、 廊下の突き当たりから ほんの少しだけゆっくりと現れたのだ。 それは人間の顔だった。 青白いまるでロソのような肌の色。 目は大きく見開かれ、その奥は真っ黒で何 も映していない。 花は高く痩せ、口元はわずかに歪んで薄く 笑ってるようにも見える。 その顔は廊下の突き当たりからにみ出てき たかのよう。ゆっくりとしかし確実に 私たちの方を覗いていた。 まるで生きていない作り物のようにも見え た。 しかし私たちを捉えそこ知れない悪意を 持ってるように感じた。 私は息を飲んで声も出なかった。 ジュと高志もその異様な光景に気づいて 顔面蒼白で体を固まらせている。 その顔はただじっと私たちを見つめていた 。 そしてその顔のすぐ下辺りからあのと いう叩く音がよりはっきりと聞こえてきた 。 壁か何かを優しく叩いてるかのようだ。 次の瞬間、その顔の口元がゆっくりと しかし不自然に大きく開いた。 声は聞こえない。 しかしその間口の中は完全な闇だった。 底なしの空洞がそこにあるかのようだった 。 私は恐怖で全身が震え悲鳴を上げそうに なった。 その時ジュが勇気を振り絞って懐中電灯の 光を廊下の奥に向ける。 しかし光が当たった瞬間そこに顔はなかっ た。 ただ暗い廊下の突き当たりがあるだけだっ た。 私たちは急いで扉を閉め、鍵をかけた。 背中には冷たい汗が滲んでいた。 あの顔は一体何だったのだろうか。 なぜあんなにも不気味で恐ろしかったん だろうか。 そしてあのと いう音は何だったのだろう。 朝になって旅館を出る時、私は何度も廊下 の突き当たりを見た。 しかしそこにはただの壁があるだけだった 。 あの旅館での体験は今も私の心に深く刻ま れている。 夜中にふと目を覚ますとあの青白い顔が 暗闇の中から私を覗き込んでるような気が してならないのだ。 そして遠くからあの優しいようなしかし 不気味なと いう音が聞こえてくるんじゃないかと常に 怯えている。 あの旅館の廊下の先には今もあの顔が潜ん でいるんだろうか。 ダンスの甘い匂い。 私たち夫婦は長年の夢だった田舎の小民家 を手に入れ都会から引っ越してきました。 地100年は経つというその家は多少の 痛みはあれど太い針や柱が残っていて すればまだまだ進める重向きのある家でし た。 リノベーションは最低限にとめ古い家の良 さを残しながら暮らそうと決めました。 火材道具はほとんど処分してきましたが、 唯一前の住人が置いていったのか、 あるいはもっと昔からこの家にあったのか 。 2階の奥の部屋に立派な古い霧のタンスが 1つだけポツンと残されていました。 重厚な作りで金具も凝っています。 相当古いものでしょう。 捨てるには忍びなくそのまま使うことにし ました。 ただいくつもある引き出しのうち下から2 段目だけが鍵がかかっているのか立て付け が悪いのかどうしても飽きませんでした。 引っ越してきて落ち着いた生活が始まった 頃、 夜寝しまると家の中で奇妙な物事音がする ことに気づきました。 カタカタこと 最初はやりだろうと思っていました。 古い家だから仕方ないと。 しかし、音は前晩のように続き、どうやら あの古いタンスが置かれている2階の奥の 部屋から聞こえてくることに気づきました 。 その部屋は炭水以外には何も置いていない 。いわばきのような状態でしたが、なぜか その部屋だけ妙に誇りが溜まりやすく。と して部屋の隅、特にタンスの周りだけ ひんやりとした淀んだ空気が漂ってるよう な気がしました。 ある朝妻のみさがねえ、ちょっと見てと私 を呼びました。 2階のタのある部屋へ行くと、あの、どう しても開かなかったはずの下から2段目の 引き出しがほんの数値だけわずかに開いて いたんです。 え、開けられたの?うん。触ってもいない の。昨日の夜までは閉まってたはずなのに 。 君が悪いな。 私は相当その隙間から中を覗きました。 中は暗くてよく見えません。 でもふわりと甘くて少し蒸せるような匂い が漂ってきました。 その日から引き出しは閉めても翌朝には また少しだけ開いているということを 繰り返すようになった。 そして私たちの間に言いよのない不安感が 募り始めた頃、今度はみ先の様子に少し ずつ変化が現れ始めました。 彼女は夜中にふと目を覚すと寝室を 抜け出し、あのタスのある部屋へ行くよう になったんです。 私が気づいて後を歌う。みさはタスの前に 佇んでうっりとした表情で開かないはずの 引き出しを優しく撫でているんです。 みさ、どうしたの?こんな時間に。 私が声をかけるとみさはとに帰って なんでもない。ちょっと目が覚めちゃって と少し戸惑った様子で寝室へ戻ります。 そして気のせいかもしれませんがみの神が 以前よりもつやかになって異常に早く伸び てるような気がしました。 夜中にタスから聞こえる音も変化してい ました。 カタカタ という音だけではなく トントン とまるで内側から誰かが引き出しを叩い てるような音や女性のすすり泣くような声 がタスの中から漏れ聞こえてくるように なったんです。 これはたこじゃないな。 私は消してあの開かない引き出しを力づく で完全に開けてみることにしました。 みさはやめておいた方が と不安そうでしたが、私はもう確かめずに はいられませんでした。 引き出しは力を込めると思ったより簡単に ぎギ と音を当てて開きました。 中には1枚の白い着物がそれはそれは丁寧 に畳まれ納められていました。 キのおそらくは衣装のような豪華な刺繍が 施された。しかし、明らかに年代物の着物 です。 そしてその着物の下を見て私は息を飲み ました。 まるで誰かが空いて大切に集めたかのよう な強えやかな黒髪の束がそうれていたん です。 長い美しい黒髪。 それがあの甘い匂いの元でした。 着物と黒髪 明らかに普通ではありません。 誰のものなのか、なぜこんなところに しまわれているのか検討もつきませんでし た。 だけれど触れてはいけないような深い 悲しみのようなものがこのタンスに宿っ てる気がしました。 私はみさと話しました。 理由は分からないけれど、このタスには 何か特別なものがある気がする。存在には 扱えないと。 私たちは詳しいことは分からないまでも このタンスに宿るかもしれない誰かの念を 慰めようと決めました。 ダンスの前に小さな花を飾って線を立て ました。 そして引き出しの中にあった着物と紙の束 を異を込めて霧の箱を用意し、丁寧に収め 、タンスの1番上のすぐに開けられる 引き出しへと移しました。 そして2人で静かに手を合わせ、安らかに お眠りください。 と心の中でなぜかそう思いながらそっと 語りかけました。 その夜からタンスから物音やすりなく声が 聞こえてくることはなくなって引き出しが 勝手に開くこともありませんでした。 み先の奇妙な行動も収まり神の伸び方も 普通に戻りました。 家の中の淀んだ空気もいつの間にか消えて いました。 それからしばらく経ったある週末、 庭の手入れをしていると隣の家に長年住ん でいらっしゃるおばあさんが せが出ますね と声をかけてくれました。 世間話の流れで私は思い切ってあのタンス のこと、そしてこの家に何か古い言い伝え などはないか尋ねてみたんです。 するとおばあさんは少し顔を曇まらせ遠い 目をしてポツりポツりと語り始めました。 ああ、あのタンスかね。立派なもんだろ。 あれは確か昔この家にとついで来られた 若いお嫁さんの大事な嫁入り道具じゃった なあ。わしも子供の頃じゃったがよう覚え とる。 そうなんですか。 ああ。 でも何でもお姑トさんとの折り合いが悪て なあ。随分といびられてあの奥の部屋に 寝起きさせられとったそうじゃ。 そして気の毒に若くして亡くなられてなあ 。 病だったか。それとも まあ色々噂はあったが、それはそれは綺麗 な黒髪が自慢のお嫁さんじゃったね。 私たちは初めてタスの背景を知り、池を 飲みました。 私たちがしたことが偶然とはいえ、少しで もその方の慰めになったのかもしれない。 そう思いました。 おばあさんの話を聞いて、あのタンスに 宿っていたかもしれない魂の存在をより 強く感じるようになりました。 安らかに眠っているのか、それともただ 静かに私たちと共にこの家で暮らし続けて いるだけなのか、それは分かりません。 でも時折り風もないのに家の中にふわりと あの甘く優しい香りが漂うことがあります 。 そんな時私たちは顔を見合わせただ静かに タスのある部屋の方へそう心の中で 語りかけるんです。 穏やかにお過ごしください と。 ピエロ。 今日聞いてトラウマになった話。 アメリカジョージア州での出来事。 この話をしてくれた友達は実だと言い張っ た。 大学生の女の子がベビーシッターの アルバイトである家に行きました。 そこの家のお母さんは 12時頃には戻れると思うから子供たちを 寝かせておいて何かあったらここに電話し てちょうだい と電話番号を残して出かけていきました。 さて、子供たちを寝室に連れて行き、 寝かしつけた後、彼女はリビングで雑誌 などをめくって暇つぶしをしていました。 すると子供が喉乾いたと呼ぶので彼女は水 を持って寝室に向かいました。 その時、寝室の横にあるピエロの着物に目 が止まりました。 こんなのさっきあったかな? 不審に思いつつも子供が遊んで置きっ ぱなしにでもしたんだろうと思いそのまま 寝室に入りました。 水をやると彼女は下に戻りました。 それからしばらくしてまた子供が呼んで くる。 彼女は寝室に向かいました。 今度はおしっこしたいというので彼女は 子供をトイレに連れて行きました。 その時、またそのピエロの人形の前を通っ たんですが、どうも嫌な感じがします。 なんて君の悪い人形だろう。 彼女はその人形が気になって仕方ありませ ん。 他人の家で夜も遅く、彼女はだんだんその 気味悪さに耐えられなくなってきました。 人の家の趣味だから仕方ないとは思いまし たが、彼女は母親に電話をして、ピエロの 人形をどこかクローゼットにでもしまって おいていいかと聞くことにしました。 すると母親は言いました。 家にピエロの人形なんてないわよ。 彼女はざっとして子供たちを起こすと後ろ も見ずに家を飛び出しました。 後に分かったことはそこの近所では連続 殺人が発生していて、捕まった犯人は 病の男性で、ピエロの格好しては人の家に 忍び込んで子供の寝たところを襲っていた というのです。 まあ、絶対作り話だろうとは思ったけど、 自分ピエロが怖いからかなりビビった。 ランドセル 終電マギは僕は普段使わない駅のホームに いた。 人もまばで正面も薄ぐらい ガンとした空間に湿気を含んだ夜風が 吹き抜け レールの隙間からヒと不気味な音が 聞こえる。 この時間帯のさびれたホームは独特の思い 空気に包まれている。 ふとホームの橋。暗闇に近いベンチに誰か が座ってることに気がついた。 一瞬駅員かと思ったけれどその人物は ピクリとも動かない。 自然を外そうとしたが、なぜか目が離せ なかった。 しばらくするとその人物がゆっくりと 立ち上がった。 そしてベンチに何かを置き去りにし、その ままホームの先の暗闇みへと歩いていく。 その姿は吸い込まれるよう闇に消えていっ た。 置き去りにされたものが気になった。 次の電車までまだ時間がある。 僕はそのベンチまで歩いていった。 ベンチに近づくとそこに忘れ物がはっきり と見えた。 それは古びだ。しかし丁寧に扱われていた 様子のランドセルだった。 紺色で使い込まれた川の匂いがする。 子供がしっていたものだろう。 こんな時間に。なぜこんな場所に? 僕はランドセルを手に取った。 ずっしりと思い、 その時ランドセルの蓋がパカりとゆっくり と開いた。 中に何か入っている。 教科書や筆記具がぎっしり詰まっていたが 、その隙間に小さな綺麗に折りたまれた紙 が挟まってるのが見えた。 僕はその髪を取り出し、ゆっくりと開いて みた。 そこに子供が描いたな文字でこう記されて いた。 お母さん 約束守れなかった。ごめんなさい。 その目も読みた瞬間、背筋に冷たいものが 走った。 僕はランドセルをそっとベンチに戻した。 あの忘れ物は誰が何のために残していった んだろう。 そしてあの子供は今どこにいるんだろうか 。 あの約束とは何だったのだろうか。 読み食堂。 私の名前はさおり都心の広告代理店で働く まあどこにでもいる普通の会社員だ。 仕事は激務で平日は終電帰りもざら自炊 なんてする余裕もなく毎日の食事は もっぱらコンビニか最近ヘビーユーズして いるフードデリバリーアプリに頼っていた 。 その日も深夜までかかった仕事を終え 疲れ果て自宅マンションに戻った。 冷蔵庫は空っぽ。 何か温かいものが食べたいとスマホでいつ ものデリバリーアプリを開いた。 スクロールしながら店を探していると 見慣れない名前があなたへのおすめに表示 されてることに気づいた。 読食堂。 奇妙な名前だ。 ジャンルは家庭料理とあり、メニューは 日替わり定食。ただ1つ。 値段は妙に安い。 しかし店の写真もなければレビューや評価 も一見もついていない。 いかにも怪しい。 普通なら絶対に頼まないだろう。でもその 時の私は疲労と空腹で判断力が鈍っていた のかもしれない。 まあ、試しに頼んでみるか。 そんな軽い気持ちで注文ボタンをタップし てしまった。 注文後、配達状況を確認しようとアプリの マップを開くとさらに奇妙なことに気づい た。 配達員を示すバイクのアイコンがありえ ない場所を移動していたのだ。 地図上では近くを流れる大きな川の上を 走っていたり、建物が密集してるはずの エリアを一直線に突き抜けたりしている。 大根の動きもかクと不規則で時折り点滅 するように消えたり現れたりする。 バグかな? 君が悪いとは思ったが疲れていたのでそれ 以上考えることはなかった。 しばらくしてアプリから配達が完了しまし たという通知が来た。 インターホンは鳴っていない。玄関にお 気配した覚えもない。 怪しみながら玄関ドアを開けてみると そこには古びた木星のお持ちがポツンと 置かれていた。 今の時代に岡持ち、しかも明らかに新品で はない使い込まれた年代もの。 配達員の姿はどこにもなかった。 恐ろ恐るお持ちの蓋を開けると中にはまだ 温かい湯気を立てている日定食が入ってい た。 白飯、味噌汁、焼き魚、煮物、漬け物。 見た目は地味だが、とても丁寧に作られ てる感じでふわりと優しい出汁の香りがし た。 部屋に持ち帰って食べてみると驚くほど 美味しかった。 派手さはないけれど、一口食べるごとに じんわりと体に染み渡るような懐かしい 家庭の味。 まるで昔田舎の祖母が作ってくれた料理の ようだった。 あっという間に耐えらげてしまった。 ただ食事が終わると急に猛烈な眠気に襲わ れソファーに倒れ込むようにして眠って しまった。 そうしてその夜は奇妙な夢を見た。 古い日本の薄暗らい食卓。 知らない家族が黙々と食事をしている。 顔はよく見えない。 私もその一員であるかのよう食卓について いる。 翌日、 あの読み食堂をアプリで探してみたがどこ にも見当たらなかった。 やはり昨夜のは何かの間違いだったのか。 しかしその数日後の深夜 またしても残業で疲れ果て帰宅すると玄関 の前にあの古びたおか持ちが置かれていた のだ。 注文した覚えはない。 中には前回とは違うメニューのしかし同じ ように温かくて美味しそうな日り定食が 入っていた。 そしてお持ちは翌朝にはいつも後方もなく 消えている。 そんなことが週に1度あるいは2度 繰り返されるようになった。 注文していないのに届く美味しいけれど 数情の知れない定食。 炙りの履歴にはもちろん残らない。 君が悪いと思いながらもその家庭的な味と 疲れた体に染みるような温かさに私はいつ しか頼ってしまっていた。 アルバンたまたま配達の時間帯に玄関の ドアスコープから外を覗いてみた。 深夜の静かな廊下にすっと人影が現れ、 おもなくお持ちを置き、すぐに立ち去って いく。 逆行と暗さで顔は全く見えなかったが、 その一影はどこか半透明で足戸にも おぼつかない。 として着ているものが現代の配達員の制服 ではなくもっと古い時代の着物のように 見えたのだ。 全身に取り肌が立った。 あれは生きている人間の動きではなかった 。 やはりこれは普通じゃない。 急に怖くなり、私は胃を消してフード デリバリーアプリのカスタマーサポートに 連絡をしてみた。 これまでの奇妙な出来事を説明し、読堂に ついて尋ねた。 しかしオペレーターの回答は予想通りと いうか、さらに不可快なものだった。 お客様大変申し訳ございませんが、弊社に は読食堂という名前のレストランは過去に も現在にも登録されておりません。 またお客様の注文履歴にも該当するような 記録は一切ございませんでした。 へえ、でも現に料理が届いてるんです。 配達員のアイコンだって動いていたし。 私が食い下がってもオペレーターは システムエラーの可能性もございますが、 こちらでは確認できねます。もし続くよう でしたら一度アプリのサンインストールを お試しいただけますでしょうか? とマニュアル通りの回答を繰り返すばかり だった。 結局何も解決しないまま電話を切るしか なかった。 私は途方にくれた。 あの料理はあの配達員は一体何だったの だろうか。 アプリにも記録がない。存在しないはずの 食堂。 もしかしたら本当に疲労が見せた幻覚だっ たのかもしれない。 そう思うことにしよう と無理やり自分を納得させた。 しかしその夜またしても玄関の前にあの 古びたおか持ちが置かれていた。 もう驚きよりも諦めに近い感情が湧いて くる。 今日はどんな定食だろうかと半ば投げやり になって蓋を開けた私は息を飲んだ。 中に入っていたのは料理ではなかった。 1枚の古びた写真。 そしてその写真の下に錆びた小さな鍵が1 つ転がっていた。 を手に取ってみる。それは古い日本科の前 で撮られた家族の集合写真のようだった。 明治家時代のものだろうか。 も月赤間の幻格そうな父親、優しい笑を 浮かべた母親、そして数人の子供たち。 皆を見て微笑えんでいる。 その中で母親の隣に立つ、まだ10代後半 くらいの娘の顔を見て私は心臓が止まるか と思った。 髪型や服装は違うが、その顔たちは驚く ほど若き日の私自身にそっくりだったのだ 。 そして家族の後ろ少し離れたところにあの 配達員の影で見たような古風な着物を着た 使用人、男性の姿もぼんやりと映り込んで いる。 写真の裏にはたどたどしい筆跡でこう書か れていた。 まるま 旧水の家にでお待ちしています。 まるまは私が今住んでいるマンションが ある地域だが、旧水の家という家には全く 心当たりがない。 これは招待なのだろうか。 恐怖を感じつつも私は写真の中の自分に よく似た娘のそしてどこか懐かしさを 感じる家族の姿から目が離せなかった。 翌日 仕事が休みだった私は写真の裏に書かれて いた住所を尋ねてみることにした。 地図アプリと近所の人への聞き込みを頼り にマンションから歩いて20分ほどの古い 家が立ち並ぶ一角へとたどり着く。 そこにはまるで時間に取り残されたかの ように大きな古い日本科具が静かに佇んで いた。 表殺は出ていないが写真に映っていたあの 家がある。 おそらくここが旧水の毛なのだろう。 門は硬く閉されている。 岡町に入っていた錆びた鍵を取り出し門の 鍵穴に差し込んでみる。 カちり と音がして驚くほど簡単に鍵が開いた。 きしむ門を仕掛け、小さな庭を取り抜け、 玄関の引き度に手をかける。 こちらは鍵はかかっていなかった。 家の中はひっそりと静に帰り、誇りっぽい 匂いがした。 外観よりもさらに古く時間が止まってる ような感覚。 廊下を進んでいき、いくつかの部屋を通り すぎると1番奥の座敷らしき部屋から ふわりと温かい光とそしてあの懐かしい 家庭料理の匂いが漂ってきた。 誘われるようにその部屋のふをそっと 開ける。 そこには信じられない光景が広がっていた 。 部屋の中央には大きな食卓が置かれ、湯気 を建てる美味しそうな料理がつらっと並ん でいたのだ。 そしてその食卓を囲むようあの写真に映っ ていた家族が座っている。 父親、母親、子供たち、 そして隅にはあの配達員らしき男性も座っ ている。 皆と同じ服装でこちらを見て穏やかに 微笑んでいた。 ただその顔はどこかろのように揺らめいて いてはっきりとは覚えていない。 食卓には1つだけ開いた席があった。 そしてその席には、ま、新しいご飯と 味噌汁が用意されている。 写真の中で私にそっくりだった母親の隣に 座る子が立ち上がって、私に向かって 優しく手招きをした。 さあ、お帰りなさい。さおりさん。ずっと お待ちしていましたよ。あなたの席は こちらです。 その声は温かく懐かしく私の心のクソに 直接響いてきた。 ここは一体どこなのか?彼らは誰なのか? なぜ私を待っていたのか? 疑問はつきない けれど不思議と恐怖は感じなかった。 むしろ長い旅地の果て、ようやく本当の家 に帰りついたような深いアンド感に包まれ ていた。 私はまるで導かれるようゆっくりと 歩き出し、用意されていた自分の席へと 向かった。 食卓に並ぶ料理の温かく優しい匂い。 家族たちの穏やかで愛情に満ちたマし。 はあ。私はきっとずっとこの場所を探して いたのかもしれない。 用意された席に静かに腰を下ろした。 もう元の世界に戻ることなどどうでも良く なっていた。 傘 高校2年生の夏休みの時の話。 俺は友人のAとBと買い物に行っていたん だ。 突然雨が降ってきた。 傘を持っていない俺たちは大慌て。 すぐさま近くにあった屋根付きのバス停に 避難した。 雨の予報なんてなかったよな。 なんて友達と言い合いながらBがスマホで ああ、これゲリラゴーってやつだ とかTwitter見て確認していた。 仕方がないので雨が止むまで待とうという ことになった。 雨は周りが白く見えるんじゃないかって ほど激しく降っていた。 時々雷が鳴って、雷が苦手な俺はビビって AとBに笑われていた。 何分くらい経ったのか、 俺たちは無言んで雨が止むのを待っていた んだ。 するとBが あれ人がこっちに来るぞ。 と言った。 Bが指差した方を見ると確かに前方から女 の人がこちらに歩いてきている。 甘宿りかな?そうか。雨宿りならもっと 走ってくんだろ。てか傘さしてんじゃん。 バスに乗る人だろ。普通に考えて。 そんな会話をしていたら、その女の人は俺 たちの近くまで来た。 その女性は挑発で黒いワンピースを着てい た。 そして黒いレース模様の傘をさしていた。 片方には黒い傘を3本携されている。 女性は俺たちの前に立ち止まって3本の傘 を俺らに差し出した。 えっとすみません。俺らに傘を貸して くれるんですか? Aがそう聞くと女の人が静かに頷いた。 どうする?貸してもらう? いやいや、知らない人に傘もらうのかよ。 それもそうだな。よし、分かった。 俺らは傘を断った。 すみません。お気持ち嬉しいんですが遠慮 させていただきます。 すると女性は差し出した傘を引っ込めて そのままどこかへ歩いていった。 女性の姿が見えなくなると、 今の女の人の顔見たかとBが聞いてきた。 顔がめちゃくちゃ白くなかったか と言うから俺らは笑った。 俺が気のせいだろ。傘も服も黒かったから 顔が白く見えたんだろう と笑ってやったらBとAの顔が曇っていく 。 ちょっと待てよ。あの女赤かったじゃない か。 は、俺は白かったぞ。 ひよ、ちょっと待てよ。怖いって。なんで 全員あの女の色が違うんだよ。 俺たちは3人で雨が止むまで女性が消えて いった方向を見るだけだった。 特にその後何か起きたとかはなかった。 ただBはと言うとその後風を1週間くらい 患って夏休みのほとんどを潰した。 長い 今年の梅雨は異常に長く横浜の町は連日 灰色の空に沈んでいた。 降り続く雨はアスファルトに黒いシを作っ て車のヘッドライトは水面にぼんやりと 反射する。 私は会社帰りのバスを降りてアパートまで 歩くいつもの道で異変に気づいた。 普段なら人通りの少ない時間帯だが、その 雨の日の夜は特に静まり帰っていた。 街当の光も甘粒に乱され、視界は曖昧だっ た。 私は傘を深くさして俯き加減で歩いていた と。その時前方 何か黒いものが立ってるのが見えた。 最初はただの電柱だと思った。 だが近づくに連れてそれが人だと分かった 。 しかも異常なほど背が高かった。 その人物は傘も刺さずに雨の中に佇んでい た。 私は思わず身構まえた。 こんな悪天校の中、道の真ん中につったっ てるのは不自然だ。 さらに近づくとその人物が女性だと分かっ た。 だがその姿は明らかに異様だった。 すらりとした心というよりは全身の バランスが崩れていた。 特に腕と足が竹が伸びたかのように不自然 なほど長く細い。 街道の光が届かない場所でその長い手足は 影のようにぼんやりと浮かび上がっていた 。 私は呼吸を止めた。 その手足が長い女性はこちらに背を向けて 立っていた。 黒いコートを着てるせいかさらに細長く 見える。 雨がそのコートに打ちけられ、さあ と音を立てる。 私は彼女の異常な姿から目を離せなかった 。 1歩、また1歩と近づく。 傘の骨の一部が折れていたからか、歩く たびにカチャカチャとなってしまう。 その音がその女性の耳に届いたのか、彼女 はゆっくりと振り返った。 その顔を見た瞬間、私はゼックした。 顔には目も鼻も口も何もなかった。 ただのっぺりとした皮膚が雨に濡れて テカテカと光ってるだけ。 その顔のちょうど目の位置に当たる部分に 小さな穴が2つポツンと開いてるのが見え た。 その2つの穴が私をじっと見つめている ことを確信した。 その瞬間私の体は悲縛りにあったように 動かなくなった。 恐怖で全身の毛が逆立つ。 手にした傘がガタガタと震える。 彼女はその顔のない顔で私を見つめたまま 、ゆっくりとその長い腕を私の方へと 伸ばし始めたのだ。 肘から先がゴムのように伸びていく。 指先が雨の中を咲くように私の傘の先端へ と狙いを定めてるかのよう近づいてきた。 私は悲鳴をあげた。 するとその細く長い指先が私の傘の先端に 触れた。 その瞬間私は持っていた傘を放り投げ一目 さんに走り出した。 後ろも振り返らず、ただひたすらに アパートまで走り続けた。 アパートの階段を駆け上がって鍵を 差し込む手は震えていた。 乱暴にドアを開け、中に飛び込むとすぐに 鍵を閉め、チェーンをかける。 心臓が喉から飛び出しそうなほど激しく 脈打ちい 気遣いだけが部屋に響く。 窓の外は相変わらず土砂りの雨であの彼女 がまだそこにいるんじゃないかという脅迫 観念に迫られカーテンを染み切った。 シャーワを浴びて体を温め、何度か 落ち着こうとしたが、あの顔のない女性の 姿とゴムのように伸びる腕が脳りから離れ ない。 もしかしたらあれは疲労のせいで見た幻覚 だったのかもしれない。 を自分に生かせようとするが、傘の センターに触れたあの感触だけは妙に 生々しく記憶に残っていた。 翌朝 恐怖と寝不足で重い体を無理やり起こし 会社へと向かう。 普段通りの景色が広がってるはずなのに目 に移る全てがどこか違って見えた。 すれ違う人々。特に超心の女性を見る度 心臓が跳ね上がる。 昨晩の出来事が現実だったのか、それとも 悪夢だったのか。判断がつかずに混乱した 。 会社帰りのバスを降りて昨日と同じ道を 歩く。 その日も雨が降っていた。 傘を忘れたことに気づいたのは角を曲がっ た時だった。 昨晩恐怖のあまり投げ捨てた傘。 まさかまだそこにあったりする。 足が勝手にあの場所へと向かっていた。 恐る恐る足を踏み入れるとそこには何も なかった。 アンドとわずかな失望が入り混じった感覚 に襲われる。 その時ふと足元の水溜まりに奇妙なものが 浮かんでるのが見えた。 拾い上げてみるとそれは私の傘の先端だっ た。 傘の先端にあるあの金属性の部品。 なぜこれだけがこんなところに? しかもよく見るとその部品の表面は熱で 溶かしたかのように溶けていた。 私はその先端を握りしめたままその場で 立ち尽くした。 昨晩の出来事が決して幻覚ではなかった こと。その小さな金属品が物語っていた。 それ以来、私は雨の日の夜道が恐ろしく なった。 特に人通りの少ない道には近づかないよう にしている。 あの女性が何だったのかとかはいくら考え てもわかんなかった。 私はあの夜の出来事を誰にも話せずにいる 。 話したところできっと誰も信じてくれない だろう。 でも私は知っている。 あの夜横浜の廃の空の下。 私は確かに顔のない長い腕の女性と出会っ たのだ。 として彼女の存在は私の日常にむい去る ことのできない不安の影を落とし続けて いる。 爪跡。 これは俺が社会人に成り立ての頃に住んで いたアパートの話だ。 地方から東京に出てきてとにかく金が なかった。 金霊金0家賃相場の半額近いという破格の 物件を見つけ飛びつくように契約した。 もちろんいわゆる自己物件だということは 不動産屋から聞いていた。 前の入居者の方がちょっとまあ亡くなられ てましてね。でも清掃も入ってますし本当 にお得ですよ。 不動産屋の男は少し目を泳がせながら早口 で説明した。 詳しいなどは教えてくれなかったが、安さ に目がくらんでいた俺は深く追求しなかっ た。 部屋は都心から少し離れた古い木造 アパートの2階の角部屋。 広さは6畳一間 畳は新しくなっていたし、壁紙も一部り られていて思ったより綺麗だった。 ただ部屋の隅、押入れの隣の壁だけ妙に また新たしい壁紙が1部分だけ疲れてるの が少し気になった。 でもその時は前の壁紙がいたんだから 張り替えたんだろうくらいに考えていた。 住み始めて1週間ほど経った頃、 夜布団に入って眠ろうとするとどこから かかな音が聞こえるようになった。 すり、すり、すり。 まるで細い爪で何かを引っかいてるような 音。 音の出所はあの壁紙が新しくなっている 一角のようだ。 ネズミかなんかだろうか。 古いアパートだしなと思い、最初は気にし ないようにしていた。 だが音は前晩のように続き、少しずつ 大きくなってる気がした。 そしてアルバン、ついに我慢できなくなっ た俺は音のする壁に耳を当ててみた。 カリカリカリ カリカリ。 壁の内側から確かに何かが引っかく音が するん。 それもかなり必死な感じで。 そのうちその壁紙が少し浮いて橋から 剥がれかかってるのに気づいた。 古い建物だから湿気で接着が弱くなったの かもしれない。 気になってついでペリッと少しめくってみ た。 壁紙の下には古い木の柱が現れた。 そして俺は息を飲んだ。 その柱には無数の細かい傷がびっしりと 刻まれていたんだ。 まるで誰かが長い間必死に爪でかき虫った かのような生々しい痕跡だった。 その夜から悪夢を見るようになった。 夢の中で俺は暗い部屋の隅にいて、目の前 にある柱をひたすら爪でかきむっている。 どうしてそんなことをしてるのか分から ない。 ただものすごい小ソ官と絶望感に駆られて 爪が剥がれて血が出てもやめられないんだ 。 夢から覚めるといつも自分の指先が ズキズキといたんだ。 そして気づいてしまった。 朝と自分の爪の間に壁の菊のようなものが 挟まってることがある。 寝ている間に無意識に壁をかいている。 まさかと思ったが、ある朝自分の部屋の壁 、あの柱がある辺たりにうすらと新しい跡 がついてるのを見つけてしまった。 恐怖が確信に変わったのは隣の部屋に住む 老婆と話した時。 好きな感じのばあさんで俺が引っ越してき た時、何か言いたそうにこちらを見ていた 。 ある日ゴミ出しの時に捕まってしまった。 あんた、あの部屋大丈夫かい? ばあさんは声を潜めていった。 前の人ね、若い女の人だったんだけど、 ここで亡くなったんだよ。随分立ってから 見つかってねえ。 俺はごくりと唾を飲んだ。 そりゃひどかったらしいよ。部屋の柱がね 、爪でガリガリに削られてて、よっぽど 苦しかったんだろうね。 血の毛が引いた。 あの柱の傷はやはり前の住人のものだった んだ。 そしてあの夜中の音も悪夢も自分の無意識 の行動も全て繋がった。 前の住人の絶望と苦しみがあの柱にあの 部屋に今も染みついている。 そしてそれが俺に伝線してきてるんじゃ ないか。 それ以来俺は眠るのが怖くなった。 電気をつけたまま、壁から1番遠い場所に 布団を敷いて寝るようにした。 それでも夜中になるとカリカリという音は 聞こえてくる。 そして朝指先が痛むこともある。 引っ越したい。すぐにでもこの部屋から出 たい。でも金がない。 次の指金霊金どころか引っ越しすらすぐに は用意できない。 まるでこの部屋に縛りだ。 最近ふと洗面所の鏡で自分の顔を見た時 気づいたことがある。 俺の爪がなんだか異様に伸びてる気がする んだ。 手レをしていないせいかもしれないが、 それだけじゃない。 爪の色も少し濁っていて、まるで自分の ものではないような妙な生々しさがある。 今夜も壁の向こうから音が聞こえる。 カリカリっカり。 それは前の住人の無念の音なのか?それと もう俺自身の爪が立ててる音なのだろうか 。 あの柱の傷は今も少しずつ増え続けてるの かもしれない。 同窓会 先実久しぶりに高校の同窓会が開かれた。 SNSでたにも関わらず予想以上に多くの 顔が集まり、会場となった居酒屋は 懐かしい幻想に包まれていた。 俺も昔の友人と肩を叩き合って学生時代の 思い出話に花を咲かせた。 特に盛り上がったのはクラスの中心的存在 だった山本の話だ。 彼はいつも皆を笑わせるムードメーカーで 彼の武勇が語られる度に場は一層湧き立っ た。 そういえば山本は今回来ていないな。いつ もなら真っ先に駆けつけるはずなのにと 不思議に思った。 2次のカラオケでも話題は山本のことに 集中した。 あいつが来たらもっと面白かったのにな。 山本のお箱を聞きたかったな。 そんな声が飛びかう。 俺も彼がいない寂しさを感じつつグラスを 傾けた。 数日後、 同窓会の写真がSNSにアップされた。 懐かしい顔れが並ぶ中で太感を覚える。 映っている友人の1人にどうも見覚えが ないのだ。 顔は確かに覚えてる気がするんだが名前が 思い出せない。 奇妙なことにこの見覚えのない男同級生 たちは山本だよというのだ。 しかし俺の記憶ではあの日山本は同窓会に は来ていなかった。 皆で彼の不在を惜しんだはずだ。 もし来ていたら俺が気づかないはずがない 。 記憶がまるで意図的に塗り返られてるかの ような感覚に襲われる。 混乱した俺は他の友人にも確認した。 なあ、山本って同窓会来てなかったよな と俺が言うと友人はけな顔で首をかしげる 。 何言ってんだよ。山本来てたじゃん。お前 も話してたろ。 そんな返事が帰ってくる。 俺の記憶だけが皆と食い違っている。 同窓会の参加者リストには確かに山本の 名前があった。 しかしその顔は俺が知る山本ではなく、 あの見覚えのない人物になっているんだ。 俺の記憶の中ではあの日確かに彼はい なかった。 数年後、 久しぶりにまた同窓会が開かれた。 今回もやはり山本の姿はなかった。 同席していた友人に彼のことを尋ねると その友人は少し寂しげな表情になった。 はあ。山本か。いいやつだったよな。 どうしたのかと聞くと友人は驚いた顔して 話し始めた。 何言ってんだよ。ここ時代原付で事故に あってなくなったじゃないか。 山本は特に死んでいるというのだ。 それは誰もが知る。悲しい出来事として 語られた。 当時の状況皆が受けた衝撃葬儀の言葉まで 友人はまるで昨日のことのように鮮明に 語る。 しかし俺の記憶にはそんな出来事は一切 ない。 クラスメートが事故でなくなったなどと いう重大な記憶が抜け落ちているはずが ない。 だが耳にする話はどれも具体的で友人の 普通な表情も嘘には見えない。 なのに俺の頭の中は真っ白だった。 目の前で語られる事実とは俺のかっこたる 記憶が完全に食い違う。 それが何とも気持ち悪く俺は2次には参加 しなかった。 和室。 俺にとっておばあちゃんの家は紛れもなく 子供の頃の温かい記憶そのものだった。 夏休みや冬休みになると決まってあの古い 木造科に泊まりに行ったもんだ。 縁川でスカにかぶりついたり、庭で虫を 追いかけたり、 中でもおばあちゃんが作ってくれるどこか 甘くて優しい煮物が大好きだった。 でもあの家には子供心にどうしても足を 踏み入れる勇気が出なかった場所があった 。 それは2階の1番奥にある和室だ。 普段2階は物置き代わりになっていて、 特に奥の和室はいつもピっちりとふが しまっていた。 たまにおばあちゃんが何か用事で開ける ことがあったけど、その度にここには入っ ちゃいけないよ と普段からは考えられないような厳しい 表情で言われたんだ。 子供だったからおばあちゃんの大切なもの が入ってんのかなくらいにしか思わなかっ たんだけど、なんとなくその部屋からは ひんやりとした冷たい空気と誇りっぽい 古びた匂いが漂ってるような気がして 怖いというよりも枝体の知れない嫌な感じ がまとわりついてい 大人になってからもぼんや正月に顔を出す ことはあった。 だけどあの奥の和室に立ちることは1度も なかった。 相変わらずふは固くしまったままでまるで 家の中にぽっかりと開いた誰からも 忘れ去られた穴のような空間になっていた んだ。 数年前おばあちゃんが亡くなった。 1人暮らしだったため、俺たち家族で異品 整理を手伝うことになった。 ほとんどの火材道具は処分することになっ たけれど、思い出の品や貴重品だけは丁寧 に仕分けなければならない。 そしてついにあの赤ずの間った2階の奥の 和室を開ける時が来たんだ。 ふに手をかけた瞬間指先にヒやりとした レキが触れた。 子供の頃に感じたあのまとわりつくような 嫌な感じが一気に蘇える。 胃を消してゆっくりとを開け放った。 部屋の中はむっとするような誇りっぽさと カとも違う。何とも言えない古びで湿った 匂いがした。 薄暗らい部屋だった。 窓には分厚いカー電がかかって光を遮切っ ている。 床の畳はすり切れ色も焦ていた。 部屋の隅には使いふされたザブトンがいく つか積まれ、古い木星のタスが1つ置かれ てるだけ。 一見したところは特に変わったものはない ように見えた。 フランスの中を調べ始めたその時 とどこからかかに人の笑い声が聞こえた気 がしたんだ。 まるで喉の奥で鳴るような感情の人けらも 感じられない。乾いてひびばれたような 笑い声だ。 誰かいるのか? 思わず声に出してしまったか?返事はない 。 風の音か?いや、風にしてはあまりにも 不気味すぎる。 でもまあ気のせいだろう。そう思って作業 を再開した。 だがその笑い声は消えなかった。 かかに断的に聞こえてくる。 [笑い] まるで俺の様子を面白がってるような そんな声に聞こえてきた。 背筋がゾっととした。 昼間だというのに和室の中は妙な緊張感と あの不気味な笑い声で満たされてるように 感じられた。 その日の異品整理はそれで終わりにした。 他に特に変わったことは何も怒こらなかっ た。 ただあの和室に足を踏み入れ、あの笑い声 を聞いたことで子供の頃感じた嫌な感じが 、より具体的な恐怖として胸の中に深く 刻み込まれた。 数日後、 1人で再び和室の整理に行った。 昼間だったし集中して作業を終わらせて しまいたかったからだ。 和室に入ってすぐあの独特な匂いを強く 感じた。 古びた匂いに加え何か別の何だったかその 時はまだ分からなかった。 ダンスの引き出しを1つずつ開け、中に 入っている衣類や古い写真、手紙などを 仕分けていく。 静かな作業だった。はずだった。 すぐにまたあの声が聞こえてきたんだ。 [笑い] 今度は笑い声の種類が増えた。 女性とも男性とも判別のつかない感情が 完全に抜け落ちたような歪んで耳触りな 笑い声が部屋のどこからともなく聞こえて くる。 耳を済ましてもどこから聞こえるのか特定 できない。 部屋全体からあるいは壁の中から直接響い てるような奇妙な感覚だった。 気味が悪くて作業の手が止まった。 視線が部屋の隅、ダンスの影になってる 場所に向かった。 そこだけ妙に暗く空気が重く淀んでるよう に見える。 笑い声は止まなかった。 [笑い] そしてその歪んだ笑い声に混じってかにこ という小さく硬い何かを繰り返し叩くよう な音が聞こえ始めた。 笑い声とコンコンという音。 2つの不気味な音が明らかにタスの影の方 から聞こえてくる。 俺は震える手でズボンのポケットから スマホを取り出し、ライトの機能をオンに した。 その白く強い光がダンスの影に転がって いる丸いものを照らした。 それは人間の生首だった。 女性の生首。 埃りと汚れにまみれてはいるが、その形 はっきりと分かる。 老人形のように青白い肌、硬く閉じられた まぶ。そして口元はまるで最後の絶叫 を噛み殺したかのように見るもおましく 歪んでいる。 首の切断面はさらにひどい状態だった。 肉が剥き出しになっていて黒ずんで乾燥し 、何かドロっとしたものがこびりついて いるようだった。 そこからあの部屋に満ちていたあの嫌な 匂いが強く漂ってくるような気がした。 古びた匂いだと思っていたのはこの匂い だったのか。 俺は絶叫し腰が抜けその場にへり込んだ。 恐怖で目が離せない。 目の前に転がる現実とは思えないもの。 そしてその生首の歪んだ口元が動いたよう な気がした。 [笑い] 笑い声が生首から聞こえてくる。 生首は相変わらず床に転がったまんまで 動かない。 ただただ俺をその固く閉じためでじっと 見つめてるようだ。 その時だ。 生首の閉じられていた目がゆっくりと本当 にゆっくりと開いた。 よろりと向かれた白目の大部分を閉める 眼球がまっすぐ俺を捉えた。 [笑い] あの笑い声が確かに生首の口から漏れた。 俺は悲鳴をあげながらその場をはうように 後ずって和室のドアに向かった。 一刻も早くここから出なければ。 生首は相変わらず動かない。ただ俺をその うろで追いかけあの不気味な笑い声をあげ 続けている。 室のドアの部に触れる手が触れたその時 だった。 生首が動いた。 うどん と鈍く重い音を立てて生首が床を転がった んだ。 首の切断面から何か黒っぽい塊が 剥がれ落ちたように見えた。 として転がりながら桁たましい笑い声を あげている。 [笑い] まるで俺のパニックしてる姿を見て親速 面白がってるかのようだ。 俺は再び絶叫し、勢いよくドアを開けて 和室から飛び出した。 階段を2段飛ばしでか駆け折り、玄関の ドアを乱暴に開けて外に飛び出した。 外の冷たい空気を吸い込むとやっと呼吸が できた。 全身のフレが止まらない。 家の中はあの部屋は一体どうなっているん だ。 家族に話してもきっと誰も信じてくれない だろう。 を疑われるかもしれない。でも俺は確かに 見たんだ。 あの和室の暗闇に女の生首があったこと。 そしてそれが目を開け、歪んだ口元から 笑い声を開け、床を転がっていたこと。 それ以来おばあちゃんの家には1度も足を 踏み入れていない。 あの和室のことが怖くて怖くてたまらない からだ。 あの和室は一体何だったんだろう?なぜ あんなものが隠されていたんだ?なぜ俺を 見て笑っていたんだ? もしかしたらおばあちゃんはあの部屋の 何かに気づいていてだから子供の俺たちを 片くに近づけさせなかったんじゃないか。 今でもあの和室の固く閉ざされたふの 向こうであの生首がじっと息を潜めてる ような気がしてならない。 そして俺がいつかまたあの家あの和室に足 を踏み入れるのを待ってるんじゃないか。 そう思っている。 今も時々あの生首は俺の夢の中に出てくる 。 そしていつもあのうろ目で俺をじっと 見つめあの不気味な笑い声をもらすんだ。 話し合い。 私は異品整理の仕事をしています。 孤独された方や身りのない方の部屋を 片付けるのが主な業務です。 正直気分のいい仕事ではありません。 部屋には生活の痕跡だけではなく、時には 亡くなった方の無念や孤独といった思い 何かが残ってるような気がすることもある からです。 先月古い木造アパートの一出の異品整理を 依頼されました。 依頼主は当園の親戚だという40代の男性 で現場には立ち合わず鍵だけが送られてき ました。 聞けば住んでいたのは80を過ぎた男性で 誰にも見られず亡くなってから1週間ほど 経って発見されたということでした。 いわゆる孤独士です。 現地のアパートに着き、鍵を開けて部屋に 入ります。 途端にむっとするような誇りとカとそして カかな廃が混じった独特の匂いが鼻をつき ました。 部屋には生活用品が床一面に散乱していて 、足を踏むところもないほど、 1人暮らしの老人の部屋としては物が多 すぎるように感じました。 窓を開けて環境し、マスクと手袋をつけて 作業を開始します。 しかしどうにも部屋の空気が重い。 特に部屋の隅、 南の窓側に置かれた大きな古い姿身の周り だけひんやりとレキが漂ってる気がして 空気がように重く感じました。 菅見自体も立派な気惑の装飾が施されてい ますが、埃りをかぶって共面も曇っていて 不気味な存在感を放っていました。 そうして作業を進めていると誰もいない はずなのに部屋の奥の方から傘とキずれの ような音がしたり は と誰かがため息をつくような音が聞こえ たりします。 背後に人の気配を感じて何度も振り返り ましたが、もちろん誰もいません。 この仕事をしていると時々こういうこと あります。 気のせいだと自分に聞かせながら黙々と 作業を続けました。 途中気になっていた姿見の誇りを持ってい た雑巾で拭き取ってみました。 表面が現れます。 そこに映った自分の姿を見て私は少し ぎょっとしました。 ひどく疲れた顔をしていたんです。 顔色も悪く目の下には深いクができてい ます。 いや、でも待て。私は今日ちゃんと寝てき たはずです。こんなにひどい顔してるはず がありません。 鏡の中の私はまるで別人のように正規を 失っています。 そして自分の城、鏡の中に移る部屋の風景 。 その部屋の隅の暗がりに一瞬黒い人影の ようなものがすっと横切っていったのが 見えました。 慌て振り返りますが、部屋には散らかった 火材道具があるだけ。 作業を再開し、お尻入れの中からダン ボール箱をいくつか引き継しました。 その中の1つに日記らしき古いノートが数 冊入ってるのを見つけました。 仕事から個人のプライベートなものには 極力触れないようにしてるんですが、その ノートはなぜか妙に気になって思わず手に 取ってページをめくってしまいました。 貴帳面な、しかし少し震えたような文字で 日々の出来事が淡々と綴られていました。 食事のこと、天気のこと、テレビのこと。 そして次第に家族や友人が誰も尋ねてこ ないことへの寂しさ。世間から取り残され たような孤独感が滲み出してるような記述 が増えていきます。 最後の数ページはインクが滲んで文字も 乱れていました。 体が思うように動かん。このままここで 1人で死ぬのか。 寂しい誰か誰でもいい話がしたい。 この鏡だけだ。私を見てくれるのは 鏡の中の私はちゃんと笑っているのに はあ。鏡の中に行けたらずっと笑ってい られるのに。 日記を読み終えた私は言いよのない重い 気持ちになり、ふとあの姿身に目をやって 凍りつきました。 そこには痩せていて頬のこけた老人が映っ ていたんです。 白髪で深いシが刻まれた川。 そしてその目はうろでこちらを見てるよう でした。 そしてその口元だけがなぜか満足な笑を 浮かべていました。 鏡の中からじっと私を見つめていて、一切 動かず声も発しません。 ただただそのうろな目と不気味な笑だけが こちらに向けられています。 私は短い悲鳴をあげ後りしました。 次の瞬間バリン という音がして姿見の共鳴が雲のス上に ひび割れました。 そして飛び散る 我田鏡の破片の1つ1つに依前としてあの 笑を浮かべた老人の顔が映り込んでいて 無数の笑う老人の顔が私を見つめていたん です。 私は荷物もそのままに部屋を飛び出し、 アパートの階段を転がるようにかけりまし た。 そして震えながら依頼主に電話をし、事情 を話して作業の中段を伝えました。 遺主は特に驚いた様子もなく。 そうですか。わかりました。あとはこちら で別の業者を探しますので と淡々とした口調で言いました。 まるでこうなることを良きしていたかの ように。 後日 どうしてもあの部屋と鏡のことが気になっ て私はあのアパートの管理会社にその子の 様子をそれとなく問い合わせてみました。 すると管理会社の担当者は電話口で少し声 を潜め、非常に君の悪い話をし始めたん です。 ああ、あそこの部屋ですか。ええ、片付け 時体は終わったんですがね。業者さんでは なくて例の当園のご親戚の男性が結局ご 自分でやられたんですよ。 へ、親戚の方が片付けたんですか?現場に は来ないと言っていましたが。 ああ、なんでだか分かりませんが、親戚の 男性がいらっしゃって部屋を片付け始めて ね。片付いた後に私が立ち合ったんです けど、その男性がなんだかおかしかったん です。 古い姿見だけどうしても持って帰るんだっ て。とおっしゃっていまして、 で、実際に持って帰ったんですよ。 かなり傷んでいて、鏡も割れていました けど、個人の1番大事にしていただからっ て、 あの姿身を持って帰った。 無数の笑う老人の顔が映り込んだ鏡を。 それでね、 管理会社の方の声がさらに低くなる。 実はうちの会社の同僚がその親戚の男性の 家の近所に住んでるそうなんですがね。 どうも鏡を持って帰った日から様子が おかしくなったって周りで噂になってる そうなんです。 どうおかしいんですか? 何でも1日中ご自宅のカーテンを染め切っ て電気もつけずに薄暗らい部屋の中であの ひび割れた鏡を秋もせずに見つめてるって 噂が流れてるんです。 そうして時々鏡に向かって1人でそれは それは嬉しそうに楽しそうに話しかけて るって言うんですよ。 まるであの老人の日記に書いてあった話の ようだ。 近所の方が心配してどうかなさいました かって訪ねに行っても邪魔をしないでくれ 。今大事な方と話してるんだ。ってすごい 見幕で追い返すらしいんですよ。 極めつけはね、この前たまたまゴミ出しに 出てきたその男性の顔近所の人が見た らしいんですが、もう別人のように痩せて 目は落ちくぼんでるのに口元だけ妙に満足 な君の悪い笑をずっと浮かべていたって 言うんですよ。 いやはや君が悪いですよね。 話を聞きながら私の手は震えていました。 私はその様子を想像してしまって恐怖で 吐き家気が込み上げてきました。 の部屋で死した老人は話し相手を見つけて しまったんでしょうか うめ君。 それは私が小学生の頃に住んでいた古い 一軒屋での話だ。 蓄年数はかなり経っていたらしい。 どこどなく不気味な雰囲気で暗くて怖かっ たんだけど、特に怖かったのが私の部屋の 押入れだった。 観音開きのお入れなんだが、なぜかいつも 少し本の数値だけ開いている。 何度しっかり閉めても翌朝には決まって 開いている。 母に行っても 寝てる間に自分で開けてるんじゃないの と笑われるだけだった。 しかし、その隙間から覗く暗闇みが私には どうしても気になった。 その中から私を見てるかのような感覚に 陥っていた。 夜、電気を消して布団に入るとその司令の 隙間からごくかな音が聞こえてくることが あった。 シルシュル 。 それは何か柔らかいものがゆっくりと 排するような音、 あるいは細いものがすれるような音にも 聞こえる。 耳を済ますが他には何も聞こえない。 家は静に帰って遠くで犬の鳴き声が 聞こえるぐらいだ。 気のせい、気のせい。 そう、自分に聞かせ、布団を頭までかぶっ た。 しかし音は止まない。 シルシル 。 むしろはっきりと聞こえてくる。 そしてその音に混じってごくかな。 ひた という閉めった音が聞こえ始めたのだ。 それは何か粘つくものが床に触れるような 音。 私に向かって静かに動いてるかのようだっ た。 恐怖で全身が硬着し、布団の中で見動きが 取れなかった。 し 人ひ人ひ人 音は私の恐怖を歩かのよう続く。 その音は確実にあのお令の隙間の向こう から聞こえてくる。 私は恐ろ恐る布団の隙間から目を覗かせた 。 押せ 開いている。 そのわずかな隙間から暗闇がこちらを覗い ている。 との闇の奥からあの 白し人人 という音が聞こえてくる とその時 私はその押入れの隙間の奥く暗闇の中に ぼんやりと何かがいるのを感じた。 それは特定の形を持たない。しかし、確か にそこに存在する気配だった。 粘りつくような冷たい不快な視線をその闇 の中から受けてるかのような感覚。 するとごくかに、しかしはっきりと白い ものが むー とゆっくりと滲み出てくるのが見えた。 それは人間の腕だった。 しかし普通の腕ではない。 真っ白で細かったのだ。 その腕が闇の中で妙に不自然な角度に 曲がって骨がないかのようにゃー と歪みながらゆっくりとしかし必要に 押入れの隙間から伸びてきたのだ。 指先も細く爪は黒ずんで見えた。 私は息を飲んで声も出なかった。 心臓の鼓動が早くなる。 そしてその腕のすぐ後ろからもう1本の腕 が同じように不自然な形に歪みながらぬふ と現れた。 さらに 足のようなものが生い出してくるのが見え た。 それらはあまりにも自然で乱雑にまるで 意識のない肉会がゴメクのように見えた。 私は恐怖でもう限界だった。 布団を羽のけ、急いで立ち上がり、勢いで 部屋の電気をつけた。 その瞬間私の目に飛び込んできたのはいつ もの数だけ開いた押入れの扉とその奥に 広がる暗闇だけだった。 何もいない。 あの不気味な腕も足も痕跡すら残さず 消え去っていた。 私はその夜自分の部屋では眠れず両親の 部屋に逃げた。 それ以来私はあのお入れが怖くて 仕方なかった。 引っ越しが決まった時、心の底からアドし たのを覚えている。 あのお入れにいたのは一体何だったの だろうか。 今となってはもうわからない。 ユニットバスの鏡。 私が昔住んでいたアパートで体験した話。 横浜市内にあり、駅から少し歩くその マンションは地区30年以上は経っている であろう古い建物でした。 家賃の安さが決め手でしたが、今思えば 何か理由があったのかもしれません。 その部屋には風呂とトイレが一体になった ごく一般的なユニットバスがありました。 あの出来事が起こったのは入居して半年 ほど経った虫暑い夏の世のことでした。 大型がい虫厚さのせいで寝苦しさから真中 に目が覚めてしまいました。 時刻は午前3時過ぎ。 喉が乾きましたので水を1杯飲み、ついで に顔でも洗おうかとまだ寝ぼけた頭のまま ユニットバスへ向かいました。 電気をつけますと狭い空間が白い蛍光灯の 光で満たされました。 鏡の前に立ち、蛇口をひねって水を出す。 手に渡る冷たい水が心地よかった。 顔を洗い、タオルで水滴を吹きながら何気 なく鏡に移った自分自身を見ました。 そこに映っていたのは寝起きの少しむくん だ自分の顔でした。 その時 ふと鏡の中の自分自身の顔のすぐ城に何か 別のものが映り込んでるような気がしたん です。 気のせいでしょうか?いや、そんなは ユニットバスはひどく狭く、私の背後は すぐに壁だったはず。 見間違いだろう。を自分に生かせようとし てもう1度鏡を凝視しました。 そしてそこには確かにそれがありました。 私の肩越しにまるで私のすぐ背後から 覗き込むかのように。 それは人間の顔でした。 しかしそれは生きてる人間の顔ではあり ません。 皮膚は土の色を取り越し、立たれたように 緑りがかった灰色に変色していました。 水分が異常に大流してるかのようで ぶよぶよと自然に膨れ上がってるように 見えました。 特に目の周りと頬の晴れがひどかったです 。 片方のまぶは力なく半開きになっていて、 そこから濁った白い眼球が覗いていました 。 もう片方のまぶはひどい晴によって完全に 塞がっていました。 唇は不気味な紫色に変色し、わずかに開き 、その隙間からは黄色く変色した歯と 黒ずんだ歯茎きが見えました。 死体から頬にかけては皮膚が部分的に 剥がれ落ちていて、その下から赤黒い組織 が覗いていました。 そしてその顔からは鼻の奥を焼くような 余ったるくそれでいて体がく生臭い独特の 風配が漂ってきたんです。 声にならない姫が喉から漏れ、私は反射的 に振り向きました。 しかしそこにはヒやりとしたタイルバリの 壁があるだけ。 誰も何もいませんでした。 この狭いユニットバスには私1人しかい ないんです。 恐る恐るもう一度だけ鏡に目を向けました 。 鏡の中に移っていたのは恐怖に引きずり あざめた私自身の顔だけでした。 あの顔はそこにはもういませんでした。 幻覚寝ぼけていただけ。 そう自分に言い聞かせようとしました。 しかし、あの生々しい質感、あの異様な色 、そして何より鼻の奥に焼きついたあの 腐敗の記憶だけは何度を打っても脳りから 離れませんでした。 心臓は激しく脈打ち、全身から冷たい汗が 吹き出しました。 私はたまらずユニットバスから飛び出し、 リビングの全ての電気をつけました。 もう一度あのユニットバスの中を確認する 勇気などその時の私にはありませんでした 。 その夜は眠ることができませんでした。 翌日 明るくなってから改めて胃を消し、あの ユニットバスの鏡を見ました。 当たり前なんですが、そこにはもう何も 映ってはいませんでした。 しかしそれ以来私はあのユニットバスの鏡 をまともに見ることができなくなって しまいました。 顔を洗う時も歯を磨く時も決して鏡に視線 を合わせないように鏡の橋あるいは別の 方向を見ていました。 として時折り、特に湿度が高い夜などには ユニットバスのドアのわずかな隙間から あのまったるくそれでいて体がい腐配が まるで厳格のようにかかに漂ってくるよう な気がしてなりませんでした。 あの鏡に移ったそれは一体何だったの でしょうか? そしてなぜ私のすぐ後ろあの閉鎖された 空間に存在できたのでしょうか? 考えれば考えるほど背筋が凍りつくような 王冠が走ります。 私は結局あの出来事の後そのアパートを すぐに引き払いました。 新しい部屋のユニットバスには幸いなこと にあの鏡のようなものはついていません でした。 間違いなく見た。 今から10年くらい前の話です。 友達数人と東北のある温泉へ車で旅行に 出かけました。 夜出発して翌朝現地に着いて観光を楽しみ 、夕方温泉ホテルに到着。 温泉に浸り、ゆっくりとした時間を過ごす ことができました。 あの電話がかかってくるまでは いつもは家族に泊まるホテルなど言わずに 出かけるんですが、今回なぜか止まる ホテルのパンフレットを家に置いてきたん です。 翌朝ホテルの大食堂で食事時間内放送で私 の名前が呼ばれました。 電話が入っていますと放送してるんです。 誰からかなと思いつつ電話に出ると家族 からの電話でした。 電話に出るなり、お前大丈夫かといきなり 聞いてくるんです。 話の内容をよく聞いてみると、 深夜姉の寝ている部屋のふがすっと開き、 頭から血を流した私が姉のそばに立ってい たとのことです。 姉は飛び置き、両親の寝ている部屋へ行き 、私が立っていると反響欄で飛び込んだ そうです。 両親は何を寝ぼけてるんだと相手にし なかったんですが、 姉の強乱ぶりを見て本当かなと思い、一緒 に姉の部屋を見に行ったそうです。 そこにはもう私の姿はなかったんですが、 姉は怖いと言って両親の部屋で寝ることに したそうです。 両親が寝ている部屋には仏壇が置いてある んですが、3人でその部屋へ戻ると仏壇の 前に私が頭から血を流して座っていて、 3人の顔を見るなりニコ と笑ってすーっと消えていったそうです。 家族は私が来るまで旅行に行っていたため 、これは途中で事故にあって最後のお別れ に来たんだと確信したそうです。 朝になるのを待ってからホテルに私が無事 かと後止まってるか確認の電話を入れたと のことです。 ね、両親の3人とも仏壇の前に座ってすっ と消えていく私を間違いなく見たと言って います。 電話を切って食事に戻り友達にその話をし たところ友達も怖がって帰りの車は安全 運転で帰ろうという近いを立てに着いたん ですが とてもお苦しい雰囲気で帰りました。 あれから10年私に何の変化異常もあり ません。 あれは一体何だったのでしょうか? 夢なのかな 品 私は趣味で古いものを集めるのが好きで、 特に週末はコト市やガラクタ一を巡るのが 習慣になっていた。 掘り出し物を見つけるのが楽しいのだ。 ある時、地元の小さなガラクタで 埃りまみれのダンボール箱の中に妙に引か れる小さな木箱を見つけた。 手のひに乗るくらいの大きさで黒ずんだ 木材には何かの模様のようなあるいは文字 のような不気味な掘り込みがびっしりと 施されていた。 なぜだかわからないが妙に気になる。 蓋は固くしまっていて開かない。 寝札はついておらず店番の老人に聞くと ああ、霊か随分昔からここに置いてあるが 誰も買わないんでなあ。持ってきな とただで譲ってくれた。 家に持ち帰って洗剤とブラシで埃りと汚れ を落とした。 掘り込みは予想以上に複雑で見る角度に よって何かの顔に見えたり絡み合った手足 に見えたりする。 よく見ると人のようなものが無をまとっ てるような そんな案が多いように見えた。 蓋は何をしても開かなかったので、無理に こじ開けるのはやめた。 そうしてそのまま部屋の隅に飾っておく ことにした。 その木箱を置いてから奇妙な夫が続くよう になった。 最初は些細なことだ。 通勤途中で必ず信号に捕まったり、買った ばかりのコーヒーをこぼしたり、楽しみに していた予定が直前でキャンセルになっ たり。 まあでもそんなことは誰にでもあるだろう と気にはしなかった。 だが徐々にエスカレートしていった。 仕事で単純なミスを繰り返し、上司に怒ら れたり、 外出先で理由もなく人に強く当たられたり 、夜中に無関係な嫌がらの電話がかかって きたり、 そして何よりも体がく常に検帯感が抜け なくなった。 まるで私の周囲だけ負のオーラに包まれた かのようだった。 そしてそれだけでは済まなくなった。 部屋にいる時、特に夜妙な音が聞こえる ようになったのだ。 それは何かが地面を歯うような という音だったり、壁の向こうから 聞こえるかのようなこ という小さなノック音だったり 耳を済ますと止まって気のせいかと思うん だがすぐにまた別の場所から聞こえてくる 。 1番怖かったのはある夜寝ようと思って 電気を消し、静かになった部屋でうとうト していた時のこと。 枕本の棚に置いていた木箱からかにから という音が聞こえてきた。 蓋が硬く閉まって開かないはずなのに中で 何かが動いてるような音だ。 ざっとして思わず息を止めた。 音は続く。 カラカラカラカラ。 まるで木箱の中で何か小さなものがうめい てるかのようだ。 恐怖で体が硬直し動けない。 その時音と共に部屋の隅にうっすらと白い 何かが浮かび上がったような気がした。 それは最初ぼんやりとした塊のように見え たが、次の瞬間には人の形をなしていた。 白い透き通るような女の幽霊だった。 その姿はまるで古い写真から抜け出してき たかのようだった。 特に印象的だったのはそのまとっている 着物だ。 それは日本の伝統的な混礼意城白のように 見えた。 真っ白な布が体を包み、頭には角隠しの ようなものをつけてるようにも見える。 幽霊は床から少し浮いてるように見えた。 そしてゆっくりと私の寝ているベッドの方 へと向かってくるのだ。 心臓が張り裂けそうだった。 逃げなければ助けを呼ばなければ そう思うのに恐怖で声が出ない。 体も全く動かせない。 幽霊はそのままじわりじわりと近づいて くる。 部屋の暗闇みの中、その白い姿だけが ぼんやりとしかし確実にこちらへ迫って くる。 そしてベッドのすぐ脇まで来た時、幽霊は 動きを止めた。 私の真横にふわりと浮かんだまま静止して いる。 角のようなものと顔を覆う白い布の隙間 から強い視線を感じた。 冷たい像のような、あるいは深い悲しみの ようなA体の知れない視線だ。 顔そのものはまだはっきりと見えない。 だが隠されたその奥から強烈な負の感情が 放たれてるのを感じた。 そしてその視線を感じながら私は気づいて しまった。 その白くの袖の先が不自然に長いことに。 白い布の奥にあるはずの腕や指がまるで骨 のように細く。そして着物の袖から覗く 手先は人間のものにしては異様に長く歪ん でるように見えたのだ。 その長い手が白い袖の中からゆっくりと私 の顔のすぐ脇き枕の上に伸ばされてくるの が見えた。 まるで花嫁が何かを掴もうとするかのよう に 逃げなければ。 その一心で私は全身の力を振り絞り幽霊 から反対側へと転がり落ちた。 ベッドから転げ落ちた瞬間、ピシと部屋の どこかで何かが割れるような音がした。 それと同時に私の視界から幽霊の姿が消え 、あの冷たい視線も消えた。 いをしながら私は起き上がって部屋を 見回した がそこには何もいない。 ただ枕元の棚を見るとあの木箱の蓋が開い ていた。 硬く閉まっていたはずの蓋が少しだけずれ て中にかかな隙間ができている。 そして木箱からあのカ臭いような土のよう な匂いが強く漂ってきていた。 そして蓋の隙間から細く長い髪の毛のよう なものが1本だけはみ出してるのが見えた 気がした。 あの夜以来私はあの木箱に触れることすら できなくなった。 部屋の隅に置いたままだが、見るたびに あの白く姿の幽霊、そしてあの異様に長い 手を思い出して全身が震えてくる。 ふも奇妙な音も完全には消えなかった。 以前よりは頻度が減ったかもしれないが、 ふとした瞬間に事故に会いそうになったり 原因不明の体調不良に落ちいったりする。 夜中に目が覚めると部屋のどこかにあの 気配が戻ってきてるのを感じることもあれ 。 この木箱は何だったのか。 あの白く姿の幽霊は何だったのか。そして なぜ私にこんな呪いのようなフーンと恐怖 が振りかかるようになったのか。 木箱の掘り込みはあの花嫁の姿やその悲劇 を表していたのだろうか。 結局私はこの木箱をどうすることもできず にいる。 捨てるのも怖いし誰かにあげるなんて論外 だ。 ただ私の部屋にあの呪いとあの白ムの花嫁 が今も縛りついてるような気がしてなら ないのだ。 そしていつまたあの長い指を持つ花嫁が あの冷たい視線と共に私の枕元に現れるの かと考えると夜安心して眠ることができ ない。 伸びる神。 私の神は昔から少し伸びるのが早い方だっ たけど、異常だと感じるようになったのは 高校に入ってからだ。 要で肩ぐらいまで切ってもらっても1ヶ月 も経たないうちすぐに胸元まで伸びて しまう。 最初は成長期だからななんて軽く考えてい たけどそのペースはどんどん早くなって いった。 それだけじゃない。神室も変わってきたん だ。 以前は少し癖のある、どちらかと言うと 乾燥しやすい神だったのに、今は驚くほど つやかでしっとりと思い、 指通りはいいけれど、まるで1本1本が 太く強くなったみたいに。 夜寝ているとその思いが首に絡みついて 息苦しくて目が覚めることもあった。 気のせいかもしれないけど、時々神が勝手 に動いてるようなぞわぞした感覚を覚える ことすらあった。 母に相談してみた。 母は若い頃からずっと綺麗な黒髪をきつく 1つにまとめてる人だ。 最近髪が伸びるの早すぎて切ってもすぐ 伸びちゃうしなんか変なんだよね。 あら、そう気にすぎなんじゃない?あなた ももうそんな年だしホルモンバランスとか じゃないかしら。 母はそう言って私の神に触れようともせず すぐに話をそらしてしまった。 でもその時の母の目が一瞬だけ私の神を 何か恐ろしいものでも見るかのように 見開かれていたのを私は見逃さなかった。 母方の祖母は私が生まれる前に亡くなって いる。 母から聞かされた話では祖母は若い頃。 それはそれは美しい黒髪の持ち主だった そうだ。 でも晩年は少し心を病んでしまって自分の 神をハミでめちゃくちゃに切り刻んだり壁 に塗り付けたりするような気候があった らしい。 その話を聞いた時、子供心にとても怖かっ たのを覚えている。 ある日、母が留守にしてる時、私はふと母 の部屋のクローゼットの区に古い霧の箱が 閉まれてるのを見つけた。 好奇心に負けて開けてみると、中には古い アルバムや母が若い頃に使っていたらしい 、小さな鏡が入っていた。 アルバムを開くと若かシコの祖母の写真が あった。 腰まで届くかというほどの豊かな黒髪。 写真越しにもその異様なのつやかさが 伝わってくる。 そして鳥肌が立った。 私の今の神とどこかに似てる。 アルバムをめくっていくと祖母の表情が 次第に険しくなり、髪も少しずつ乱れて いくように見えた。 そして心を止む直前と思われる写真では 祖母は怯えたような目でカメラを見つめ、 その美しい神をまるで蛇か何かのように手 で押さえつけていた。 さらに箱の奥を探ると古びた木星の小さな 串と1枚の折りたまれた髪が出てきた。 紙を開くとそこには震えるような文字で ただ一言繰り返し繰り返しこう書かれてい た。 切ってもまた伸びる。切ってもまた伸びる 。切ってもまた伸びる。 ゾっとして箱を閉じようとした時、さらに 小さな箱があることに気づいた。 その箱を開けると何かがぎっしりと 詰め込まれている。 それは黒い髪の毛の束だった。 誰のものか分からないけれど、その 禍々しいほどの艶と黒さは祖母の写真や今 の私の神を早起させた。 その時玄関のドアが開く音がした。 母が帰ってきたのだ。 慌て箱を元に戻そうとしたが間に合わ なかった。 部屋に入ってきた母は私が箱を開けたこと 、そして中のものを見てしまったことに 気づいたようだった。 母は何も言わずゆっくりと私に近づくと 震える手で私を強く抱きしめた。 ごめんね。ごめんね。 母は涙声で繰り返した。 あなただけは、あなただけは私やあの人の ようには絶対にさせないから。 その言葉は私の不安を拭い去るどころか さらに深い恐怖へと付き落とした。 母の腕の中で私は自分の神がまるで意を 持ってるかのように首筋を撫でるのを感じ ていた。 として涙ながらに私を抱きしめる母の目が 私の神を愛しむように憎むように そして何よりも植えたようにじっと見つめ てることに私は気づいてしまった。 私の神は今日も伸びている。 鏡に移る自分の神を見るたびに思う。 これは本当に私の神なのだろうか。 それともこの神が私自身を少しずつ 何か別のものに変えようとしてるのでは ないだろうか。 そしていつか私も祖母のようにいや、それ よりももっとももっと恐ろしい何かになっ てしまうのだろうか。 道案内あんないのか。 数年前の連休妻の里子と5歳になるのシ太 を連れて久しぶりに俺の実家に寄制する ことにした。 病にある古い家で俺自身も子供の頃以来 10数年ぶり。 最後に訪ねた父はもう亡くなっていて、今 は母が1人で暮らしている。 最近少し物忘れがひどくなってきたという 話も聞いていて、様子を見に行くという 意味合いもあった。 家に着くと母は まあケン太く帰ってきたね と手放しで喜んでくれたが その笑顔の裏にどこか上の空な雰囲気を 感じた。 家の中も昔と変わらないはずなのに妙に 空気が重く誇りっぽい気がする。 今年はなんだかお客さんが多くてね。 賑やかでいいんだけどちと疲れるわ。 母は誰に言うともなくそんなことを呟いて いた。 お客さんなんて俺たち以外に来る予定は ないはずだ。 でもその時は少しボケてきたのかなくらい にしか思わなかった。 家の裏手には子供の頃から不気味で近寄ら なかった古いクと今はもう使われていない コケ無した古いがある。 シ太は都会育ちのせいか、その古めかしい 雰囲気に興味心々でお父さん、あそこ行っ てみようよ と仕切りに指を刺す。 正太、あそこは行っちゃだめ。 俺が止めるより早く母が強い口調で 正太かった。 どうしてと聞く正太に母は 危ないからよ。昔からあそこには悪いもん が出るって言われてるんだから とだけ答えた。 その目は真剣でただの名心とは思えない 何かがあった。 その夜 2階で寝ていると奇妙なことがあった。 1階から母が誰かと楽しそうに話している 声が聞こえてきたんだ。 か高かい子供の声のようなものも混じって いる気がする。 誰か来たのか。 隣ではさ子とし太がぐっすりと眠っていた 。 この家にいるのは俺たち家族と母だけの はず。 耳を済ますが、声はすぐに聞こえなくなっ た。 気のせいだったんだろうか。 翌日からシ太の様子がおかしくなり始めた 。 庭で遊んでいるかと思うとじとクの方を 見つめていたり、 古いの縁に腰をかけて誰かと話してるよう に1人でブツブツ呟いていたりするのだ。 ショ太誰と話してるんだ。 俺が声をかけるとし太は巨団とした顔で こちらを見て うん。誰もいないよ と答える。 しかしすぐにまたクの方を指び差し。 でもね、あそこにいるお友達が僕のこと 呼んでるんだ と言い出すのだ。 さらに不可だったのは母の行動だ。 毎日決まった時間に暗や古いのそばに 小さなおにぎりや駄菓しのようなものを 備えているのだ。 まるで仏壇に備えるように。 母さん、それ何してんだ? 俺がそう聞くと母はにっこりとしかしうろ な目で微笑んでいった。 ああ、これはね、道案内の子にあげてるん だよ。迷子のお客さんをちゃんと連れて 行ってもらわないとね。迷わないように 目印さ。 道あんないのか、お客さん。 母の言葉は全く意味が分からなかったが、 その穏やかな口調が逆に言い用のない 不気味さを感じた。 そんな中俺は断面的に子供の頃の記憶を 思い出していた。 何かの連休だったか夏休みだったか。 この家の裏手で誰かとか確連房して遊んで いたような気もする。 薄暗らい暗の中井戸の周り でも誰と遊んでいたのかどうしても 思い出せない。 ただ鬼に見つかってはいけないという強い 緊張感と見つけてはいけない子が1人だけ いたような そんな漠然とした恐怖感だけが胸の奥に 蘇ってきた。 研究も終わりに近づいた日の午後。 俺と里子が今で母と話してる間、翔太は庭 で遊んでいたはずだった。 ふと静かなことに気づき庭を見たがシ太の 姿がない。 ショ太、ショ太。 俺とさ子は家中を探したがどこにもいない 。 パニックになりかけた俺たちの横で母は相 変わらず穏やかな表情で窓の外の方を 見つめていた。 母さんシ田知らないか。 俺が叫ぶと母はゆっくりとこちらを向き ああ、し太君ならさっきお客さんと一緒に の方へ行ったよ。道案内をするんだって 嬉しそうにね。 血の毛が引いた。 俺は裏手の暗えと走った。 硬く閉ざされていたはずの重い暗の扉が 少しだけ開いている。 中からシ太のか高かい笑い声が聞こえた。 シ太、 俺が叫びながら暗の前にかけ売るとシ太が ひょっこりと扉から顔を出した。 その顔は泥か何かで少し汚れていたが満面 の笑味だった。 あ、お父さん 安心したのもつの間 シ太は俺ではない。クの暗闇の奥に向かっ て楽しそうに手を振った。 うん。分かった。 そして俺の方に向き直ると先ほどの笑顔の ままはっきりと言った。 お父さん バイバイ。 次の瞬間、シ太の姿が影のようにぐにゃり と揺らぎ、ふっと書き消えたのだ。 まるで最初からそこに誰もいなかったかの ように、 俺は息が止まるかと思った。 全身の地が逆流し、目の前が真っ白になる 。 違う。何かの間違いだ。幻覚だ。 俺はよめきながら暗の前に駆け寄ってシ太 が消えた空間に向かって手を伸ばした。 どこだ?戻ってこい。シ太 すると背後から母のあの妙に落ち着いた声 が聞こえた。 ああ、し太君ちゃんと道案内できたんだね 。偉い子だ。これでまた1人お客さんが 帰っていける。正体声やった。仕方ない ことなんだよ。昔からこの土地ではこう やってバランスを取ってきたんだから。 商店の合わない目で母はそう繰り返す ばかりだった。 あの日、あの瞬間俺たちの時間は止まった 。 俺は掛けがいのないたった1人の息子を この家のこの土地の得体の知れない何かに 奪われたのだ。 警察の大規模な捜作も何の手がかりも得 られずに数週間で打ち切られた。 母は警察に対しても シ太はちょっと遠くまで遊びに行っただけ すぐに帰ってきますよ と繰り返していた。 さ子はショックから立ち直れずまともに 証言することもできなかった。 近隣のわずかな住民はどこか晴れ物に触る ような態度で、 あの家には昔から色々あるからね と口を継むばかり。 そのまま寄制は終わって俺たちはシ太のい ない家に帰った。 家の中のあらゆる場所にショ太のおかげが 焼きついている。 つ木、絵本、小さな靴。 夫婦の会話は減って家の中は思い目に支配 されるようになった。 あのクには今も何かがいるんだろう。 母は今も道案内のこ町お客さんのために 縁川に備い物をしてるんだろうか。 考えるだけで吐き気がする。 もう2度とあの家に行くことはないだろう 。 確かめる術も確かめたいという気力も俺に はもう残っていない。 あの日、クの前で俺に向かってバイバイと 言ったショ太の泥で汚れた無邪気な笑顔。 なぜあの時もっと強くシ太の手を握ってい なかったのか。 なぜ寄制してしまったのか。 後悔と自績の念が鉛りのように重く 繰り返し胸を締めつけてくる。 夜中のは 深夜1人暮らしのアパートの部屋はシと 静まりた。 壁の時計が規則的な音を立てる他には何も 聞こえない。 疲れた体をベッドに沈め間ろみ始めたその 時、 枕元に置いたスマートフォンの画面が突然 明るくなった。 プルルルルルルルルルルルルル 着信音が部屋中に響き渡る。 こんな時間に誰だろう。 嫌な予感がしながら画面を見るとちの文字 が表示されていた。 まさか間違い電話だろうか。 出ずによか迷ったが不審な気持ちが勝さり 通話ボタンをタップした。 うん。もしもし。 向こうからは何も聞こえない。 ノイズも息遣いも一切の音がしない。 完全な無音だった。 もしもし。聞こえますか? もう一度呼びかけると突然ぶつ。 として通話が切れた。 間違い電話にしては奇妙だ。 なんだか気味が悪くなってスマートフォン をベッドサイドに置いた。 それから数日後、 同じような電話がまたかかってきた。 深夜羊地。そしてやはり無音。 それからというもの前晩電話はかかって くるようになった。 その度全身にり立りと寒けが知って胸に 言いよのない不安が広がる。 電話はすぐに切れることもあれば数十秒間 沈黙が続いた日もあった。 ある夜 いつものように通知の電話がかかってきた 。 電話に出るとやはり無音だ。 しかし今回はいつもと違った。 かかに遠くからひそひそと誰かがさくよう な声が聞こえる気がする。 耳を済ますが何を言ってるのかは聞き取れ ない。 しかしその声は確実に俺を呼んでるような 気がした。 恐怖に駆られすぐに通話を切った。 それ以来俺はスマートフォンの電源を夜中 に切るようになった。 スマートフォンの電源を切っていても、 あのヒそヒそとしたさき声は止まらなかっ た。 それどころか次第にその声は大きくなって 部屋のどこかから直接俺に語りかけてくる ようだった。 しかし声の響きに奇妙な反響があることに 気づいた。 それは部屋の壁ではなく外から聞こえて くるかのような。 ふとベランダの方に意識を向けた。 声は確かにそちらから聞こえてくる。 重い足取りで窓へと近づきカーテンを ゆっくりと開けた。 するとベランダの隅に雨風にさらされて 色わせた古びたガラが転がっていた。 どうしてここにこんなものが 電源も入っていない。しかしこの古び携帯 を見つけた瞬間、あのヒそひそとした声が ぴたりと病んだ。 アンドしたのもつの間。 ふとベランダの柵を見ると外から白い手が かけられてるのが目に入った。 指先は細くまるで老人形のようだ。 俺はビクっと体が震えたが、好奇心にも似 た奇妙な感覚に駆られ恐ろ恐るその手に 近づいた。 するとその手は突然柵を離し、下の方へと 落ちていった。 慌て柵を乗り出しを見下ろしたがそこには 何もなかった。 ベランダに転がるあのガラ系を拾い上げた 。 冷たく閉めった感触。 電源が入ってるはずがないのに画面は ひびれたままでぼんやりと光っていた。 恐怖に狩られ、俺はそれを掴んだまま部屋 の中に戻った。 気がつくと朝になっていた。 いつ寝たんだろう。 目覚まし時計は鳴っておらず、カーテンの 隙間から差し込む光が部屋の隅々まで 照らしている。 布団から起き上がると夕べの出来事が鮮明 に脳りに蘇って背中に冷たいものが走る。 顔をあげ咲夜ガラケを置いたはずの机の上 を見た。 だがもうそこには何もなかった。 それからというもの、夜中にち着信が かかることも、あの声が聞こえることも なくなった。 柿の木と古い。 私の実家は山奥の小さな村にあります。 そこは外の世界とは隔離されたような場所 で時間がゆっくりと流れてるようなそんな 場所でした。 私が子供の頃、実家の匂には樹霊何百年か わからないほどの大きな柿の木が立ってい て、 そのかの木の根元には疲れなくなった古い があったんです。 村の老人たちはその井戸のことをあまり 話したがらず、子供たちには近づくなと 強く言い聞かせていました。 昔あの井戸で不吉なことがあったとだけ 聞かされ、具体的な内容は教えてもらえ ませんでした。 子供心にその井戸には何か恐ろしい秘密が 隠されてるのだと感じていました。 秋になると柿の木にはたくさんの身が鳴り ます。 しかし誰もその牡蠣を食べようとはしませ んでした。 熟して地面に落ちた牡蠣はそのまま腐って いくばかりです。 それでも誰1人としてその牡蠣を口にする ことはなかったんです。 私がなんで食べないの と聞くと祖母はただ首を横に振るだけでし た。 ある日のこと、 私はいつものように実家に寄制していまし た。 その日は虫暑く夜になっても寝苦しいほど で私はなかなか寝つけず ふと庭のかの木が気になりました。 満月が柿の木を照らし、そのシルエットが 庭にくっきりと浮かび上がっていました。 こっそりと部屋を抜け出し、庭に出てみる と夜の静寂の中、柿の木の歯が風に揺れる 音がざめくばかりで他には何も聞こえませ ん。 私は好奇心に駆られ、古いのそばまで 近づいてみました。 井戸の縁に手をかけ、中を覗き込もうとし たその時です。 井戸の底からかかにすりなく声が聞こえて きたんです。 私は思わず身を引きました。 まさか井戸の中に誰かいるのか。 しかしそんなはずはありません。 井戸は深くそ真っ暗で何も見えませんでし た。 その声は次第に大きくなっていき、やがて 私の名前を呼んでるように聞こえました。 全身の血の毛が引いていくのを感じました 。 その声は井戸の底から私を呼んでるかの ようでした。 恐怖に震えながらその場から逃げ出そうと しましたが、足がすくんで一歩も動くこと ができません。 すると今度は井戸の底から何かがもがく ような音が聞こえ始めました。 グり グり。 誰かが井戸の壁を引っかいてるかのような 不気味な音です。 その音はだんだんとこちらに近づいてくる ように感じました。 私は井戸の底から何かが生い上がってくる ような錯覚に陥りました。 その時背後から祖父の声が聞こえました。 何をしてるんだ、こんな時間に。 私は振り返って祖父に抱きつきました。 祖父は私の震える体を抱きしめ、井戸に目 をやりました。 祖父の顔は青ざめていましたが、何も言い ませんでした。 翌日 祖父は私を呼んで古いの秘密について話し てくれました。 大昔この村では基金や疫病が流行すると 子供を井戸に投げ入れ法作や疫病の収束を 願うという二重の儀式が行われていたのだ と。 そしての木はその物となった子供たちの魂 が宿る木だと信じられていました。 だからその牡蠣を食べることは彼らの魂を 冒涜することになると言われていたんです 。 私が聞いたすすりなく声は偽えとなった 子供たちの魂の声だったのかもしれない。 祖父は続けて言いました。 お前が聞いた声はね、その中の誰かだと 思うんだ。 お前の名前を呼んだのはきっと 祖父はそれ以上何も言いませんでしたが、 私はそれが何を意味するのか直感的に理解 しました。 私はその井戸に引きこまれそうになったの だと。 それ以来、私は2度とあの古いには近づき ませんでした。 そして柿の木を見るたびにその身の1つ1 つが小さな子供の目のように見えてゾっと するようになりました。 今でも実家に寄制するとかの木の近くを 通る か春かなすりなく声が聞こえてくるような 気がします。 そしてあの古いの底から聞こえたガリガリ という音と私の名前を呼ぶ声が耳から離れ ません。 あの村の伝統は今もひっそりとあの古いと かの木の中で行きづいているんです。 赤い長靴 に入り、私の毎日はうんざりするほどの 湿気とそして何よりも通勤電車の遅延との 戦いだった。 私が利用する公外の指鉄線はこの時期に なると決まって大雨による速度規制だの 線路内関水の恐れだのと最もらしい理由を つけては数分時には数十分以上の遅延を 繰り返す。 乗客たちは窓ガラスを叩く雨の音と車内に 充満する生かい湿気にうんざりしながら ただ生息き苦しい時間を耐えていた。 その日も朝から激しい雨だった。 の上、私が乗った電車は駅を出て数分も 経たないうちに駅でもない鉄橋の上でのろ と速度を落とし、やがて完全に停止して しまった。 車内アナウンスで 大雨の影響でただいま運転を見合わせて おります。運転再開までしばらくお待ち ください と聞き飽きた言葉を繰り返す。 私は席に座ってため息をつきながら雨で 白く煙外の景色をぼんやりと眺めていた。 鉄橋の下には茶色く濁った川がゴーゴーと 流れている。 その時ふと千路の草むに赤い子供用の長靴 が片方だけ泥にまみれて落ちてるのが目に 入った。 あんな場所になぜ 誰かの忘れ物だろうか。 雨に打たれるその鮮やかな赤色が妙に目に 焼きついた。 電車は20分ほどしてようやく動き出した 。 しかしその日から私は奇妙なことに気づき 始めた。 電車が遅延して長時間停車するたび、なぜ か必ずあの赤い長靴を窓の外に見るのだ。 最初はあの鉄橋の脇だった。 数日後に遅延した時は駅の手前の踏切り脇 の草むに さらにその次は駅のホームの橋ベンチの下 に転がっていた。 あの赤い長靴が私を追いかけるように少し ずつ。しかし確実に私の利用する影と 近づいてきてるようなのだ。 気味が悪くなって他の乗客にも見えるのか 確かめようとしたか。みんな遅延に うんざりしてスマホを見ているか眠って いるかで窓の外など気に止めていない。 それに長靴はいつもほんの一瞬しか視界に 入らず。それに気づくとすぐに電車が 動き出してしまう。 長靴だけではなかった。 電車がチェーンして停車すると先路や ホームの隅に他にも子供のものらしい 忘れ物がポツりポツりと落ちてるのを見る ようになった。 小さな破れた傘。泥だらけのクの ぬいぐるみ。 それだは皆雨に濡れひどく古びて何十年も そこに放置されていたかのように見えた。 そして決まって電車が長時間停車している と車内の空気が妙に重くなってまるで水の 底にいるような息き苦しい圧迫感を感じる ようになった。 梅雨も終わりに近づいたある大雨の日の朝 。 またしても電車はあの赤い長靴が待ち構え てるかのよう。 私の最寄り駅のホーム手前で緊急停車した 。 長靴はもうホームのすぐ目の前。線路は木 の砂利の上にこちらにつ先を向けるように して置かれていた。 車内アナウンスがいつもの欲用のない声で 線路内安全確認のためしばらく停車いたし ます。 とつげる。 乗客たちはまたかとうんざりしたため生き をついている。 その時だった。 プシュー という音と共に電車のドアが突然開いたの だ。 駅ではない。ここはまだ線路の上だ。 乗客たちがおいおい、何なんだよ と騒ぎ始める中、私は開いたドアの向こう 。雨に煙るホームの橋に小さな人影が立っ てるのを見た。 ビッし濡れになった赤いレインコートを着 た子供だった。 そしてその片方の足にはあの赤い長靴を 履いている。 子供はゆっくりとこちらを向き、そして ニコ と笑った。 やっと追いついた。 その声は幼い子供の声のはずなのにどこか 古びていて水を含んだようにくぐっていた 。 どうやったのか分からないが、子供は トントン と軽い足取りで車内に入ってくると まっすぐに私の目の前までやってきた。 そして手に持っていた泥と水草にまみれた もう片方の赤い長靴を私の足元にことりと 置いた。 それお姉ちゃんの分 子供はそう言ってまだこうと笑った。 わけが分からない恐怖と混乱で体が動か ない。 子供は私の手を取りグイっと引っ張ろうと する。 その手は氷のように冷たかった。 さあ、行こうよ。これでちゃんとお迎えが 来るから。 お迎え。 その言葉を聞いた瞬間、私は車内の異様な 雰囲気に気づいた。 電車の行先表示板がいつの間にかチカチカ と点滅し、見たこともない奇妙な文字へと 変わっている。 車内の他の乗客たちはいつの間にか皆うろ 目でこちらをじっと見つめていた。 まるで早く行けとでもうようには私の手を強く、開いたアの向こうに煙へと誘う。早くないと電車行っちゃうよ。 その声はもう子供のものではなく、もっと 多くの声が混じり合ったような不気味な 響きを帯びていた。 もうだめだ。連れて行かれる。 と思った瞬間 突然電車が大きく揺れ私はバランスを崩し て子供の手を振りほき床に尻り持ちをつい た。 何かにぶつかったような衝撃音と共に車内 の照明が一瞬消えまた点灯する。 目の前にいた後の子供とうろな目をしてい た乗客たちの姿はいつの間にか消えせてい た。 行先表示もいつもの見慣れた駅名に戻って いる。 足元にはあの泥だらけの赤い長靴が片方 だけ転がっていた。 もう片方はどこにもない。 あれは一体何だったのだろうか。集団幻覚 。それとも 日常に戻ってから梅の時期に電車が遅延 することはやはり何度かあった。 その度に私は窓の外の線路にあの赤い長靴 の傍を探してしまう。 しかし2度とそれを見ることはなかった。 ただ電車が長時間停車し、車内の空気が 重く淀む時。 私は今もあの子供の気配をすぐそばに 感じるような気がするのだ。 そしてあの水を含んだようなくぐった声が 風の音に混じって聞こえてくるような気も する。 待ってるよ。 ちゃんとお迎えしないとね。 あの時私は助かったのかもしれない。 でもあの赤い長靴の片方は今もどこかで次 の誰かを待っているんだろうか。 そしてあのお迎えの電車は今日も雨の中を 走り続け誰かを知らないどこかへと連れて 行ってるのかもしれない。 そう考えると梅の日の電車の遅延はただの 迷惑では済まされない。 何か得体の知らないものへの扉であるよう な気がして雨の日の電車に乗るのが怖いの だ。 取られる。 週末のドライブと車中泊は俺の数少ない 趣味の1つだ。 都会の剣争を離れ、1人で静かな自然の中 に身を置く。 その時間が日々のストレスを忘れさせて くれる。 先週末俺は前から気になっていた山奥の湖 へ向かった。 ガイドブックにも乗ってないような小さな 静かな湖だ。 後半には車が数台止められる程度の小さな 砂利のスペースがあるだけで他に人工物は 見当たらない。 携帯の電波は県外だった。 金曜の夜仕事を終えてから車を走らせ、 深夜近くに古半の駐車スペースに到着した 。 予想通り他に車は1台もいなかった。 エンジンを切り、窓を開けるとひんやりと した山の空気とかカスかな水の匂いが 流れ込んでくる。 月明りに照らされたコ面は黒く鏡のように 静まりに帰っていて、どこか神秘的であり 、同時に少し不気味な雰囲気も漂わせてい た。 持ってきた簡単な食事を車内で済ませ、 後部座席をフラットにして寝袋に潜り込ん だ。 外は完全な暗闇みと静寂。 時折り遠くで獣のような声が聞こえるが それもまた自然の中のBGMだと思えば 心地よかった。 うとうとし始めた頃だっただろうか。 ざ ざ ざ 車の外から誰かが砂利の上を歩くような ゆっくりとした足音が聞こえた。 こんな時間にこんな場所に誰か来るなんて ことがあるだろうか。 釣り人か。 ざ ざ ざー。 いや、それにしては足音が重く引きずる ようだ。 音は俺の車のすぐそば、湖側のドアの辺り でぴたりと止まった。 息を殺して耳を済ます。 風の音以外何も聞こえない。 気のせいだったのか。 そう思った瞬間 こんこん。 湖側の窓ガラスを誰かが指先で軽く叩く音 がした。 心臓が跳ね上がった。 間違いなく誰かが外にいる。 声をかけようか迷ったか恐怖で声が出 なかった。 音は止まらない。 コンコン 規則的なそれでいて無奇質なノック まるでそこに誰かいるかどうか確かめて いるような。いや、むしろ俺が中にいる ことを知っていて反応を待っているかの ようだ。 音は少しずつ。しかし確実に強くなって いく。 こんコン 。 俺は寝袋の中で体を固くし、息を止めた。 車の窓には車高カー点をつけている。 外から見えないはずだ。見ない方がいい。 絶対に見てはいけない。 どれくらい時間が経っただろうか。窓を 叩く音はふっと病んだ。 アンドしたのもつの間。今度は別の音が 聞こえ始めた。 ピチュ ピチュ。 それは水を下たらせながら歩くような音 だった。 まるで湖から上がってきたばかりの誰かが 俺の車の周りをゆっくりと徘徊してるかの ような 不快な音。 音は車の周りをぐるりと一周し、また湖側 のドアの辺りで止まった。 そして車内にツンとするような生臭い水の 匂いが充満し始めた。 淀んだヘドロのような匂いだ。 鼻が詰まりそうになる。 その時フロントガラスの内側がまるで誰か がすぐそばで息を吹きかけたかのように 急速に白く曇もり始めた。 見るみるうちに曇りは広がっていき、 そしてその中央にゆっくりと形が現れた。 それは人の手方だった。 べったりとガラスに押し付けられたような 生々しい手。 指の1本1本まで見える。 もう限界だった。ここにいてはだめだ。 早く逃げなければ。 俺は寝袋から飛び出し、恐ろ恐る運転席に 移動して震える手で木をひねった。 しかしエンジンがかからない。 勝ち勝ち と虚しい音がするだけでエンジンがかかる 気配すらない。 バッテリーが上がったのか?いや、そんな はない。 くそ。なんでだよ。 何度も木をひねるが結果は同じだった。 完全にパニックに陥っていたその時 運転席の窓ガラスを外からぬーと覗き込む 影が現れた。 俺は悲鳴をあげそうになるのを必死でこれ へした。 そこに現れたのは女の顔だった。 ぶよぶよにふやけ皮膚は真っ白で長い紙が 額体や方に張り付いている。 目は白目が剥き出しのまま大きく見開かれ ていて、黒目はどこか淀ってうろだ。 口は半開きのまま何かを訴えるように、 あるいは呼吸を求めるようにパクパクとか カかに動いている。 明らかにこの世のものではない。 それは窓ガラスに額を押し付け、じっと俺 の方を見つめていた。 ガラス越しにその顔から放たれる。氷の ような霊キと大体腐配が伝わってくる。 俺はそこで意識を失った。 はっと目を覚ますと朝日がフロントガラス から差し込んでいた。 車内にはもうあの嫌な匂いはない。 そろ恐る木をひねると今度はあっけなく エンジンがかかった。 昨夜の出来事は悪夢だったのだろうか。 俺は阪神半義のまま急いで車を走らせ、 後半を後にした。 2度とここに来るもんかと硬く誓いながら 帰り道何気なく運転席側の窓ガラスを見た 俺は息を飲んだ。 ガラスの外側には泥や水滴の跡がついて いるだけだ。 だが内側にちょうど夕べあの顔が覗き込ん できた辺たりに人の顔の形をした油のよう な半透明の跡がくっきりと残っていたのだ 。 それは布で強くこすってもなかなか消える ことはなかった。 あの夜の訪問者は確かに存在したのだ。 そしてその痕跡を俺の車の中にはっきりと 残していったのだ。 自宅に戻ってから数日経ってもあの湖で 体験した恐怖が頭から離れなかった。 あれは一体何だったのか。 気になってインターネットであの湖の名前 を検索してみた。 検索結果を見て俺は再び凍り着いた。 ヒットしたのは古い地方新聞の記事や地元 の共同書をまとめた個人のブログばっかり だったが、そこには共通してこんな記述が されていた。 まるまる子は古くから人を取る湖として 地元で恐れられてきた。 美しい景観とは裏腹に水難事故が非常に 多く、特に夏場や連休中には原因不明の 行方不明者が後を立たないという。 遺体が見つからないことも多く の底に引きずり込まれた神隠しにあったと 噂されてきた。 一節には湖の底には古い集落が沈んでおり 、寂しさから生きた人間を仲間に 引き入れようとしているとも言われている 。 水南事故神隠し湖の底に引きずり込まれる 。 俺はあの夜窓を叩き車内を覗き込んできた あれがその人を取る存在だったのだと確信 した。 そして俺は間一発で取られずに住んだだけ だったのだ。 マグカップ。 うちの姉はとてもモてる人だった。 高校ぐらいから彼氏が途えたことがなくて 、一大のボンボとか超大手のリーマンとか 外し系の外国人とかそんなんばっかと 付き合っていた。 でも一時期バイト先の店長と付き合ってい たことがあった。 俺はそのカフェに行って顔見てきたこと あるんだけど普通のさえない感じのおっ さんだった。 その頃から姉が自立神経失張症だかつ高か になってかなりおかしくなってしまった。 薬を飲んでずっと寝てるんだ。 そんで俺が毎晩飲み物とか持っていったり するんだけどその時水とか入れるマグ カップを落としちゃったことがある。 そのマグカップはプレゼントでもらった やつでかなり大事にしていた。 やべえと思ってちょっとくっつかないかな これ。っていじっていたら黒い髪の毛 みたいなのがかけた側面から見えた。 で、ま、それは結局髪の毛で俺は自転車で 隣の県の効果下に行ってそのマグカップを 柱にぶん投げて割ってきた。 家に帰ると姉にマグカップどうしたのと 聞かれたんで落として割っちゃった。って 言った。 なら超激怒して怒り来るのに そう って言ってまた寝てしまった。 それから少しして店長とは別れいつの間に か打つとか言い出さなくなってなんか ケロっとしてる。 そんでまた働き出して一流企業のすげえ 良さそうなイケメンと付き合い出した。 両親はすごく喜んで一体何だったんだろう って言ってた。 友達とかも驚いていたらしい。 それで去年その人と結婚して今幸せに 暮らしてる。 俺はあの時姉がおかしくなったのはあの マグカップのせいなんだろうなと思ってる 。 誰にも言ってないけど。 ちなみにマグカップはバイトでもらったと 言ってて店長にもらったのか同僚にもらっ たのかはわかんない。 店長は何気にモてるらしくて付き合い出し てそれを寝たんだ同僚にもらったのか。 店長が最高野郎でそんなのくれたのか。 今朝その時の夢を見たんだけど気持ち悪く て朝ご飯のおにぎり吐きそうになった。 恐怖映像特集。 それは忘れもしない高校生の頃の夏の世の ことだった。 期末テスト終わって私の部屋には友人の淳 と剣が泊まりに来ていた。 夜通しゲームをする予定だったけどなぜか その夜は無償にテレビをつけたくなった。 深夜をザッピングしているとふとある チャンネルで目が止まった。 それはどうやら恐怖映像特集と目打たれた 番組のようだった。 心霊現象や未確認生物の映像が次々と流れ ていく。 大半はチープな演出で正直そこまで怖くは なかった。 これ合成だろう。演技下手すぎねえか。 と3人で笑いながら見ているうちに時計の 針は深夜2時を回っていた。 番組も終盤に差しかかった頃、画面に 映し出された次の映像で私たちの笑い声は ピタリと止まった。 それはとある古い民家の薄暗らい廊下を 映した固定カメラの映像だった。 画面はくノイズが走っている。 ひどく不明な映像だが、その分妙な リアリティがあった。 廊下の奥には古びた引き度が見える。 映像には何の音も入っていない。ただ ひたすらに静寂が続いているぬ。 これなんか嫌な感じしない? 淳が画面に釘付けになったままぽつりと 呟いた。 私を含め全員がカを飲んで画面を見つめて いた。 一般的な心霊映像のように急に何かが 飛び出してくる気配はない。 しかしその静寂と異常なほどの間が じわじわと私たちを追い詰めていく。 心臓の音が部屋に響いていくのが分かる。 その時だった 廊下の奥にある引き戸がゆっくりと本当に ゆっくりと会いたのだ。 音は一切しない。 ただすっとまるで空気が引き込まれるかの ようおもなく横に滑っていく。 開いた隙間から覗くのは漆黒の闇だった。 その闇はまるで底なしの空間が底に広がっ てるかのようだった。 息を飲む音が聞こえた。 私たちの誰もがこの先何が起こるのか想像 することすら恐ろしい。 会えた引き度の隙間からその闇の中から ごくかにしかしはっきりと何かが現れた。 それは人間の足だった。 しかし、廊下の床に灰い出てくるのでは なく、その足はまるで立っているかのよう 。しかし体は見えないままふっと現れたの だ。 血管が浮き出たような不気味な色。足首 から下だけが見えていて、床にしっかりと 踏みしめている。 だが、その上には何も繋がっていない。 切断された足だけがそこに立ってるかの ような異様な光景だった。 私たちは恐怖で全身が硬直し、画面から目 を離すことができなかった。 ありえないものが私たちの目の前で 映し出されている。 としてその立っている片足のすぐ隣から 今度はもう1本の足が現れた。 その足は何かに吊されてるかのようだらり と垂れ下がっていた。 足先はわずかに床についているかいないか で膝から下が不自然な方向に折れ曲がって いる。 首を釣って自殺をしたものの足のように 見えた。 力なく脈打つこともなくただぶら下がって いたのだ。 淳が小さく埋めた。 一体何が起きているのか。 立っている片足とまるで首吊りのように ぶら下がっているもう1本の足。 その奇妙な組み合わせは私たちの想像力を 書き立て言いよのない不安感を増幅させる と次の瞬間 その立っている片足のすぐ上にゆっくりと 人間の胴体がぬっと現れた。 しかしその胴体は下半身が途中で途切れて いて立っているはずの足とは繋がってい ない。 上半身だけが片足の上に無理やり乗せられ ているかのようなグロテスクな姿だった。 その胴体から力なく垂れ下がった腕が2本 現れ、その先の指先はまるで何かを掴もう としてるかのようにわずかに開閉していた 。 頭はまだ闇の中に隠れていて、その姿は 見えない。 しかしその異様な体の配置 片足だけが立ってもう片足が釣られたよう にぶら下がり上半身だけが乗っていると いう意味不明な光景は決して理解すること のできない異質な存在がそこにいることを 強烈に示唆していた。 その時映像が乱れた。 画面に走るノイズが激しくなって映像は チカチカと点滅する。 そしてそのノイズの合間からその異質な 存在の頭部が一瞬だけ鮮明に移し出された のだ。 その顔は目が大きく見開かれ、口元はあり えないほど避け、何かを叫んでるかのよう に歪んでいた。 そしてその顔全体が私たちを見てるように 見えた。 次の瞬間映像はプツンと途切れてしまった 。 テレビ画面はただの砂嵐しとなってブーン という低い音だけが部屋に響き渡った。 私たちは言葉を失っていた。 全身から日汗が流れ、呼吸が荒くなってい た。 あれほどの戦恐怖を私たちは3人で見てい たのだ。 あの映像はこれまで見てきたどの恐怖映像 よりも深く、そして確実に私たちの心に 爪跡を残した。 ありえない光景が脳りから離れない。 なんだよこれ。 剣が震える声で呟いた。 私たちは電気をけっぱなしにして布団を朝 までかぶり、身を寄せ合うようにして震え ながら朝を迎えた。 翌朝、私は恐怖と寝不足で重い体を起こし た。 まだ全身が震えている。 夕べの悪夢のような出来事を友人と確認し たくて隣の布団に目をやった。 しかしそこには誰もいなかった。 え、 慌てて部屋を見回す。リビング、キッチン 。 だが友人の姿はどこにもない。 夕べ3人で広げた食べかけのお菓子も 飲みかけのペットボトルも友人の荷物も 全てがまるで最初から誰もいなかったかの よう綺麗に消え去っていた。 おい、初剣どこ? パニックに陥って叫んだ。しかし返事は ない。 シと静まりた部屋に私の声だけが虚しく 響いていく。 私は焦ってスマホを手に取った。 震える指でメッセージアプリを開く。 真っ先にいつもの友人たちとのグループ チャットを確認した。 そこには私が最後に送った。今日泊まりに 来ないか というメッセージとそれに対する友人たち からのごめん。今日は行けない。部活で 疲れてるからパス。 と言った昨日の夕方に買わされたと思わ れる変身が確かに残っていたのだ。 つまり咲夜友人たちは私の部屋にいなかっ た。 私はあの恐怖映像特集をずっと1人で見て いたことになる。 全身の毛が逆立つ感覚に襲われた。 頭の中が真っ白になる。 では昨日の晩、私の隣に座ってあの恐怖 映像を見て声をあげていた友人たちは一体 誰だったのか。 私の記憶の中にある彼らの笑い声やを飲む 音は一体何だったのか。 混乱しながらテレビのリモコンを手に取っ た。 昨夜見た番組のチャンネルを調べようと テレビの番組表を開いてみた。 すると確かに恐怖映像特集という番組が 放送された記録はあった。 それは私が録画していたもので、リストの 中にその番組名を見つけた時、アンドにも 似た感情が湧いた。 やはりあの映像は現実だったのだと。 しかしそのアンドは次の瞬間恐怖へと 変わる。 私は録画リストからその恐怖映像特集を 再生した。 番組冒頭からいくつもの心霊映像が流れて いく。 私が笑いながら見ていたチープな作りの 映像だ。 そして番組も終盤に差しかかってあの廊下 の映像が流れ始めた。 薄ぐらい廊下古びた引き戸 映像は私が覚えている通りに進行していく 。 引き度がゆっくりと開いて漆黒の闇が 広がる。 そしてその闇の中から1本の足が立って いるかのように現れる。 とこまでは私が覚えている通りの映像だっ た。 しかし次の瞬間、 私の目はテレビの画面に釘付けになった まま大きく見開かれた。 立っている片足の横からもう1本の ぶら下がった足が現れるはずのシーン。 そしてその上に胴体がぬっと現れるはずの シーン。 あの異様な幽霊の姿が映るはずのシーンが その映像にはどこにも存在しなかったのだ 。 引き度が空いた後、数秒間ただの廊下の 映像が続いたかと思うと突然ノイズが走っ て次の映像に切り替わってしまった。 問題のシーンだけが編集で切り取られたか のように。 いや、そんな単純なものではない。 最初からそんなシーンは存在しなかったか のよう完全に消えせていたのだ。 私は何度もその録画を見返した。 送りしたり、巻き戻したり、止めてみたり 。 しかし何度見てもあのシーンはそこには なかった。 完全に結落していた。 私は今も自分が見たものが現実だったのか 、それとも全てが幻格の仕業だったのか 分からずにいる。 幼稚園バス 数年前にあっ出来事。 夜中友達から携帯に電話がかかってきた。 今近くの山にツーリングに来てるからお前 もどう という誘いの電話だった。 時計を見るともう夜中の一時。 その山の指定されたドライブインまで行く のに自宅から30分以上はかかるから俺は 断った。 なんだよ。釣れないやつだな と言いながら友人の話は続いた。 まあ、夜中のドライブインで1人でいる わけだから、寂しいから電話を続けてんの は分かったので、話には付き合った。 しばらくくだらない話をしていると、その 友人から、 お、このドライブ俺だけかと思ったら幼稚 園バスも止まってな。 山登りの遠足するにはいい時期だもんな。 という話が出た。 俺もその時は何も考えずにああ、そうだな 。俺なんて高校の時山登りさせられたわ なんて話で切り返した。 しばらくそんな雑談が続いていたんだが、 ふと奇妙に思って時計を見た。 時刻は午前1時20分。 あいつから電話がかかってきてツーリング に誘われたのを断ったのは時間が1時を 過ぎてからだった。 そんな夜中に幼稚園バスが山奥のドライブ 員なんかに止まってるのはおかしい。 俺はまずそいつに聞いた。 なあ、さっき言ってた幼稚園バスだけど、 それって人乗ってないよな。 うん。いや、乗ってるぞ。 ちゃんと印刷の先生とその幼稚園の演示が 今はああ、なんか降りてたみたいだな。 多分トイレタイムなんかじゃねえの やばいと思った。 夜中それも1時回った時間に幼稚園のバス がそんなとこにいんのはおかしい。 俺はなんとかそいつを怖がらせないよう その場をすぐに離れるように伝えた。 とりあえずもう遅いから山降りて家に来い よ。 え、なんでだよ。ちょっと木晴らししたい からツーリングに来たのにもうちょい流し てから行くわ。 バカ。お前今時間何時だと思ってんだよ。 え?ああ。1時過ぎてんな。 お前、1時過ぎた夜中のドライブインに 幼稚園乗せたバスなんか普通止まってねえ だろ。 はあ、 多分それで気づいたんだと思う。しばらく 会話が途切れた。 うわ、分かった。すぐ山降りるわ。てか さっきまでいたエンジどこに 余計なこと考えになってとりあえずすぐに そこから出ろん。 バイクのエンジンがかかる音がした と。とりあえずお前んち行くわ。分かった からすぐ出ろって。で、そこ家まで来い。 わ、わかん。は、 電話はそこで一旦途切れた。 そいつが家に来たのはそれから1時間後 くらいだったと思う。 顔が真った。 とりあえず俺はそいつが落ち着くまで何が あったのかを聞かなかった。 30分くらい経っておろにそいつが 喋り出した。 あの時さ、お前に教えられてバイクの エンジンをかけてすぐに出ようとしたんだ 。 そしたらいたんだよ。バスに乗ってたやつ が俺のすぐそばにさ。 どうにも電話に夢中で気づかなかった みたいなんだよ。 多分ずっと周りで見てたんだと思う。 だってよ、バイクにまたがった瞬間さ、 そいつらがいるのに気づいた時笑ったんだ よ。 やっと気がついたみたいな顔でよ。 でも笑ったのって口元だけなんだよな。 だってそいつら全員目がなかった。 マジで晴れはやばかった。 そいつの怖がり方から見ても多分本当に あったことなんだと思う。 実際電話で直前まで話していた俺だけど、 やっぱそういう話って普通ありえないから 信じられないって思うんだけど、あれは きっとマ字だったんだな。 その後あいつ携帯その場で投げ捨ててきた みたいなんで朝になってから2人で拾いに 行ったんだけど そのドライブ員別にそんなことがある なんて話は全く聞かないんだよな。 その山体だってそういう怖い話があるわけ ではないんだ。 まあ不思議なこともあるもんだ。 宅配便 自分が高校生の時だからもも5年くらい前 の話。 その日自分と姉と母親とで階段話を 持ち寄って100物語のようなことをして いたんだ。 最も100話も話を用意していたわけじゃ なかったし、初詮はその日やっていた 本コアの主張後に始めた。家族内でのプチ 心霊パーティーのような感じだった。 そうしてワイワイお菓子なんかをつまみ ながらそれなりに盛り上がり、やがて23 時くらいになってそろそろお開きにしよう という空気になった。 この話で最後にしよう。 そう言って最後の階談話を母親が始めた。 多分地元の学校の七不思議についての話 だったと思う。 話の内容はさほど怖くもなくうんうん言い ながら自分たち兄弟はそれを聞いていた。 七不思議のうちの6番目くらいに話が突入 したくらいの時だったと思う。 突然家のインターホンが鳴った。 そのタイミングに3人とも一瞬ひどく驚い たが、カメラで訪問者を確認するとどう やら宅配業者だし、 みんなしてなんやねん。びっくりしたやん け。ってな感じでアンドしながら自分が 玄関に出た。 案の女だの愛だった。その夜ごい雨が降っていて、自分はさっさと荷物を受け取っおうとしたんだが、曰大引きだという。 実は自分の家では通販なんかで何かを頼む 時は必ず振り込みで支払いを済ませておく というルールがあって大引きで誰かが何か を頼むってことはまずなかった。 もちろん誰かからの贈り物が大引きっての もおかしいしあれと思って薄暗らい伝票を しっかり見直した。 すると自分の住所と伝票に書かれた届け先 の住所が微妙に違っていた。 当時自分が住んでいたのは22番の3号。 伝票に書かれていたのは23番2号だった 。 ああ、これうちじゃないですよ。 そう言うと業者はああ、本当ですね。どう もすみません と言ってそのまま雨の道を帰っていった。 その時自分は特に何とも思ってなくて家族 のいるリビングに戻って なんか間違いだったみたいとだけ報告し 階段話の腰も折れてしまったしということ で風呂に入ることにした。 問題はそれから 風呂から上がった頃なぜか姉と母親が少し 騒がしい。 先ほどまでの階段話にまた火でもついたの かなと思いながらどうしたと声をかけると まるまるさっきのおかしくない という どういうことか聞いてみると なんでこんな夜中に蓄が来るの ということらしかった。 確かに言われてみればそうだ。 調べてみるとどの業者も配達は原速21時 までのようだし、雨で連れ込んだとしても 23時に訪問してくるような業者はさすが にありえないだろうと結論に至った。 やがてさっきの人は本当にただの卓愛業者 だったのかという流れになっていった。 そして思い返してみると例の業者には おかしな点がいくつもあることに気がつい た。 まず雨であるにも関わらず業者には濡れて いる気配がなかったこと。 配達のための車や自転車もなく徒歩だった こと。 業者の用姿は自分は直接 姉と母はインターホンのカメラ越しに3人 とも確認していたはずなのに服装や顔など 具体的なことは何ひつ記憶できていないと いうこと。 自分たちは3人ともなんだかとても気味が 悪くなっていた。 極めつけは住所について 23番ってあったっけ? 自分たちはそんな母親の一言で怖いながら 23番2号を確認しに傘をさして住所を 辿どった。 結果から言うと23番地は存在したが2号 は存在しなかった。 しかも奇妙なことに2号だけが抜けていた 。 1号もあるし3号もあるのになぜか2号 だけがない。 一層ぞっとさせられて3人で慌てて帰った 。 あの業者もあの荷物も何だったのか未だに 謎だし。なぜ地元の住所23番2号だけが 抜かれてるのか未だに分かりません。 シャリシャリ。 私は中学校で教員をしている。 夏休みに入り、部活動で投稿する生徒以外 はほとんど校舎から姿を消し、学校全体が 独特のしさに包まれていた。 私も普段は定時で帰るんだが、この日は どうしても今中に片付けたい作業があって 、珍しく夜遅くまで学校に残っていた。 午後9時を過ぎると校舎は完全に静まりっ た。 昼間の幻想が嘘のようなシーンとした 張り詰めた空気が支配する。 自分のキーボードを叩く音だけが響く職員 室で作業を続けているとだんだんその成熟 が底びえするように感じられてくる。 広い校舎に自分1人だけ。 そう思うと夜けに背後や資格が気になり 始めた。 作業もいよいよ大詰を迎えた頃だった。 かかに。しかし確実に奇妙な音を耳にした。すます。 遠くから聞こえる子供の声のような妙に耳に残るさき声。職員室は校舎の橋にある。こんな時間に生徒がいるはずがない。 気のせいだろうとまずは無視しようとした 。 だが音は止まない。 耳を済ますとそのさき声がどうも2つ以上 の声が不規則に重なってるように聞こえる 。 まるで複数人の子供が人目をしんで何か 秘密の話をしてるかのように。 しかしその声には生きている人間の温度が 一切感じられない。 音のする方向はどうやら職員室から廊下 挟んだ向い側あるいはその奥らしい。 その方向にある部屋といえば保険室だ。 まさか保険室に誰かいるわけがない。 だってかかってるはずだ。 しかしさき声は病まない。 それどころかに何かが床を絶間なく擦する ような乾いた不快の音が混じってきた。 砂がすれるようなシャリシャリ という音だ。 まるで誰かがそこにずっと座り込んで何か を書いてるかのような必要で耳障りの音 だった。 不安が胸いっぱいに広がって作業どころで はなくなった。 胃を消して職員室のドアをゆっくりと開け た。 廊下は非常誘導灯の緑の光がぼんやりと 照らしてるだけでほとんど闇だ。 冷たい空気が肌を撫でる。 耳を済ますと保険室の方からあの という声としという書くような音が職員室の中にいた時よりも少しだけはっきりと聞こえてくる。 好奇心と恐怖心が混ざり、私はそろそろと 廊下を進んだ。 足音を立てないよう息を殺して 保険室の前に着くと音はさらに明確になっ た。 やはりこの部屋の中から聞こえる。 ドアには曇りガラスがはめ込まれていて、 中の様子ははっきりとは見えない。 だが、ガラスの向こうに複数の小さな影が うめくように動いてるような気がした。 そしてかかに部屋の中からヒやりとした この世のものではないような独特のレキが 漏れ出ているのを感じた。 普段の消毒液の匂いに混じって何か違う 古いような湿ったようなそしてどこか 土っぽい匂いもする。 中の子供たちは一体何をしてるんだろう。 まさか学校に忍び込んで遊んでいる。 しかし夜の学校に、しかもこんなにも静か に。そしてこの不気味な音を立てて 恐怖に体が震え始めた。 これは生きてる人間の気配ではない。 それは明らかだった。 いよ決身。私は保険室のドアの部に手を かけた。 日やりとする金属の感触。 ゆっくりと音を立てないようにドアを 開ける。 そうするつもりだった。 だがドアの部を回したその瞬間、ドアは私 の手によってではなく、勝手にすっと まるで内側から招き入れられたかのように 静かに内側に開いたのだ。 開いたドアの向こう薄暗らい保険室の中の 光景に私は全身の血の毛が引いた。 部屋の中は奥の壁に設置された小さな矢刀 だけがついていて恐ろしく薄ぐらい 消毒液の匂いがむっとするような古い匂い と混じり合って鼻をつく。 ベッドやカーテンは普段と変わらないよう に見える。 しかし部屋の奥のベッドのそばに子供たち がいた。 3人、 小学校、低学年くらいの都市の子供たち だが、彼らは普通ではなかった。 肌はローのように青白く、まるで血液が 全く通っていないかのようだ。 目は大きく見開かれていたが、そこに光は 宿っておらず。真っ黒な深い穴のように 見えた。 表情は一切ない。無表情で全員が同じ方向 を向いて静かに立っていた。 彼らは壁に向かって置かれたベッドの脇に 互いに体を寄せ合うようにして立っていた 。 そして彼らの足元床の上を3人の子供たち が腰を曲げ、それぞれ指先か何かで静かに 同じ場所を必要に繰り返し シャリしャリしゃリしャリ と絶間なく描いているんだ。 その彼らの爪はどこか黒ずんでるように 見えた。 そしてふと3人の子供たちはまるで糸で 操られてるかのよう、同時にゆっくりと顔 だけをこちらに向けた。 その光のない黒い穴のような目と一切の 感情が読み取れない。しかしどこか歪んだ 青白い顔が一斉に一点の曇りもなく私に 向けられたのだ。 そして彼らの口元は美にしてないのにどこからかあのサウス というさき声が部屋全体にあるいは私の頭の中に直接き渡るように聞こえてきた。 口を使わずに話してるかのように、 あるいは彼らの周囲の空気が歪んで声と なって漏れ出してるかのように 子供たちは動かない。 ただその穴のような目で私を見つめあの不気味な。 あ、そうしそうという声とシャリシャリといえ床を描こうと続けている。それは遊びなどでは断事でなかった。 それは何かの事実的な儀式のような、 あるいはただひたすら同じことを永遠に 繰り返すだけの意味不明で恐ろしく おましい行為のように見えた。 そしてその行為から底なしの悪意とこの世 の生命にはありえない冷たさが放たれてる のを感じた。 その光景の異常さと目の前の存在が幽霊で あるという確信に私は全身が金縛りにあっ たかのように硬直した。 思わず という声をあげてしまった。 するとその私の反応を見たんだろう。 3人の子供たちの無表情だった顔に同時に ゆっくりと自然な笑味が浮かんだ。 広角が人間にはありえない角度にまで 不気味なほど釣り上がる。 穴のような目は喜びや楽しみではなく、 ただ冷たい悪意を添えて私を捉えて話さ ない。 その笑顔は祝いの笑でも楽しい笑味でも ない。 それはこちらの恐怖や混乱を深く面白がる ような歪んで悪意に満ちた笑いだった。 その笑ミを見た瞬間私の理性のタが完全に 外れた。 私は動物のようなダ末のような姫をあげ そうになりながらとっさに持っていた荷物 もそのまま保険室を出てドアを力任せに 乱暴に締め切った。 パンと乾いた。しかし恐ろしく大きな音が 静まり返った校舎に響き渡る。 ドアを閉めても曇りガラスの向こうにあの 青白い顔が穴のような目でこちらを見てる ような気がしてならなかった。 して耳を済まさなくてもかにドアの向こうからあのという声としリしリしりというく用な音が絶え間続いてるように聞こえた。 私はもうそこに1秒足りともいることは できなかった。 職員室に戻ることも荷物を取ることも考え られなかった。 恐怖で震える足に鞭打ち、ただひたすら 校舎を駆け抜け、非常階段を駆け折り、 一目に学校から逃げ出した。 あれ以来私は夜の学校に1人で残ることは 絶対にしない。 もちろん日中でもあの保険室の前を通る度 足が救んでしまう。 あの保険室にいた子供たちは一体何者だっ たんだろう。 床の同じ場所を絶えなく書き続けて一体何 を探してるんだろうか。私には何もわから ない。
ごまだんごが読んでいてゾッとした話をランキングにしました。
00:00 第50位 人身事故(6月)
08:40 第49位 退職代行(5月)
27:50 第48位 梅雨の換気扇(6月)
41:24 第47位 フリマアプリとカメラ(6月)
52:38 第46位 空手の合宿(1月)
57:02 第45位 肩の上の手(5月)
01:04:12 第44位 古本(6月)
01:17:31 第43位 湖畔のキャンプ(5月)
01:30:21 第42位 頭上(6月)
01:36:22 第41位 コンビニバイト(5月)
01:50:44 第40位 リサイクルショップ(5月)
02:02:53 第39位 わいてくる(1月)
02:15:15 第38位 印を授ける(5月)
02:32:04 第37位 花喰い (4月)
02:40:09 第36位 空席(6月)
02:51:11 第35位 高画質(6月)
03:01:07 第34位 黒組の運動会(5月)
03:13:18 第33位 宿直 (4月)
03:25:52 第32位 置き配(6月)
03:34:25 第31位 底なし井戸(4月)
03:43:46 第30位 忘れ物 (4月)
03:55:04 第29位 角部屋(5月)
04:06:39 第28位 見ています(6月)
04:16:53 第27位 手招き(5月)
04:26:53 第26位 老舗旅館(5月)
04:38:24 第25位 タンスの甘い匂い(5月)
04:50:50 第24位 ピエロ(1月)
04:55:16 第23位 ランドセル(6月)
04:59:23 第22位 黄泉食堂 (4月)
05:17:46 第21位 傘(1月)
05:23:26 第20位 長い女性(6月)
05:34:17 第19位 爪痕(4月)
05:44:13 第18位 同窓会(6月)
05:50:43 第17位 和室(5月)
06:06:37 第16位 話し相手(5月)
06:19:41 第15位 蠢く(5月)
06:27:33 第14位 ユニットバスの鏡(5月)
06:35:52 第13位 間違いなく見た(1月)
06:40:33 第12位 骨董品(5月)
06:53:29 第11位 伸びる髪 (4月)
07:02:21 第10位 道案内の子(4月)
07:17:10 第9位 夜中の電話(6月)
07:24:55 第8位 柿の木と古井戸(6月)
07:33:39 第7位 赤い長靴(6月)
07:46:32 第6位 とられる(4月)
07:59:52 第5位 マグカップ(1月)
08:04:06 第4位 恐怖映像特集(6月)
08:20:46 第3位 幼稚園バス(1月)
08:28:28 第2位 宅配便(1月)
08:36:26 第1位 しゃりしゃり(5月)
#horror #怖い話 #怪談
19件のコメント
上半期ランキングありがとうございます
上半期ランキングのアップお疲れ様でした。楽しみに聴かせていただきます(^^)
怖い話系の動画は沢山有るけど、やっぱり声の質、トーン、スピードが抜群ですね。
無駄に怖くさせずに淡々と朗読されるのが1番ゾクッとします。
ごまだんごさんおはようございます🌞昨夜のランキング動画お疲れ様でした😸
お疲れさまですごま団子さん。🎉
ごま団子様、おはよう、ございます😁
動画🎦配信ありがとうございます💯☺️
ごまだんごさんお誕生日おめでとうございます🎂素晴らしい一年になりますように🎉
39位 02:15:00 あたりから46位の空手合宿の話が入っててビビりました
ごまさんの動画聞いてる時バグりがちだから急に戻ったかと思って怖かった…
39位と38位の間に空手の合宿が編集ミスでくっついちゃってますね
ランキング待ってました!ごまだんごさん、いつもありがとうございます
知らないお話もあって、聞き応えのある🐝時間でした(◕ᴗ◕✿)
個人的に、ごまさんの『いらっしゃいませ』に痺れました♬
ごまだんごさんの声が怪談睡眠用にとても合っています。
読んでてゾッとしたランキングという事ですが、内容だけではなく何か霊的にゾッとした事もあるのでしょうか?
ごまだんごさん自身の心霊現象も気になります😅
寝る前に聞かせてもらってます!
面白い話ばかりですね😊
なんか今年は去年より怖い気がします😅
🍡だんごさん😎 これからも頑張って下さい🍀
退職代行…
喪黒福造 ですか😂
声のトーンがステキですね😍いつも真剣に聞き入っています😄
いつも寝る前に聴かせていただいています☺️
ありがとうございます✨😊👻